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【アメリカ留学】トランプ大統領になってから何が変わったのか?

公開:2018/12/21 著者:織野 さおり 560 Views

2016年に行われた大統領選挙。ドナルド・トランプ氏が当選しアメリカの大統領となって2年が経ちました。

当時のアメリカ大統領選は、世界中で注目を集め、日本でも大々的に報じられましたね。

 

つい先日も中間選挙や、米中貿易戦争など、トランプ大統領絡みのニュースは連日報道が尽きません。

 

トランプ大統領は自国優先主義であるため、諸外国に対して厳しいイメージがあります。

お笑い芸人のピース綾部さんも、なかなかビザが下りずに苦労していましたが、まさに運が悪かった感は否めません。

トランプ大統領誕生によって、「私たち外国人がアメリカへ留学したい!」という時に、どのような影響があるのでしょうか?今回はトランプ大統領後のアメリカの変化についてまとめました。

大統領選当時の影響

実は私自身、アメリカ大統領選挙が行われた2016年、アメリカ・カリフォルニア州の州立カレッジへ留学中でした。

以下は、大統領選後に私が通っていたカレッジから実際に送られてきたメールの一部になります。

 

Some of you have expressed concerns about the U.S. Presidential Election. I want to first assure that you are welcome at 〇〇(学校名) and in California. International students are important to the diversity that we cherish at 〇〇 and your perspective provides an opportunity for other students to learn from you as you have an opportunity to learn from them.
――――――――――――中略――――――――――
The President is only one branch of our government and any changes in law must actually be initiated from the legislature which includes the Senate and the House of Representatives. This process takes a great deal of time and debate. Any law passed must meet the requirements of the United States Constitution or it would be reversed by the Judicial branch of our government. There has been no suggestion that the laws that allow international students to study in the U.S. will be changed.

 

このメールでは、「新しい大統領の選挙活動中の発言などに関して、多くの留学生が心配しているけれど、当校は留学生を全面的にサポートし、そして留学生は当校の多様性やその他の様々な機会のためにも必要な存在です。」と述べてあります。

そして、「大統領は政治の一部であるだけで、法律の改変などは大統領だけではできないものです。そして、アメリカで勉強する留学生に対しての現行の法律を変えるという話はない。」という文面になっています。

 

政治への関心が高いアメリカの人々

日本では政治への関心が低いと言われることが多く、選挙への投票率も非常に低いという事が問題視されています。

 

しかし、アメリカ人の方々は、若い人も含め、みな政治的関心が非常に高いです。

 

私はアメリカへの留学、そして大統領選を身近で経験しましたが、アメリカでは多くの移民が共存する国家だからこそ、政治が国民生活に及ぼす影響は大きいものだと理解している国民が多いのだと思います。

大人たちだけでなく、学生も政治についての話題で会話をしていたり意見を述べていたりする事が多く、若者の政治への関心の高さを感じました。

私が通っていた大学でもトランプ氏支持の学生とトランプ氏不支持の教授との間で論争が起こり、現地メディアにも大きく取り上げられ、その翌日には学校内で学生によるデモが行われたのを鮮明に覚えています。

 

大統領選後は、キャンパス内で警察やメディアの人々を見る機会が非常に多かったです。

特にカリフォルニア州は、メキシコなどの中南米の国からの移民が多く暮らしているだけに、トランプ氏が大々的に掲げていた「移民政策」をめぐり、多くの意見がありました。

政治がこれほどまでに身近な存在であることを体感できたのは、とても価値ある経験だったと思います。

 

世界経済にも影響するアメリカ政治

世界経済というと何だかお堅い感じがしますが、身近なところでは「米ドル/日本円」のレートに影響を与えるということを紹介したいと思います。

アメリカ大統領選の行われた2016年は、世界で様々な出来事がありました。アメリカでの大統領選はもちろん、イギリスのEU離脱が決定されたのも2016年でした。そして、急速に経済成長を遂げる中国で株価の暴落が起きたのも2016年の初頭でした。

これらの出来事があった頃のドルの為替レートを比較してみたいと思います。

 

2016年1月29日: $1=121.7円

国民投票にて英のEU離脱決定(6月24日): $1=98.9円

大統領選でトランプ大統領が勝利(11月9日): $1=102円

大統領選後の為替レート(12月15日): $1=118.6円

 

このように、世界各国で大きな出来事が起これば、為替レートに影響が出ています。

イギリスのEU離脱が決定したのち、一時は$1=94円ほどまで円高が進んだ時期もありましたが、トランプ大統領が大統領選挙に勝利してすぐにドル高が進み、為替レートは$1=118円となりました。

 

トランプ大統領の政策は、減税やインフラ投資政策はドル高要因であり、結果として円安傾向になりやすい傾向にあります。

 

実際、トランプ氏が大統領に就任以降、ドル為替が100円を切ったことはなく、平均して$1=110円で推移しています。

 

為替レートは留学費用に直結する!

