オンラインで外国人に日本語を教える!日本語教師の仕事をご紹介します! | 留学・ワーホリ・海外留学・語学留学は留学ドットコム

カテゴリー:現地生活情報

オンラインで外国人に日本語を教える!日本語教師の仕事をご紹介します!

公開:2020/09/20 著者:坂元 ちひろ 5156 Views

こんにちは、カナダ在住のちひろです。

留学に関心がある人やワーホリを終えた人の中には、海外生活で得た語学力や文化知識を活かせる仕事に就きたいと考える人がいるかもしれません。

留学経験を活用できる仕事はツアーガイドや通訳翻訳者、客室乗務員、日本語教師など多岐に渡ります。今回のコラムでは、その中から日本語教師の仕事をピックアップしてご紹介します。

実は現在私は、日本語教師として働いています。本コラムでは仕事内容だけでなく、授業を進める上で苦労している点やこの仕事のおもしろさについても共有していきます。

 

※私の場合は日本語学校の校舎ではなく、インターネットを用いて独自で生徒に日本語を教えています。そのため、こちらは日本語学校で雇用されている先生とは異なる視点で執筆した記事です。そのことを念頭において読み進めていただけると幸いです。

日本語教師になるために資格は必要か?

まずは、日本語教師になるための資格についてお話しします。「教師」と言うと小学校や中学校の先生のように教員免許が必要なイメージもありますが、私は無資格で日本語を教えています。

けれども、一般的に日本語教師として働くためには、大学で日本語教育を専攻したり日本語教師養成講座を修了したりすることが望まれます。また、「日本語教育能力検定試験」に合格しているのが必須になる場合もあります。

通常、日本語教師は先生になる前に、正しい日本語や文法、学習者に分かりやすく教えるための知識を習得するのです。

 

しかし、よく探してみると無資格で日本語教師(有資格の先生と区別するために「コミュニティチューター」と呼ばれることも)になれるチャンスもあります。

特にオンラインの語学コミュニティや学習アプリ内では、その可能性が高まるかもしれません。私も実際にオンラインの学習サービス上で仕事をしています。

その代わり無資格の人は日本語教師養成講座を修了した先生より時給が低い、または日本語を教えるための勉強を自力でしないといけない側面もあります。

 

→ 授業の管理は全てオンラインです。最近は1日に平均8~10人の生徒を相手にプライベートレッスンをしています。

 

具体的にどのような仕事内容か?

生徒は基本的に、日本語を母国語としない外国人です。

具体的な指導内容は生徒のレベルによって異なるので、以下で3グループに分けて解説します。

授業の中で私が苦労している点についてもご紹介していきます。

 

・初級レベルの生徒

初めて日本語を学ぶ初級の生徒には、ひらがなの読み方や発音から教え始めます。

相手は日本語の知識が全くないため、授業は英語で進めます。なお、中国語やフランス語が話せる先生は、それらの言語で日本語を教えています。

私の場合、初級レベルの生徒との授業は留学中に培った英語力を活かす良い機会になっています。

 

生徒がひらがなやカタカナを識別できるようになったら、少しずつ文字数を増やしていき、単語を覚えてもらったり簡単な自己紹介文を作る練習をしたりします。

そして、徐々に日常会話で使えるフレーズや文の組み立て方を指導していきます。

この過程で難しいと感じるのは、文法を論理的に説明しないと生徒が納得してくれない点です。

 

教師側が「これはこうなるので頑張って覚えてください」と言ってしまえば簡単ですが、生徒は「なぜそうなるのか?」という解説を期待しています。

私達ネイティブが日本語を話す時は、時制や単語を並べる順番、品詞の活用(例:暑い→暑かった、食べる→食べた)をほぼ無意識で選択しています。

普段は意識せず自然にやっていることですが、相手に分かりやすく説明する苦労を実感しています。

 

・中級レベルの生徒

生徒の中には独学である程度のレベルまで日本語が上達している人もいます。そうした生徒には、会話練習を通じて新しい文法や語彙を教えます。

教科書に載っている会話例をただ一緒に読んで繰り返すだけではつまらないので、台本なしで自由に話す練習をすることもあります。

この練習をする際に日本語教師に求められる能力の1つとして、「生徒が何と言いたいのか、何を言おうとしているのかを推測する力」を挙げることができます。

 

中級レベルの生徒でも、まだ語彙力が十分でなかったり文法に誤りがあったりするので、生徒が作った文章の意味が分からない時があります。

そこで適切な語彙を教えたり、文法を正したりするのが日本語教師の役割です。けれども、生徒が意図していることを汲み取れなければ、その作業が困難になります。

日本語で意思疎通ができない場合は、英語(もしくは中国語やフランス語など)で確認するしか方法がないので、ここでもやはり日本語以外の言語力が役立ちます。

 

