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留学帰国後に何する?通訳を仕事にするなら知っておきたい英語以外に必要な4つの能力!

公開:2020/05/31 著者:坂元 ちひろ 146 Views

こんにちは、カナダ在住のちひろです。

留学に興味を持っている人や英語を勉強中だという人達の中には、「将来的に通訳として活躍したい。」と考えている方がいると思います。

私自身も日本の会社に勤めていた頃に通訳者と一緒に仕事をする機会があり、彼ら彼女らに強い憧れを抱いていました。

 

そして、今度は自分が通訳をする立場になってみて、想像以上のやりがいや楽しさを感じています。しかし、通訳業に携わる傍らで「英語力以外に求められる能力」も浮き彫りになってきました。

 

そこで今回は、「通訳者には、主にどのような能力が求められるのか?」を本コラムでシェアさせていただきます。

ちなみに、通訳と同様に2つ以上の言語を扱う仕事として、「翻訳業」も挙げることができます。

翻訳は書籍や契約書など「文書を言語変換する作業」、もう一方の通訳は話し手の言葉を聞き手のために「口頭で訳出する行為」という差別化のもとで、本日は「通訳」に焦点を当ててお話ししてまいります。

通訳には3種の分類がある

まずは簡単に通訳の種類をおさらいしたいと思います。

「通訳」と一語で言っても、その業務はさらに細分化することができ、「同時通訳・逐次通訳・ウィスパリング」の3つに分類されます。それらの違いは一体何なのでしょうか?

 

・同時通訳

「同時通訳」は文字通りですが、発言者が話しているのとほぼ同時に通訳をします。厳密には話し手の発言を2、3秒後から追いかけていくイメージです。通訳者は「話を聞く・言葉を対象言語に変換する・聞き手に伝える」という3つの作業を瞬時にせねばなりません。

 

・逐次通訳

「逐次通訳」は、発言者がある程度話した後に間を区切るタイミングがあるので、そこで数センテンスをまとめて通訳し、話者が再び続きを話し出すのでそれをまた訳して…という作業が繰り返される方法です。

最初にご紹介した同時通訳とは異なり、慎重に言葉を選びつつ通訳者自身が内容をより理解しながら訳出していけるのが、この逐次通訳です。

 

・ウィスパリング

「ウィスパリング」は、通訳者が聞き手の横や後ろについて、囁くような小さな声でほぼ同時に通訳するスタイルです。前述の同時通訳と似ているウィスパリングですが、こちらは少人数での商談に向いています。

一方、同時通訳は専用ブースでヘッドフォンやマイクを通じて大人数に向けて訳出をすることが多く、大規模な国際会議などで採用される手法です。

 

以下、通訳業として働く際、英語以外にも求められる4つの能力について解説していきます。

 

能力1: 集中力

前項をお読みいただいたみなさんはお気づきかもしれませんが、特に「同時通訳者」には高い集中力が求められます。多くの場合が国際会議や学会で通訳ブースから訳出をすることになります。

万が一、聞き逃しや理解できない内容があったとしても、発言者に再度言い直してもらったり、こちらから聞き返したりすることができるような状況ではありません。

 

「聞く・訳す・伝える」作業を同タイミングでせねばならないにも関わらず、一度集中力が切れて発言者の話から脱落してしまうと、もう後戻りすることができないのです。

 

実は、同時通訳中にキープできる集中力は最大でも15分だと言われています。そこで、大きな国際会議などでは複数人で通訳チームが組まれます。

そして、「メインで通訳する人・メイン通訳者のサポートをする人・休憩する人」というローテーションを15~20分おきに回していくことになるのです。

留学中の方なら共感していただけるかもしれませんが、一日中ネイティブの人と会話をして家に帰り着いた後って、どことなく疲労感がありませんか?

 

頭の中で二言語間を行ったり来たりする作業って、実は脳にものすごい負荷がかかっています。

 

そのようなことから、「通訳者の必需品はチョコレートだ。」なんて言われています。

これはチョコに含まれている糖分を素早く吸収して脳に届けるためです。通訳志望のみなさんは、今のうちからお気に入りのチョコを見つけておくと良いかもしれません。(笑)

 

→ チョコレートだけでなく、飴やエナジーバーを常に携帯している通訳者もいます。

 

能力2: 向上心

ひとたび英語が話せるようになっても、自分の知識を常に更新していかなければなりません。通訳する内容は、日常会話から専門性の高いものまで多岐に渡ります。

専門通訳に関わりたい場合は医療通訳や法廷通訳、学会の通訳など、それぞれの業界の常識や専門用語などの知識がないことには仕事にならない分野があります。

医療は日々進歩します。法律も改編・新施行がなされます。科学分野も次々と情報のアップデートがあります。

 

専門通訳者は、それらの業界の変化に追いつかねばなりません。

 

自分が専門とする分野で流行している英単語や新しい造語の意味を常時調べるだけでは不十分です。

その業界の最新の論文を読み、自分の言葉で説明できるまで理解をしてはじめて、発言者の話についていくことができ、聞き手に伝わる通訳ができるようになるのです。

 

