「ギリホリ」って実際どうなの?30歳でワーホリに行くのはアリ? ナシ?

こんにちは!かわけんです!
私は29歳で仕事を退職し、フィリピンのバギオへ語学留学、それからカナダのトロントへワーキングホリデーを経験しました。そして、再びフィリピンのバギオに戻ってきて今は語学学校のスタッフをしています。
日本で働いていた時、30歳を手前にして慣れてきた仕事を辞めて海外にチャレンジするという友達は周りにいませんでした。
「語学留学」とか「ワーキングホリデー」って聞くと、大学生世代とか若い人がするものなのかなぁ?という先入観もありました。
けれど、実際に海外に行ってみるとわかるんですが、30歳前後の人は結構多いんです。いわゆる、「ギリホリ」というやつですね。
今回のコラムでは、「ギリホリ」をテーマに私が海外で出会った30歳前後の友達のことなどをみなさんにシェアします。
同年代で海外行きを迷っている人がいたら一言。
「遅くないですよ!^^」
「ギリホリ」って何?
はじめに「ギリホリ」って何という解説からしていきたいと思います。
何となく想像がつくと思いますが、「ギリギリのワーキングホリデー」の略です。「ギリギリ」ってどういうこと?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
「ワーキングホリデー」で行ける国というのは、どこの国でもオッケー!というわけではないんですね。
ワーホリができる国は、日本とワーキングホリデー協定を結んでいる国に限られます。
その「ワーキングホリデー協定」を結ぶ際、お互いの国同士がいくつか条件を決めます。その条件の一つに「年齢」があります。
この「年齢」は国によって多少異なりますが、多くの場合は「30歳が上限」になっています。
細かく言うと、例えばカナダやオーストラリアは「30歳まで」にビザの申請をしなければいけなくて、「申請後1年以内」に入国すれば良いという条件なので、実際にワーホリをスタートさせるのは「31歳」からでも可能です。
つまり、ギリホリというのは、「30歳ギリギリ」の年齢でワーキングホリデーをすることを指すんですね。
私自身、29歳でカナダにワーキングホリデーをして、カナダで30歳を迎えました。
ワーキングホリデーする前は、「こんなギリギリの年齢でワーホリする人なんてあまりいないだろうなぁ…。」なんて思っていました。
ですが皆さん、実際はどうだったと想像しますか?

→ 私はトロントで30歳の誕生日を迎えました。
案外多い「ギリホリ」
カナダに行って、思ったのは「意外とギリホリ多いじゃん!」です。
カナダはオーストラリア同様にワーキングホリデーとして、とても人気の国です。
どういうことかと言うと、ワーキングホリデーでカナダに行っているたくさんの日本人と会うことができます。

→ カナダは日本人ワーホリが多いので、「ランゲージエクスチェンジ」などのイベントでもたくさんの日本人と会うことができます。
たまに「外国なんだから、もう日本人は見なくていいよ…。」と思うこともありました。(笑)
アルバイト先であったり、イベントであったり、友達の紹介などで日本人の友達とたくさん会ったのですが、意外や意外、自分と同年代の人が多かったんですね。
日本でやっていた仕事やカナダに来た目的は人それぞれですが、ワーキングホリデーを決めた大きな理由の1つに「年齢」を挙げていた人は多かったです。
人生でワーキングホリデービザを取得できるのは年齢的に限られているから、それなら悔いが無いように「30歳を過ぎてしまうまでにワーホリしよう!」という感じですね。
実際、私もそうでした。30歳を手前にすると、自分の人生のこと、今している仕事のことなど色々考えるんですね。
私が29歳の時は海外で働くはおろか、旅行でも片手で数える程しか行ったことがなかったんです。今後の仕事のことを考えても英語は絶対に身につけた方がいいだろうし、日本という島国で暮らすだけだと得ることができる情報や価値観も限られてしまうから、今のうちに海外に出なきゃいけないなっていうような漠然としたところから始まりました。
しかし、「ワーキングホリデー」って聞くと、人によっては「遊び感覚」というイメージを持つ人もいます。
これに関しては本当に人それぞれで、遊び感覚で来ている人もいれば、真面目に来ている人もいました。
それは私の周囲からの印象も同様で、7年間務めた仕事を辞めて「ワーキングホリデー」をするって言うと、「海外に遊びに行くの?」みたいに思う人もいました。
もちろんいい気持ちはしませんでしたが、「人は人、我は我」なんで、周りは気にせずに海外に出ることを決めました。
そして、カナダで同年代の人とたくさん会ったのですが、結構みんな自分と同じような経験をしていたことが分かりました。
「ワーホリでカナダに行く。」って言うと、周りの家族や友達から100%理解されなかったという人は多かったです。
だからこそ、お互い共感し合えることがあって仲良くなれました。
留学は若ければいいというものではない!
欲を言えば、「もっと若いときに海外に出ておけばよかった…。」というのは当然あります。
ですが、そんなタラレバの話をしても仕方がないですよね。
そして、30歳手前にしてフィリピン留学、カナダのワーキングホリデーをして感じたのは、「この歳で良かった。」と思うことが結構あったんですね。
実際、どういった場面でそう思ったのか。まず、語学学校での経験からお話ししますが、語学学校の授業では「ディスカッション」のクラスがあります。
フィリピン留学の場合、先生とのマンツーマンもしくは「4:1」のグループクラスでしたし、カナダの時は「10:1」のグループクラスでした。
その時のディスカッションのトピックで、たまに「日本語でも難しいぞ!」というものがあるんですね。