・上級レベルの生徒

生徒が上級レベルになると、ほとんど日本語だけで授業を展開できるようになります。

リスニングや読解問題に挑戦してもらった時に生徒が知らない語彙が出てきたとしても、簡単な日本語で言い直してあげれば理解できる生徒も多いです。

日常会話が難なくできる生徒とは、政治や歴史、医療分野など特殊な単語を使うトピックで会話練習をします。尊敬語やビジネス日本語を一緒に練習することもあります。

 

上級レベルの生徒との授業で苦労するのは、自分よりも生徒の方が日本語の知識が豊富な場合がある点です。

日本生まれ日本育ちの私は日常生活の中でいつの間にか習得して、感覚的に使っている日本語が多くあります。しかし、生徒は日本語の成り立ちや類義語のニュアンスの違いを普段から非常に細かく勉強しています。

したがって、生徒からの質問は、「そう言えば、日本人はどうやって使い分けているのだろう?」としばらく考えないといけないような盲点を突いた疑問もあり、時々困ってしまいます。

 

→ 日本のアニメや漫画好きの生徒もいるので、新旧問わずに日本文化を知っていることも教師に必要な素質だと感じます。

 

日本語教師の仕事のおもしろさは?

ここからは、私が日本語教師の仕事をしていて楽しいと感じる部分をお伝えします。

 

・世界各国の文化を知ることができる

まず、私の生徒の国籍は大まかに以下のように分類できます。

 

・北米(アメリカとカナダ): 70%
・マレーシアや中国、香港といったアジア圏: 15%
・ベルギーやイギリス、ドイツなどのヨーロッパ圏: 10%
・ブラジル: 5%

 

次に、私の生徒が日本語を勉強している理由として主に以下の3つが挙げられます。

 

・仕事で日本へ行く機会があるので勉強しなければならない
・旅行で日本に行く時に日本語を使いたい
・日本のアニメや漫画を原文で鑑賞したい

 

これだけ多様な国籍や環境で暮らしている生徒とコミュニケーションを取ることになるので、私自身も生徒から学ぶ機会が多いです。

例えば生徒との会話練習の授業では、各国の経済や社会問題、異文化をテーマにして話し合うことがあります。そんな時に生徒が私に教えてくれる情報は、普段のニュースやインターネットから知れる内容よりも遥かに濃厚です。

具体例を挙げるならば、高校/大学生の生徒からは若者の間で流行している文化を教えてもらうことができます。米軍や弁護士など専門的な仕事をしている生徒からは、時事問題についての貴重な意見を聞くことも可能です。

 

・自分自身が英語や異文化を勉強するモチベーションにつながる

日本語初級の生徒との授業は英語で進めますが、時々ニュアンスがうまく伝わらない瞬間があります。

それは私の表現力がまだ不十分であることや、日本語と英語の細かな表現の違いを把握しきれていないことが原因だと思います。そこで「どうしたらもっと生徒に分かりやすく説明できるか?」を試行錯誤するようになります。

自分自身も英語の授業を受け直して、他の先生の授業スタイルを観察してみたり、言語学として改めて英語を学んでみたりしています。

 

言語学習には終わりがありません。留学やワーホリ期間が終わったと同時に、学習から遠ざかってしまうのは少しもったいないように感じます。

語学は習得するまでは長い時間や労力がかかるのに、忘れるのは本当に簡単で一瞬です。

ですから、留学後に語学力を活かせる環境に身を置くのが私の理想で、日本語教師の仕事はそれを実現できる場となっています。

 

→ レッスンが終わった後は、私自身ももっと良い教師になれるように日々勉強しています。

 

【まとめ】 みなさんが留学やワーホリ後に実現したいことは何ですか?

今は驚くほどオンラインが発達していて、ネット環境と必要最低限の知識があれば、誰もが新しいことに挑戦しやすい基盤が整っています。

本来は特別な学歴や資格が必要だった仕事も、未経験でもネットを上手く活用すれば手を出すのが比較的簡単です。

簡単に取り掛かれる分、責任を持って仕事をするために努力は欠かせませんが、思い切って飛び込んでいける場所があるのは非常に恵まれている時代だと感じます。

 

私は日本語教師の仕事を通じて、以前よりもさらに外国語や各国との文化の違いに興味が湧きました。日々、たくさんの非日本人とコミュニケーションを取り、新しい知識や情報を取り込めることの喜びは大きいです。

今回のコラムではあえて日本語教師の苦労もお伝えしましたが、少しでも日本語教師の仕事に魅力を感じていただけたら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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