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【イタリア留学】イタリアの首都ローマの特徴を紹介!

公開:2019/05/22 著者:常世 麟太郎 9444 Views

ギリシャや中国と並び、キリスト生誕以前から長い歴史を誇ってきたイタリアは、ご存知の通り、首都ローマを中心に発展してきました。

ローマの街中は、古代ローマ帝国時代の遺跡から数々の名のある教会で溢れ、歴史を感じさせる街並みがどこまでも続いています。

イタリア留学するなら、ローマは必ず訪れたい都市ですよね!

そこで、今回は、古代からイタリアの中心を担ってきたローマの特徴をご紹介したいと思います。

ローマの地理と天候に関して

まずはローマの位置と天候について確認してみましょう。

ローマは長靴型でおなじみのイタリア半島において中部の沿岸部に位置する都市で、イタリア共和国の中部にある州(ラツィオ州)の州都でもあります。

ローマは半島西側の海(ティレニア海)に注ぐテヴェレ川の河口から上流25kmにあり、ローマはこの川に沿って都市が形成されました。

 

また、「ローマの七つの丘」と称されるように、ローマは7つある丘の上に広がっており、比較的起伏の激しい地形になっています。

→7つある丘の中でも、パラティーノの丘にローマが築かれたのは、テヴェレ川に一番近く、そして丘の上の面積も広かったためです。(面積が広く、他の丘に比べて防衛に適していました)

 

→こちらは7つの丘の一つであるチェリオの丘にあるローマ帝国時代の邸宅です。ぐるっと見渡して頂く坂道で丘の上にある事がわかると思います。

 

ローマの緯度は北緯41度と高く、日本の都市と比較すると北海道の函館市と同じくらいの緯度にありますが、地中海性気候のため年中を通して暖かいのが特徴です。

また、平均最高気温は20℃でこれは東京とほぼ同じですが、ローマの夏季の降水量は23㎜(7月)と東京の約6分の1の値でかなり少ないですね。

 

ローマの歴史

ローマの都市としての歴史は、紀元前8世紀にまで遡ります。

ギリシャからイタリア半島に逃れてきた英雄アイネイアスの息子であるロムルスがパラティーノの丘に都市を築き、その名がローマという名前の由来となったという説があります。

紀元前7世紀には都市国家としての整備が進み、やがて上・下水道、議事堂、神殿、公衆浴場、複層住宅、スタジアムなど、高度な建築技術を駆使した建造物が次々と建てられました。

そして、ローマ皇帝アウグストゥスの時代には100万人の人口を擁する世界最大の都市となりました。

 

→こちらはポン・デュ・ガール(ローマ水道橋)の一つで、ローマの中でも特に保存状態が良い橋の一つです。

これがなんと1世紀(日本は弥生時代)の時に建てられたと考えると…当時ローマの技術水準がいかに高かったか分かると思います。

 

そして、現在のヨーロッパと中東地域まで広がったローマ帝国は、ゲルマン人の移動に伴って476年に滅亡しました。

しかし、ローマは都市としての機能を失うことなく、キリスト教の大本山としての地位を8~9世紀頃から確立していきました。

現にカトリック総本山と称されるサン・ピエトロ大聖堂のある、ローマ市内の世界最小の国家ヴァチカン市国(このコラムのタイトル写真)は、イタリア共和国の中にありながら別の国家として公的にみなされています。

 

また、ローマはルネサンスの時代(14世紀~16世紀にかけてのヨーロッパの文化転換期で芸術の復興運動が盛んになった時代)にも大きな役割を果たします。

イタリア中部の都市フィレンツェで花開いたルネサンスは、文学・芸術・学問の大きな転換点となりました。

→ルネサンスがフィレンツェからスタートしたのは、当時ビザンツ帝国にいたギリシア文化の知識人や学者が強大なイスラム王朝であるオスマン帝国に追われてフィレンツェに亡命し、そのイタリアでは商人や教皇が芸術活動を保護したためです。

 

特に芸術の分野では、ダ・ヴィンチやミケランジェロなどのルネサンスの巨匠たちが、ローマへと出向いて古代の遺跡などを観察することによって、「見たまま」の絵画を生み出すためのヒントとしまます。

近代に入りフランス革命とナポレオン戦争の影響で、一時はその勢力は停滞しましたが、1848年にはサヴォイア王家による統一運動で、ついに近代的な国家としてのイタリア王国が誕生します。

 

そしてローマは王国になってからは、イタリア3番目の首都として栄えます。

20世紀には第一次世界大戦での勝利の後、ムッソリーニの独裁体制に移行し、第二次世界大戦では枢軸国側として参戦しましたが、1943年には事実上の降伏を受諾しました。