アメリカは、他の国に比べると景気も良くインフレ率も高いため、留学費用が諸外国に比べて高額になる留学先です。皆さんも何となく「アメリカの留学費用は高そう…。」と言うイメージがあるのではないでしょうか。

学校費用や滞在費などの留学費用はもちろんアメリカドルで支払うことになるので、支払い当時の為替レートは留学費用に直接的に関係します。

例えばアメリカの語学学校に6ヵ月間通うことを想定して、どれくらい費用が変わってくるのかを比較してみたいと思います。

 

授業料:週$480×24週=$11,520
滞在費:週$305×24週=$7,320
入学金:$185
——————————————–
合計:$19,025
【レートが$1=100円の場合】
$19,025×100円=1,922,500円
【レートが$1=115円の場合】
$19,025×115円=2,187,875円
2,187,875円-1,922,500円 = 265,375円の差額が発生!

 

同じ期間、同じ学校に通うにも関わらず、為替レートが異なるだけで大きく費用が変わってくるのが分かりますね。

留学に行くとなると上記の授業料や滞在費だけでなく、生活費や交際費などの諸費用もかかります。それらを含めて比較するとさらに大きな差額が発生すると予想できます。

金額が大きくなればなるほど、金額差も大きくなります。海外留学やワーホリを考えている方は、意識して為替レートに注目しましょう。

 

トランプ大統領就任以降ビザ申請に変化はあるのか

「移民政策を徹底する!」と主張していることが印象的なトランプ大統領ですが、私たち日本人がアメリカへ留学に行く際、ビザの申請にはどのような影響があったのか考察していきます。

まず、私たち日本人がアメリカへ留学に行く際に取得するビザの種類ですが、主に2種類のビザがあります。

 

1. 観光ビザ(ESTA)
90日以内、週18時間以下のコースを受講する場合、観光ビザでの留学が可能。インターネットで申請ができるので取得難易度は低め。留学だけでなく、アメリカへ旅行で訪れる場合にも取得が必須。
2. 就学ビザ(F1ビザ)
フルタイムで留学する際に必要な学生ビザ。通学予定の学校からレターをもらい、その他多くの書類を揃えて、アメリカ大使館での面接が必須。このビザではアメリカで働くことは出来ず、あくまで“勉強”が目的のビザ。

 

アメリカ留学に行かれる方は留学期間や目的に合わせて、上記のどちらかのビザを取得する必要性があります。

 

観光ビザ(ESTA)について

ここでは観光ビザと呼んでいるESTAですが、正式な名称は「Electronic System For Travel Authorization(電子渡航認証システム)」であり、正確にはビザ免除システムという事になります。

これは、アメリカビザ免除プログラムに加盟している国の国籍を持った人のみが申請できるもので、加盟していない国の人は観光目的であっても大使館での面接を経て、別のビザを取得する必要があります。

 

このESTAを申請することができる国は、日本を含め世界に38カ国ほどしかありません。

 

インターネット上から申請を行います。申請日は14ドルで取得できるので、短期留学、観光のついでに留学したいという方はESTAを取得しての留学がおすすめです。

 

就学ビザ(F1ビザ)について

アメリカの学生ビザは、F1ビザと言われています。フルタイムでの留学を希望する留学生は、このビザを取得して留学に行きます。

F1ビザを取得するためには多くの書類を揃え、大阪または東京にあるアメリカ大使館へ面接に行かなければなりません。

書類と言うのは、銀行の残高証明書や留学先の学校からの入学許可証などです。

 

アメリカの就学ビザでは、現地でアルバイトなどのお仕事をすることはできません。また、学校への出席率も80%以上をキープしなければならないなどの規定もあります。

あくまで“就学”が目的のビザになります。

 

ビザ申請に際しての変更はあるのか?