→ 著者も法廷・医療・金融・社会福祉・移民難民問題などの専門知識を学びました。

 

能力3: ビジネス力

次は、商談時の通訳として企業に雇われるケースを想定してお話したいと思います。

通訳に最低限求められるものは、言うまでもなく英語力です。

でもその先の、重宝される通訳になるためには、「自分のことを雇ってくれている企業が、この商談を通じてどのような結果に持っていきたいのか?」を強く意識し、結果まで出さなければいけないと私は考えています。

 

仮に、Aという企業に他社との商談時の通訳として雇われたとしましょう。さらにこのA社が自社の新製品をB社に売りたい立場であるとします。A社の通訳としてその商談に参加する以上は、新製品を売ることがゴールです。

B社はその製品を買うかどうかの判断を通訳者の言葉や熱意、説得力をもとに下します。いくらA社の担当者が魅力的なプレゼンテーションをしたとしても、通訳者がそれをB社に上手く伝えられなければ売れる物も売れなくなってしまう可能性があるのです。

逆に、大元のプレゼンが至って普通のものでも、通訳者の言葉のチョイスや感情の乗せ方によってはB社が熱烈な購買意欲を見せる場合もあります。

 

つまり、ここでお伝えしたい「ビジネス力」とは、「交渉能力やプレゼン力」という意味になります。

 

さらに、私が先輩通訳の方と一緒に仕事をして気がついたのは、「必ずしもすべての文章を一言一句訳しているわけではない。」ということです。会話の進行状態によっては、「言わなくてもいいこと、逆に言わない方がいいこと」さえあります。

これは「商談相手を騙す」などと言いたいわけではありません。例えば、それが日本企業とアメリカ企業の商談だった場合、お互いに文化や価値観が違うわけですから、通訳をする際は聞き手の国籍によって強調すべき内容が変わってきます。

そのようにして、「相手のバックグラウンドも踏まえた上で。空気感を読みながら通訳できることが望ましい。」という側面が強くあるのが企業通訳です。

 

→ 社会人としてのキャリアがある通訳志望の方は経験を活かしやすいですね。

 

能力4: 日本語力

これは英語から日本語へ訳出する際に言えることですが、「日本語の語彙力」や「日本語で文章を分かりやすく組み立て直す能力」も通訳には必要だと実感しています。

例えば、話し手は専門知識がある人だったとしても聞き手が素人だった場合は、発言者が口にした専門用語をかみ砕いて別のやさしい表現に置き換えて訳出せねばなりません。

 

ビジネスマンに話す口調と幼稚園児に対して用いる表現を使い分けるのと同じことです。

 

また、日本のプレゼンやスピーチには起承転結が用いられることが多いですが、通訳対象の英文が必ずしも同じ展開だとは限りません。その場合、聞き手である日本人が理解しやすいように、内容が変わらない範囲で言葉を置き換えたり表現方法に手を加えたりする必要があるのです。

この「内容が変わらない範囲で」というのが実は非常に厄介です。同時通訳なら尚更ですが、逐次通訳であったとしても、訳出にはそれなりのスピード感が求められます。「あの単語がいいかな?この語彙の方が適切かな?」と選り好みしている暇はありません。

ほぼ直感でふさわしい単語を選ばねばなりません。多様な日本語力で瞬発力をもってして会話を整理する力がないと、前後で意味がチグハグになってしまったり聞き手に誤解を与える訳出をしてしまったりする恐れがあるのです。

 

→ 著者も日々、日本語力をアップデート中です。

 

【まとめ】 音声翻訳機に淘汰されない通訳者になるために

 

近年、世間ではAI(人工知能)や音声翻訳機の台頭で、「ゆくゆくは通訳・翻訳家の仕事はなくなってしまう」とささやかれています。

実際にYouTubeでは人間が字幕を付けずとも、自動翻訳機能を利用すれば大まかな内容は理解できますし、国際会議の場なんかでも人ではなく同時通訳機が採用されることも増えてきました。

 

それでも機械では性能面でまだまだ違和感が残る部分があります。また、「空気を読む・間合いをとる」場面においては人間の方が力を発揮しやすいです。

 

特に通訳業の場合は前述の通り、聞き手に合わせて内容を微調整することが重要になってきます。その微調整をする段階では、海外経験も自然と活きてくるように感じます。

英語話者と日本人で、価値観や感性が異なること・どのような特異性があるのかを知っているのと知らないのとでは、訳出センスも変わってくると考えるからです。

通訳・翻訳にはひとつの正解はありません。もちろん発言者や原文の意図とは異なる訳をすることは厳禁ですが、知識量・ビジネス力・語彙力を日々育むことで、自分の感性をのせて言語を変換することはできます。

 

そんな自分のセンスを評価してくれるクライアントやビジネスパートナーと巡り会えたなら、AIでは代用が務まらない重宝される通訳になることができると考えています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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