【留学は就活で有利?不利?】アピールできる留学期間、職種、メリットを徹底検証してみた!

「就職活動」この言葉に恐怖を感じる方も多いのではないでしょうか?私もその1人です。(笑)
…と言うのも、最近私の同級生達が「エントリーシートどうやって書こう…。」、「行きたい企業が見つからない…。」など就職活動の話をよくするようになってきました。
その友人達が困っているのは、「自己PRを書きたいけど、アルバイトとサークルしかしてこなかったから他の人と似たような内容になってしまう。」ということでした。
私がその人に留学をおすすめしたところ、「留学って本当に就職でアピールポイントになるの?」と聞かれてしまいました。
今留学をしようか迷っている大学生の中には、以下のような疑問を感じている方が多いと思います!
・どれくらいの留学期間が評価されるのか?
・留学した事が役に立った経験はある?
そこで、今回のコラムでは「留学経験はぶっちゃけ就活に活かせるのか?」という点に焦点を絞り、これらの疑問について答えていきたいと思います。
日本人の短期・長期留学率は増加している!?
メディアではたびたび、「日本人は内向的で海外留学をあまりしない。」と報じられることもありますが、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
しかし、文部科学省の外郭団体の独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の調査によると海外への大学だけでなく語学学校へ通う人も合わせると全体として日本人留学生は増加していることがわかります。(以下の図参照)
2011年度と比較すると、2017年度では約2倍の日本人が海外留学をしています。

(出典: 独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)トビタテ留学JAPAN)
ではなぜ日本人留学者が増えているのか、それはアベノミクス第三の柱「日本再興戦略 -JAPAN is BACK」という成長戦略と関係があります。
この戦略を簡単に言うと、「留学を推進して日本のグローバル人材を増やそう!!」といった趣旨になります。
政府は日本が今後発展していくためには、海外と関わりを持ちながら成果を出せる人材がもっと必要だと考え、その目標を達成するために語学力とコミュニケーション能力を日本人に身に着けて貰おうと考えています。そのため具体的な数値を決め、積極的に留学を支援しています。
つまり、海外留学は国が力を入れて後押ししている戦略であり、日本で英語のスキルが今以上に求められることは間違いありません!
どのような業界で留学経験が活かされるのか
就職活動を始めて女性にとって、最初の選択肢になるのが「総合職」か「一般職」どちらの働き方を選択するかだと思います。
総合職は「企業において総合的な判断を要する基幹業務に取り組む職」定義され、企業内で、さまざまな部署、仕事を経験しながら管理職になることを期待されています。
そのため、総合職へ応募するという事は、事業の展開する国内・海外での異動や転勤の可能性があるという意味でもあります。
特に海外転勤を視野に入れている学生にとっては、「私は留学をしていましたので、海外への転勤や異動も全然OKです!」という企業への有効なアピールポイントとなります。
一方、一般職は「一般事務などの定型的・補助的な業務を担う」職と定義されており、営業サポートの事務処理、資料作成など総合職のアシスト業務を行います。総合職と違い国内・海外転勤がほとんどありません。
また、職種によっても留学経験の重要度は変わってきます。
私の知り合い(女性・イギリスへ半年留学)は銀行への就職活動の時、留学の経験を話さなかったと言っていました。理由を聞くと、「銀行ではチャレンジ精神より協調性がある面が重視されると思ったから、サークル活動の話を主にした。」と教えてくれました。
つまり、留学経験はあなたの希望の働き方や職種によって重要性が変わってくるということです。
しかし、どんな企業に対してもあなただけが話せるような話の引き出しがあるに越したことはありません!就活では、1つの業種、1つの企業だけに応募することは無いはずです。
複数の業種や企業に応募するのが一般的ですから、話の引き出しは多く持っていた方が有利なのです。当たり前ですが、留学をしていない人は留学の話はすることは出来ません。
留学経験者は、相手の企業によって「留学をしたことを話す」or「あえて話さない」と選ぶことができるようになります。
もしあなたが留学に興味があるならば、留学という選択肢は今やっておくべきことの代表格だとも言えます。
特に留学は若いうちの方が、時間と行動の自由が利きます。一度就職してしまえば、そう簡単に辞められません。
また、就職してから年数が経つと、責任あるポジションを任されるかも知れません。さらに、パートナーや家族を持ったら、長期留学はかなり難しい選択肢となります。
迷ってるなら積極的にチャレンジをして、面接時にアピールできる引き出しを増やしておくことの方がベターだと思いますよ。
どれくらいの留学期間なら就活でアピールできるのか?
一体どの程度の留学期間から就活ではアピールできるのでしょうか?
