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カナダの労働環境・時間・残業…実体験で解説!日本人との働き方の違い

公開:2019/09/19 著者:久保村 慎吾 16810 Views

「日本人は真面目に働きすぎだ」というのはよく耳にすることですが、それは本当なのでしょうか?

実際にカナダに住み始めて僕が思ったことは、、、

「明らかに日本人の働き方とは何かが違う!」でした。

 

最初はそれが何なのかが曖昧でしたが、実際に1年間働いたことで「日本との働き方の違い」が少しずつですがわかってきました。

この記事では、データに加えて僕自身がカナダで様々な国籍の人たちと一緒に働いて肌感覚で気づいた働き方の違いについてご紹介したいと思います!

労働時間とGDPの比較

まずは日本とカナダを含めた労働時間のデータを簡単にご紹介します。

下記は、OECD(経済協力開発機構=Organisation for Economic Co-operation and Development)という国際機関のデータになります。

※OECDとは、主に先進国が加盟する国際機関の事で、主に国際的な経済協力と発展を促進する活動を行っています。

 

労働時間

OECD(経済協力開発機構=Organisation for Economic Co-operation and Development)の労働時間/年(2010年)

→2010年1人あたりの労働時間/年です。

留学人気国(アメリカ、ニュージーランド、日本、カナダ、オーストラリア、イギリス)の中で比べると、日本は3番目の労働時間です。

 

また、2025年6月時点の最新データ(2023年データ)も見てみましょう。

OECD(経済協力開発機構=Organisation for Economic Co-operation and Development)の労働時間/年(2023年)

→2023年の1人あたりの労働時間/年。

 

「日本人は働き過ぎ!」というイメージからすると、実は意外にも労働時間/年は少なかったりするんですね。
これまでは「日本人は長時間労働、日本にはサービス残業という言葉がある」とも言われてきましたが…これは日本での働き方改革が着実に進んでいるためでしょう。

 

GDP(国内総生産)

次は、2010年のGDP(国内総生産)を見ていきましょう。

 

GPD(国内総生産)とは、その国が1年でどれだけモノやサービスを生産したか(経済活動で価値を生み出したか)という指標です。

GDPが大きいほど、その国がたくさんのモノやサービスを生み出しているという事になります。

2010年国ごとのGDP棒グラフ

→人気留学国の中では、日本は5番目となってます。

 

2010年の日本の労働時間では、アメリカとニュージーランドに次いだ3番でしたが、GDPでは上記のように5番目となっています。

 

2023年のGDP棒グラフ

→人気留学国の中でGDPは最下位!

 

そして、2023年の労働時間では日本は5番目となっていましたが、2023年のGDPでは6番目(最下位)となっています。

これが「日本が他国と比べて労働時間と労働生産性が見合っていない」と言われる理由です。

 

一方、カナダについては「労働時間とGDPが同じ(それぞれ第三位)ですので、時間に見合った労働がきちんとできている」と言えそうです。

 

では、そうしたカナダの働き方は実際どんな感じなのでしょうか?

早速、その違いを見ていきましょう!

 

違い1)組織内の関係性がフラット

僕がカナダで働いてみて、最初に感じた日本との違いは職場内の人間関係のフラットさです。

 

・日本: 圧倒的な上下関係 → 言いたいことが言えない
・カナダ: みんなの立場が同じ → なんでも話しやすい雰囲気

 

日本では社長、部長、課長などの色々な役職が存在していて、それぞれを主に役職名で呼びますよね?

僕は部長を〇〇さんと呼んだだけで叱られた経験があります(苦笑)

それほど絶対的な上下関係が日本の組織内には存在します。

 

それに比べて、カナダでは職場内のみんなが平等というような雰囲気です。

もちろんカナダも日本のように役職は存在しますが、全ての人がお互いを名前で呼びあっていてとても風通しの良い雰囲気があります。

このような雰囲気なので、僕の職場でも働いている全ての人が自分の思ったことを言い合い、いつもいい意味での話し合いをしていました。

 

そして、彼らは何か不満なことがあったらすぐに上司に相談し、上司はそれを一緒に解決していこうという姿勢がよくみられました。

日本では何か不満なことがあってもほとんどの場合はそれを言うことを我慢し、夜の飲み会で上司の愚痴をこぼすのが一般的なスタイルだと思います。

 

実際の印象的な場面

カナダで働いていた時、あるカナダ人同僚が、上司に以下のような交渉をしてる場面を目にしました。

 

「最初に言われたことは全てできるようになりました。あとは何をできるようになれば時給をあげてくれますか?」

 

このような交渉をしていて、正直カナダ人すごいなと驚いた覚えがあります。(笑)

 

不満を抱えていつも愚痴をこぼしながら働くよりも、不満をしっかりと解決してから働いた方が、労働生産性が上がるのは一目瞭然ですよね!?

