ホームステイVS学生寮、どちらが学習環境に向いているのかを徹底検証!

海外留学(ワーホリ)での滞在方法は、留学する国によって変わります。
例えば、フィリピン留学やマレーシア留学では学生寮またはホテル滞在が一般的で、ホームステイ滞在の選択肢はほぼありません。欧米圏への留学は、ホームステイが主流となり、学生寮を完備していない学校も多々あります。
欧米圏の留学では、ホームステイが少し前までは一般的でしたが、年々個人プライバシーを重視する社会的傾向から、学生寮を完備する学校も増えて来ています。
一昔前であれば、海外留学の滞在先と言えばホームステイでしたが、現在では必ずしもホームステイだけとは限りません。
多くの方は、「ホームステイと学生寮のどっちが良いのだろう?」と悩まれると思います。
そこで、近年主流になってきたホームステイと学生寮では、どちらが語学習得に有利になるのか比べてみたいと思います。
ホームステイと学生寮の主な違い
何となくイメージが付くと思いますが、宿泊施設の主な違いをまずは整理したいと思います。この2つの宿泊施設の概要は以下の通りです。
ホームステイとは?
学校もしくは専門の斡旋業者に委託された一般家庭が留学生を受け入れ、その家で家族と生活を共にします。一般的に朝夕の食事が提供されます。
ホストファミリーは夫婦2人、老夫婦、子供のいる家庭、単身者と様々で、人種もその国のネイティブとは限らず移民してきた家族の場合もあります。
学生寮とは?
語学学校が独自でまとまった数の物件を借り上げて運営しています。または、外部の民間業者が運営する学生寮と提携し、学生のために部屋を提供する場合もあります。
基本的にキッチンやトイレ、シャワーが共同利用で、部屋には机とベッドとクローゼットが揃っている形式が多くなります。学生寮の運営スタイルによっては、他の学校の生徒や一般の長期滞在者が同じ寮に滞在している可能性もあります。
ホームステイと学生寮の語学習得における特徴
ホームステイと学生寮では、英語環境に差があります。学生寮は学生しか住んでいないので、ネイティブを含めた英語上級者はいません。
気兼ねなく話せる「話し相手」ではありますが、発音を直してくれたり、表現の間違いを指摘してくれたりといったことはありません。一方、ホームステイをしていると、単なる話し相手ではなく、英語力向上を手助けしてくれるはずです。
ホームステイと学生寮の主な特徴
ホームステイのメリット
・英語でファミリーと交流できる
・日常生活の英語力が身につく
・現地特有の言い回しや表現を習得
ホームステイのデメリット
・ホストによっては家にいる間、常に話しかけられ、1人で机に向かう時間が少なくなることもある
・移民系のファミリーの場合、英語の発音が鈍っている場合がある
・ホストファミリーを自分で選ぶことができない(学校側がマッチングするため)
・生活環境や性格の相性が合わない場合がある
学生寮のメリット
・留学生同士で刺激し合える
・気軽に会話ができる
・他人の家庭ではないためストレスが少ない
学生寮のデメリット
・お互い片言の英語なので、会話相手として役不足
・誘惑が多く、学習時間が取りづらい
・ネイティブはいないため、新たな表現や言い回しを得る機会が少ない
・間違った表現や発音を吸収してしまう
ホームステイの場合は、デメリットを見てもわかるとおり、学校でも滞在先でも「良質な英語環境」になれることは間違いありません。そのため、語学学習面において言えば、ホームステイの方が有利と言えるでしょう。
ホームステイは、その国のネイティブもしくは永住権を取得した長く生活している移住者がホストファミリーになっている場合がほとんどです。
ホームステイという滞在手段は、留学生の英語力サポートの意味合いも含んでいるので、決して英語に不自由のある方はいません。
それゆえ、すべてのやりとりが英語で行われ、間違いがあれば指摘してくれて、分からないことがあれば教えてくれます。
さらにその国ならではの言い回しや表現方法が会話の中で出てくるため、すべての会話が学びに繋がってきます。
一方、学生寮に滞在する人の多くは、海外からの一時滞在者(留学生)ばかりです。
お互いが片言の英語もしくは英単語でのやりとりになってきます。会話も長く続くことはなく、英語力向上という面では物足りない環境と感じるかも知れません。