何百人の留学を見てきた留学のプロと特に女子の人気が高い航空会社へ勤めているベテラン社員さんにご意見を伺いました。
留学エージェントからのプロ目線と意見
就活で留学をアピールしたいなら、TOEICなど点数で証明できる資格は必要不可欠です!なので、私達は最低3ヶ月以上の留学をおすすめしています。
理由① 短期留学ではTOEICの点数を伸ばす事は難しい
オックスフォード大学出版局も引用しているTOEICスコアアップと学習時間表によると、「200~300時間の勉強をすればTOEIC100点アップする。」と言われています。
*この数字について詳しく知りたい方はこのページの下、リンクのコラムも参考にしてみてください!
1ヶ月の欧米留学では、「約100時間の勉強時間=TOEIC50点アップ」が現実的です。
また、欧米圏と比べて授業時間が2倍あるフィリピン留学では同じ1ヶ月で、「約200~300時間=TOEIC100点アップ程度」が現実的なスコアアップとなります。
新卒の就職活動で英語力をアピールしたい場合700点以上が望ましいので、自分の目標に合わせた留学期間を考えていけると効率的です。
理由② 短期留学は海外観光旅行の延長になりがち
英語力も重要ですが、現地でどのような経験を手に入れたかも就活ではアピールポイントになります。
しかし、短期留学ではその国の環境に慣れて、友人がだんだん出来てきた時に帰国しなければいけません。
1カ月前後の短期留学では、留学前から基礎英語力が十分にあり、現地でもかなり積極的に行動しなければ、短期間でアピールできるような経験を手にすることは難しいでしょう。
実際、会社の人事の方はその人が「どれくらい留学をしていたか。」よりも「現在、その人がどれくらいの英語力(TOEICのスコアなど)を持っているのか。」をシビアに見てきます。
例えば、6ヶ月語学学校に通ってTOEIC800点を獲得したAさんと、1年ワーキングホリデーをしてTOEIC650点のBさんがいるとします。
企業によっても異なりますが、ほとんどの企業ではスコアが高いAさんの方が良い評価をするでしょう。
また、ワーキングホリデーはあくまで「holiday=休暇」と考えられてしまい、企業の方にあまり良い印象を持たれない可能性もあります。
つまり、留学期間が長いから評価される、短期だから評価されないというよりは、短期留学だと英語力、現地での貴重な経験を手に入れる前に帰国になってしまうので、結果的に就活でも留学経験を活かすのが難しくなってしまいます。
航空会社の社員さん目線の意見
留学の期間は正直あまり関係ありませんね。留学期間よりも「海外に行こうと思った動機。」や「そこで何を学んだのか。」、「留学を通してどのような成長を感じるのか。」などを企業側は知りたいです。
また、航空会社を志望するなら、留学をして語学力が上がったことはアピールポイントの一つになると思いますが、正直強力なアピールポイントにはなり難いです。
それは、航空会社に応募する学生のほとんどが、すでに非常に高い語学力を持っているからです。
特に海外に本部がある航空会社であれば、いわば外資系企業となるため、英語を使ってコミュニケーションは当然であり、問題なくこなせる事が求められます。
英語が話せることに加えて、何か別のスキル、例えばコンピューターのプログラミングやマーケティングについての知識などを「英語+α」を学生の間に得ておくと就活でより強い自己PRが出来ると思います。
以上をまとめると、以下のようになります。
・短期間でTOEICなどの語学力を劇的に上げることは難しい
・長期留学だから評価されるとワケではない
・留学を経てどれくらい英語力を伸ばす事が出来たかを見られている
・航空会社のような業界では「英語力+α」のスキルが求められている
グローバル企業で活躍する人材に求められる能力とは
1位 | 海外との社会・文化、価値観の差に興味・関心を持ち柔軟に対応する姿勢 | 284社 |
2位 | 既成概念にとらわれず、チャレンジ精神を持ち続ける | 216社 |
3位 | 英語をはじめ外国語によるコミュニケーション能力を有する | 177社 |
4位 | グローバルな視点と国籍、文化、価値観、宗教等の差を踏まえたマネジメント能力 | 164社 |
5位 | 企業の発展のために、逆境に耐え、粘り強く取り組む | 160社 |
6位 | 当該職種における専門知識 | 78社 |
7位 | 個別企業の利益を超えて、進出先地域や国の繁栄を考えられる高い公共心、倫理観を持つ | 36社 |
(出典: 経団連「産業界の求める人材像と大学教育への期待に関するアンケート(2011年1月18日)375社*複数回答)
上記の経団連の調査によると、375社のグローバル企業に行った調査では、1位が柔軟な対応力、2位がチャレンジ精神、3位が英語力という結果になりました。
英語力が第3位というのは少し意外ですよね?!