 

余談ですが、カナダには正社員とバイトという概念がなく、日本のような社員至上主義はありません。

週40時間働くフルタイムワーカーか、それ以下のパートタイムワーカーという分け方しか存在しないので、これも職場内の雰囲気がフラットな要因の1つだったりします。

 

→ 欧米社会では社員の関係性がフラットです。

 

違い2)圧倒的な実力主義

「海外は完全実力主義だ」という話は良く耳にするフレーズです。

 

一方、日本は徐々に薄まりつつあると言われますが、下記のように未だに年功序列が根強く残ってる部分があります。

・日本: 年功序列 → 頑張っても報われない
・カナダ: 実力主義 → みんな頑張る

 

私がカナダの職場で気づいたこと2つ目は、その圧倒的な実力主義です。

 

これはカナダに限らず西欧系の国どこにも当てはまることだと思うのですが、誰が見ても分かる実力主義がカナダの職場にもありました。

そのため、日本のような年功序列の雰囲気は全くなく、仕事ができれば年齢関係なく役職も上がるし、給料も上がります。

 

これは組織に属する正社員や上層部だけの話ではなく、僕らのようにワーホリで働いている人間にも当てはまります。

 

彼らにとっては、「その人がワーホリかどうか」などはまったく問題ではなく、「仕事ができるかどうか」だけが問題なのです。

 

実際に、私の同僚で同じワーホリの立場でも仕事ができる人には、色々な仕事が任され、それに見合った給料が支払われていました。

日本のような「通常の時給は○○円だけど、あなたは高校生だから××円ね」という年齢や身分に応じた給料設定は海外ではあり得ないんですね。

 

実力主義だからこそクビも早い

「年齢や身分に関係なく、実力がある人はしっかり認められる」というのが実力主義のプラス面ですが、当然マイナス面もあります。

 

それは、仕事ができないとすぐにクビになることです!

 

実際、僕がカナダで働いている間にもクビにされていく従業員を何人も見ました。

日本では法律によって従業員がしっかり守られているため、一度雇用した社員はなかなかクビにできません。

 

しかし、海外ではどんなポジションであろうと会社にとって必要ないと思われたら即日クビになります。

 

実際に僕の友人がクビにされるのを目の当たりにした時、少し厳しすぎるのではないかと感じたこともありました(苦笑)

 

しかし、「クビにできないからといって自分から辞めるように仕向けられるような社会よりはハッキリとしてて良いのかも?」とカナダで働きながら思うようになりました。

 

現状、仕事ができない人をクビにできないことで、仕事ができる人にツケがまわってきているのが日本社会の現状です。(こうした所にも、日本全体での労働生産性=GPDが低くなっている所はあるのかもしれません)

 

ちなみに、僕が日本で働いていた時の上司は優秀で仕事が早いこともあって、私はいつもできない人の分の仕事を振られ、いつもサービス残業をしていました…

もしもこれが海外だったらできない人はすぐにクビになり、優秀な上司はもっと効率よく昇進していたでしょう(笑)

 

違い3)転職が当たり前

カナダでは、転職に対するイメージが日本とは180度違います。

 

・日本: 転職が多い → 仕事が続かないのかな?(マイナスイメージ)
・カナダ: 転職が多い → キャリアアップのためには必須!(プラスイメージ)

 

日本では転職をよくしている人に対して、以下のようなマイナスのイメージがあると思います。

「あまり仕事が長続きしないのかな…」

「どうせまたすぐ辞めるだろう…」

 

一方、カナダでは転職に対する考え方が、以下のように全く異なります。

「色々な経験をしていていいね!」

「その転職なら、キャリアアップのためのプランにピッタリだね」

 

本当に「所変われば…」ですよね!

このようにカナダを含む欧米社会では、転職に対してプラスのイメージがあるんです。

 

実際に僕が働いていたレストランでも、副料理長は何回も変わっていました。

彼は他のレストランからもっと条件の良いオファーをもらったらしく、さらっと辞めていきました。

仕事を辞めることに関する価値観ですが、彼らは完全に僕ら日本人とは違うのです。

 

実際に僕は仕事を辞めると周囲の人に伝える時、日本では「どうして?もったいなくない?もうちょっとだけ頑張れば?」と引き止められがちです。

 

一方、カナダでは、「Congrats man! (やったな!)」といつも理由も聞かずにお祝いしてくれました(笑)

 

日本人は会社の同僚に家族意識もあるせいか、「みんないい人たちだから辞めづらい…」と思うこともありますが、彼らにはそういった感情が一切ないみたいです(笑)

 

違い4)バケーション(長期休暇)がある

僕が1番羨ましいと思ったのは、このバケーション制度です。

 

日本: 長期休みは年末年始と夏休み、有給も取りづらい…
カナダ: 2週間程度のバケーションをみんなとってる

 