また学生寮には若い学生が多く滞在します。学生が集まると、放課後は遊びに出かけ、週末はパーティーを開催するなど楽しみが多くなります。付き合いの頻度にもよりますが、誘惑が多くなる傾向が強く、十分な学習時間を確保できない方もいます。
学生寮では団体生活の一種になります。最初は友人を作りたいという気持ちも手伝って、英語学習よりも友達との交流を優先する傾向が強くなります。短期留学の方は、英語を学びにきたはずが、「遊んで帰ってきた」印象しか残ってないなんて方もいらっしゃいます。
ホームステイではインプットもアウトプットもできる
前述のとおり、ホームステイ先ではホストファミリーとの会話そのものが英語力向上に繋がります。また、語学学校で習った表現や単語をステイ先に帰って、早速使ってみるということもできるでしょう。
語学学校で学んだ内容をホームステイ先で少し意識するだけで、自然と復習をすることができます。
授業中は受け身で授業を聞いている時間が多く、会話の実践する場が少ないのが現状です。そのため、会話する機会を増やすという意味で、ホームステイは優れています。
実際の生活で同じ言葉を使ってみることで、頭の中にその表現が定着します。また、その言葉が誤ったシチュエーションで使われていれば、ホストファミリーが指摘してくれるでしょう。
留学生との会話を楽しみにしているホストファミリーに出会えた場合は、家にいる間ずっと話し相手になってくれるケースもあります。稀に「家で勉強する時間がないよ!」と思う方もいらっしゃいます。ただ、それは贅沢な悩みです。
一般的にホームステイしている期間は、1カ月前後に過ぎません。ホームステイは限られた時間ですし、頭のスイッチを切り替えましょう。
ホストファミリーの方から積極的に会話して来てくれるなら、たくさん会話をして色々な表現を学びましょう。
もちろんアウトプット(話す)だけでは英語は上達しません。英語力を伸ばすためには、話しているだけではダメで、文法や単語を頭の中にインプットしていく作業が必要です。
机に向かって静かに学習したい時は、授業が終わった後の放課後に自習室や図書館で十分に学習を済ませてから帰宅すれば良いのです!
学生寮では勉強がはかどらない?
学生寮だから勉強ができないワケではありません。学校の自習室や近くに図書館があれば、そこで静かに学習することができます。同じ学生寮内で真面目に勉強したがっている留学生を探し、一緒に勉強することもできます。
学生寮を選択される方の中には、費用を抑えるための理由で来ている方もいます。費用を抑えるために、学生寮で2人部屋などの複数人部屋で生活される方もいます。相部屋だと同じ部屋の留学生が留学生活に大きく影響します。
周囲の友達に流されることなく、きちんと「英語を学びにきている」という意識を維持して、生活する必要があります。
自分の性格を自己分析して、「自分は流される傾向がある…。」と自ら認識している方は、学生寮よりもホームステイが良いでしょう。
最初のひと月はホームステイ、その後に学生寮もアリ!
現地の方々と生活を共にし、現地の生活体験と文化を学ぶことは大きな価値に繋がります。また、英語環境を重視するならば、留学生活のスタートはホームステイが最適です。
ただし、ホームステイにはホストファミリーと留学生の相性という問題も出てきます。そのため、まずは最初のひと月をホームステイ滞在し、様子を見た方がいいでしょう。ファミリーとの相性が合えば延長すれば良いのです。
ホームステイを経験された方の中には、ホストファミリーとフィーリングが合って、1年間同じ家でステイしたという方もいらっしゃいます。
ホームステイと学生寮との間で決めきれない方は、ホームステイをしてから、学生寮に移動というプランを組んでも良いのではないでしょうか。
ホームステイは食費も含まれるため費用が割高に見えますが、現地の方と共に生活をするという貴重な経験ができます。ホストファミリーという英語で話せる相手がいるので、語学学校で学んだことを即実践できます。
コストは掛かっても、授業で十分にできない会話の実践練習を帰宅後でもできるのは贅沢な時間です。費用面でホームステイを嫌煙される方もいらっしゃいますが、こうした良い点も含めて検討されてみてください。