私はこの結果から「英語力が重要ではない。」のではなく、留学がより身近になったからこそ「英語力+α」の力が求められるようになったのだと感じました。
実際、日本のグローバル化はどんどん進んでいます。最近だと安倍晋三首相が「2025年までに50万人超の外国人労働者の受け入れを目指す。」と発表し、出入国管理法が改正しました。
これからは海外から「英語がぺらぺらで、日本語も中国語も話せて頭も良い!」そんな優秀な人材がどんどんやってくる時代に突入します。英語力だけでは日本人は太刀打ちできません。
だからこそ、英語力はもちろんとして留学前、留学中、帰国後に+αのスキルや経験を身に付けておくことがとても重要です。
今から留学を考えている方がいたら、単に「留学=語学力向上や就活のため」だけでなく、「留学=語学力+α(スキル)」を得ることが、より就職活動でアピールできることに繋がると抑えておいて欲しいと思います。
先輩に聞いてみた!「留学は就職活動でアピールできる?」
今、就職活動を行っている先輩に留学経験は就活でアピールできるのか聞いてみました!
インタビューをしたのは、A・Kさん(1年間休学・カナダ)。
留学がアピール材料になるかは、希望の職種やどんな留学をしていたかによって変わってくると思います。
例えば、私(A・Kさん)の友人はずっと国際開発・支援の仕事に興味があって、留学先も国際開発に関する授業がある大学を選びました。
彼は将来の夢と留学先で行っていた内容がマッチしていたので、就活でもそれをアピールし希望の仕事に就くことができました。
逆に、私は就活で留学体験を前面に押し出して企業の方にアピールはしていません。
留学に行ったことは自分を大きく成長させてくれたと感じますが、留学=就活のためとあまり思わないからです。
私が留学に行きたいと思ったのは純粋に「海外が好き!海外で暮らしてみたい!」という気持ちからでした。
就活での留学経験は、質問に対する自分の主張に説得力を持たせる、また自分という人間を相手に魅力的に伝えるための1つの引き出し(武器)のような役割をしています。
あと面接に参加して感じたのは、「留学に行った人=優秀」という評価にはなりません。海外経験の中で、「意思疎通が難しい困難な状況をどう工夫して乗り越えたか。」などの対応力を人事の方は見ていると感じました。
私と同じ企業の面接を受けていた女の子は、「コンビニバイトにいる外国人アルバイトが、しっかり働いてくれないという問題を話し合いで解決した話」をしていて面接官がとても食いついていたのを覚えています。(笑)
つまり、重要なのは事実(留学しました・インターンしました)ではなく、どのようなことをその経験を通して学んだのかが重要だと感じました。
まとめ – 多くの留学経験者は短期留学
平成27年の文部科学省の統計データで見てみると、今は27人に1人が留学に行く時代だそうです!
留学人口が増えていると言うことは、留学経験自体は以前よりも周りと差別化できるようなレアな経験ではなくなってきています。
しかし、その留学経験者の6割は、1ヶ月以下の短期留学なのです。
つまり、長期留学はまだまだ少数派なので、就活で十分アピールできる材料になります!
就活で留学がアピールポイントになるかは希望の働き方や職種によっても変わってきますが、どんな企業に対してもあなただけが話せるような話の引き出し(武器)があるに越したことはないはずです!
留学に行くことで日本にいてはわからなかった発見や困難に気づき、その困難を乗り越えて大きく成長するチャンスもたくさんあります。
就活ではその引き出し(武器)を元に、どんな質問がきても柔軟に対応できる力、チャレンジ精神を面接官にアピールしちゃいましょう!
この先、優秀な外国人がどんどん日本に来る時代がやってきます。
その中で戦うには「留学=語学力向上」だけではなく、「留学=英語力+αを身につける」という意識を持っておくとより良い留学ができるはずです。
また、もし「何が自分にとって+αになるのかわからない。」、「どうやって+αを身につければよいか分からない。」という時には、留学ドットコムのカウンセラーへ気軽に相談してみましょう!
留学ドットコムでは帰国後の就職サポートも力を入れています。留学出発前から求人票のチェック、企業へのヒアリングやインタビューも行っています。
つまり、「何が留学での+αになるのか。」、「どんな所が企業にアピールできるのか。」をきちんと把握した上で最適な留学プランを提案しています。
留学に行くかどうか、自分に必要かどうかを判断するのは、プロに相談してからでもきっと遅くないはずですよ。
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