さすがにヨーロッパ諸国に比べてカナダのバケーションは2週間と短いみたいですが、それでも僕ら日本人からしたらこのバケーション制度は羨ましい限りです。

 

日本では「今年のゴールデンウィークや年末年始休み、お盆休みは○連休で長い!」と話題になりますが、欧米諸国からしたら2週間前後のお休みは全然大したことはありません。

 

カナダの職場では、「来週は俺の誕生日なんだ!1週間休みをくれ!」と真面目に上司に相談している人がいて笑ってしまいました。

実際に彼は無事にバケーションを獲得していましたし、こういった主張はカナダではしっかりと受け入れられているようです。

 

→ 欧米社会では有給をほぼ100%紹介するのが当たり前。

 

また、僕は旅行中に出会ったフランス人にこんなことを言われたことがあります。

「(日本人は)バケーションもないのに何のために仕事を頑張っているんだ?」

 

彼らからすると、バケーションありきの仕事ということなのでしょう。

プライベートや家族が一番で、あくまで仕事は2番目と言う考え方とも言えます。

 

働き方改革が推奨されているとは言え、日本人の多くは仕事第一と考えている人がまだまだ多いのは事実です。

 

しかし、彼らは家族との時間や趣味の時間をもっとも大事にするので、仕事の優先順位は低い傾向があるように感じました。

 

(おまけ)欧米人も案外残業はする

僕は海外で働いている人は残業しないという謎の先入観を持っていたのですが、これは少し違いました。

欧米人も案外残業はしているんです!

 

ただし、日本とは違うところは、無駄な残業やサービス残業(今ではあまり耳にしなくなりましたが)は皆無だということです。

 

現状日本でも残業に対する考え方は少しずつ変わってきていますが、いまだに「残業=頑張っている」と捉える文化やイメージは少なからず残っていますよね?

 

少なくともカナダでは、そのような考え方を持った人にはほとんど出会いませんでした。

 

カナダ人も本当に必要な時は残業してでも働きますが、それ以外は早く仕事を切り上げて遊びに行くといった人が多かったですね。

 

また、これはカナダで働いていてとても驚いた話なのですが、彼らは大雪が降った次の日に仕事を休むことがあります。

その理由は、パウダースノーを楽しむためです(笑)

日本人からしたら滑るために仕事を休むなんて考えられない話ですが、カナダでは結構あるあるな話らしいです。

 

彼らは、「遊びのために仕事はほどほど」にというスタイルです。

 

ただカナダ人でも固定給ではなく、時給で働いている人の中には、労働時間が多いほど給料も増えますので、時給労働者だと「稼ぎたいからもっと働かせてくれ」と言う人も意外に多いような気がします。

 

カナダ人やっぱり大雑把!

もちろん人によっても違いますが、僕周りで働いているカナダ人たちは大雑把な人がかなり多かったです(笑)

 

・日本: 繊細(もちろん人によります)
・カナダ: 豪快(もちろん人によります)

 

僕の渡航前の個人的なイメージでは「カナダ人は豪快」というイメージがあったのですが、これは大体あっていました(笑)

一方で、繊細なカナダ人の方々にはごめんなさい。。

 

彼らは何をするにも大雑把で、日本人からしたら考えられないようなこともたくさんありました。

ただその一方で、何でもキッチリと仕上げる日本人はすごい褒められます。

 

僕ら日本人の感覚からすると普通に働いているだけなのですが、「日本人は本当によく働くな!」と言われることが多くあり、これは海外で働く日本人あるあるだと思っています(笑)

 

これは日本人である大きなアドバンテージだと思うので、存分に有効活用していきましょう!

 

日本のホスピタリティは世界一だと評されることもありますが、日本人の繊細な配慮はもちろん外国人にも通じます。

 

実際に僕は日本人という理由もあって、採用されたという話を後日聞かされました。

僕が働いていたレストランのシェフは世界中で働いたことがあるらしいのですが、どこの国に行っても日本人は高いクオリティの仕事をしていたそうです。

 

【まとめ】 欧米人は何事もハッキリしている!

以上カナダで働いてみて気づいた日本との違いでした。

 

総合的な印象は、みんな何事もハッキリしていて、自分の感情に素直に働いていること。

 

何か思うことがあればすぐに言うし、小さなことはあまり気にしません。

僕自身このような人たちに囲まれて最初は戸惑いましたが、慣れてくるとこの働き方が結構心地よくなってきます(笑)

 

日本での仕事に嫌気がさしたという人は、日本から出て海外のスタイルで働いてみるのもいいかもしれません。

自分の中の仕事に対する価値観が大きく変わるかもしれませんよ!

 

→海外で働く大変さやリアルな情報を知りたい方はこちらのコラムが参考になると思います。

 

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