結論から言うと、ESTAや学生ビザを取得する場合、トランプ大統領就任前後でそのプロセスには変更はありません。

 

しかし、アメリカ大使館での面接において、ビザ発給の可否の審査が以前に比べ厳しくなりました。

 

ESTAの申請はインターネット上で行い、面接や書類の提出などは求められないので、あまり審査の厳しさを感じることはありません。

しかし、学生ビザ(F1ビザ)の申請は、書類の提出や面接があるため、少し注意して慎重に手続きを進めた方が良いでしょう。

学生ビザ(F1ビザ)と取得する際には、インターネット上での申請書の入力後、学校からの入学許可証やパスポート、銀行残高証明書などの必要・補足書類を用意します。そしてインターネット上でアメリカ大使館へ面接予約を行い、書類を持参して面接を行うという流れになります。

 

無事面接をパスしますとビザがおり、後日ビザが添付されたパスポートが郵送されてきます。

こうしたビザ申請から発給までの流れや用意しなければならない書類には変更はありません。しかし、トランプ政権発足以降、ビザの審査が厳しくなったという事は事実です。

トランプ政権は特に移民政策へ力をいれています。

 

「非移民ビザ」である学生ビザの申請の際でも、「移民する意思があるのではないか?」と面接官が感じれば、ビザが発給されない可能性がでてきます。

面接の際に特に重視されるようになったのは以下のような点です。

 

1. 学歴
2. 日本に帰国する具体的な時期、プラン
3. 留学生活の具体的なプラン

 

まず、「学歴」に関して言いますと、アメリカでは日本と違い、高校卒業までが義務教育となっています。そのため、高校卒業の学歴を持っているのかを見られる事があります。

高卒認定試験に合格し高卒の認定を得ている場合よりも、「高校を卒業している。」ことが優遇される場合があるようです。

「日本に帰国する具体的な時期」に関しましては、いつ頃日本に帰国し、その後日本でどのように生活する予定なのかまでしっかり答えられるようにしておきましょう。

 

もし面接時に「日本に帰る意思がない = アメリカに移民しようとしている」、とみなされた場合、ビザの発給を受けることが難しくなります。

 

そのため、留学の具体的なプランをしっかり用意して、どのくらいの期間留学する予定なのか、そして留学生活中はどこの学校に通い、何の勉強をするのかをしっかりと答えられるように準備しておきましょう。

こうした質問は、トランプ政権発足前から面接では聞かれてきた質問になりますが、トランプ政権発足以降、より詳しく質問されるようになったようです。

あくまで勉強が目的で渡航する事、留学期間が終わったら日本へ帰国することをきちんと伝えられるようにすれば大丈夫です。それだけに、自身の留学プランをしっかりと理解し、自分の口で説明できるようにしておきましょう。

 

留学生に対するトランプ大統領の考えとは?

以前、トランプ大統領はTwitter上にこのような投稿を行いました。

 

When foreigners attend our great colleges & want to stay in the U.S., they should not be thrown out of our country.
留学生が本国の素晴らしい大学に出席するためにアメリカへ滞在したいのであれば、彼らはアメリカから追放されてはならない。

 

このように述べています。ビザの審査が厳しくなったとは言え、アメリカに勉強しに行きたい留学生に対して、特別な規定を追加した事実はありません。

つまり、「アメリカへの留学はウェルカム!」と言うことです。

トランプ大統領も、海外からアメリカに目的をもって留学したい留学生を応援する気持ちは持っていると言えるのではないでしょうか。

 

留学中と留学後のプランをしっかり練って実りある留学生活を!

どこに留学にしても同じことですが、やはり留学を実りある充実したものにするためには、「しっかりとプランニングする」ことが一番大切です!

トランプ政権発足後、ビザの審査が特に厳しくなったことや移民に対する政策から、「アメリカ留学は辞めた方が良いかな…?」と考えたことがある方はいらっしゃるかもしれません。

しかし、しっかりと意思をもって留学生活を送ろうとしている留学生を、アメリカも拒絶するつもりはありません。

 

ビザの審査は確かに以前と比べて厳しくなりました。しかし、これは本来の目的とは違う形でアメリカに入国しようと企んでいる人を除外するためなのです。

 

アメリカ入国を拒否したり、ビザ発給を拒否したりするのは、アメリカに「移民」を考えている者に対してです。

「非移民ビザ」である学生ビザの申請や発給、そしてそれの所有者への入国拒否は行われません。

学生ビザは「勉強」を目的とした「非移民ビザ」であるという事をしっかり押さえておけば、留学生活中に困ることはありません。

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