現在、ローマは世界的に有名な観光都市として、毎年多くの人々が訪れる憧れの都市となっています。(2023年は、なんと3500万人もの観光客がローマを訪れています)

 

ローマの食文化

イタリアといえばやはりイタリア料理ですが、他の観光地と同じく、有名なイタリア料理はローマのレストランで全て味わえます。

その中でもローマの伝統料理として特徴的なのは、アーティチョーク、アマトリチャーナ、カルボナーラの3つでしょう。

 

アーティチョークは、日本ではあまり馴染みのない食材です。

キク科の植物で、お茶にして楽しまれることもあり、ヨーロッパおよびアメリカでは広く親しまれている食材です。

ローマ周辺では、これをオリーブオイルとニンニクで炒めた料理や揚げ物として提供されることが多いです。

 

アマトリチャーナはパスタの一種で、トマトソースにグアンチャーレと呼ばれる豚の頬肉を和えたものです。

大手イタリアンファミレスの店舗でも提供されていたことがあり、ご存知の方もいるのではないでしょうか。

パルミジャーノ・レッジャーノチーズと絡めて味わうアマトリチャーナは、お肉好き・チーズ好きの胃袋を掴むこと間違いなしの一品です。

 

カルボナーラは、日本では知らない人はいないパスタの代表格ですね!

こちらは首都のローマ生まれと言われており、カルボナーラ発祥のお店もあり、ローマを訪れるなら是非味わいたい一品です。

 

また、これら以外にも、ローマにはフィレンツェやナポリの郷土料理を味わえるレストランもあります。

 

そして、パスタだけではなく決して外すことの出来ない食べ物は、やはりジェラートです。

映画『ローマの休日』でオードリー・ヘップバーン演じるアン王女が、スペイン広場でジェラートを食べるシーンはあまりにも有名で、多くの観光客が真似をして写真を撮る姿は有名でした。(残念ながら現在は条例で禁止されています)

ちなみに、厳密に言えば、ジェラート自体はローマではなくフィレンツェで誕生した食べ物ですが、ローマにはたくさんジェラテリア(ジェラート屋)があり、2ユーロから5ユーロくらいの幅で多彩な味のジェラートを楽しむことができます。

 

ローマの観光スポット

先述の通り、ローマは紀元前からの都市として発展してきたため、古代から中世まで、本当に様々な遺跡や教会を観察することができます。

 

まず見逃せないのは、フォロ・ロマーノです。

→ 古代ローマの中心部「フォルム・ロマヌム」の遺跡であるフォロ・ロマーノ

こちらはローマ中央駅のテルミニ駅から徒歩20分ほどの位置にある観光スポットで、古代ローマ時代の神殿跡や建造物、凱旋門などが残っている場所です。

あのコロッセオもこのフォロ・ロマーノの近くにあり、毎年数多くの観光客が訪れています。

パラティーノの丘の上の展望台からは、フォロ・ロマーノを一望することができます。

 

こちらはローマでも特に有名な観光地、円形闘技場であるコロッセオ。

 

次にテヴェレ川とテルミニ駅(ローマの中央駅)の間のエリアも有名です。

ここには、日本でも多くの人に知られている観光スポットや観光客向けのレストランも数多く立ち並んでいます。

下記は映画『ローマの休日』の舞台となったスペイン広場、コインを後ろ向きに投げて再訪を願うトレヴィの泉。

 

また、ローマで最も古い教会のうちの一つに数えられるパンテオンなど、ガイドブックが必ず載せる有名スポットが集中しています。


→パンテオン外観

 

最後に、サン・ピエトロ大聖堂サンタンジェロ城です。

テルミニ駅からはバスを使って行くと便利です。

バチカン市国の中心地にあるサン・ピエトロ大聖堂はカトリック教会の総本山で、ルネサンスの巨匠たちの作品と古代ローマの美術の粋を集めた美術館として有名です。

→こちらはサンピエトロ大聖堂の内部です。壮観ですね…。

 

→こちらのサンタンジェロ城は、サン・ピエトロ大聖堂の正面にある要塞です。

古くからヴァチカンを守るための防御施設や牢獄としての役割を果たしてきた建造物となっています。

内部は攻撃に備えて、複雑なダンジョンになっており、非常に興味深い観光スポットの一つです。

 

永遠の都ローマを楽しもう!

如何でしたでしょうか?

ローマは美味しいイタリア料理を楽しめるだけではなく、長い歴史のロマンを感じさせてくれる魅力いっぱいの都市です。

イタリアに来たのであれば、当コラムで紹介したことを思い返しながら、ぜひローマの街を歩いてみてください。

あなたのお気に入りの場所や食が、きっと見つかることでしょう!

 

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