→ 南米の生徒は自分の意見を恥じらいなく、堂々と言うことができていてたくましかったです。
例えば、「お金は1番大切か?」とかです。
こういったトピックに関してディスカッションをする際、自分の意見を持っていて、それをしっかりと主張することが求められます。
それに加えて、これまでの自分自身の「経験」というものも大事になります。
ディスカッションに限らず、エッセイを書く際にも「For example」、つまり「具体例」が要求されます。
その際、人生経験や働いていた経験があると、「私が日本で働いていた時は、○○だった。」と自分の経験から考えを示すことができるんですね。
留学してみて気付きますが、これは大きいです。「IELTS(アイエルツ)」という英語の公式テストに関しても同様です。難しいトピックに関しては、留学中に知り合った大学生の友達が「日本語でも答えられない…。」と漏らすともありました。
30歳手前で社会人としての経験値があると、良いことも悪いことも含めて人生経験もたくさんあるでしょうから、そういった点においてはこの年齢で留学して良かったなと思いました。
2つ目が、「仕事」の面でのアドバンテージです。ワーキングホリデーで仕事を見つけるのはなかなか大変です。大変な理由をカナダでの自分の経験から言うと、「英語力」と「ビザ」の2点の問題が立ちはだかります。
「英語力」については説明不要かもしれませんが、英語圏の国で仕事をするとなれば一定レベルの英語が必要になります。
従業員とコミュニケーションを取るにしても、お客さんからの注文を聞くにしても「英語力」は必須です。
「ビザ」の問題も見落としがちですが、これがとても大事です。
ワーキングホリデービザは、一部の国を除きほとんどが「1年」となっています。
つまり、最大でも働けて1年で、最初に語学学校に通っていたりすると、残っているビザの期限は6~9ヶ月だったりします。最後に旅行するなんてことを考えたら、実質的に働ける期間はもっと短くなります。
これを雇う側の立場になってみましょう。残り6~9ヶ月で自分の国へ帰ってしまう外国人と、1年以上働ける現地のカナディアンがいたらどちらを選ぶでしょうか?
あなたが雇用主であったら、長く働ける人の方がいいと思いますよね!
しかも、そこに「英語力」の問題が絡んでくれば尚更です。
このように、地域や職種にもよりますが、ワーキングホリデーでネイティブ環境の仕事を探すのはなかなか大変なのです。
そんなワーキングホリデーで仕事を探す人にとって、期間限定で滞在する外国人の弱みをカバーしてくれるのが「職歴」です。

→ ちなみにカフェ経験ゼロの私は、数回研修を受けて諦めました。(笑)
「手に職を持っている人」はやっぱり強いです。
自分の周りには日本で美容師をしていた人、パティシエをしていた人、カメラマンをしていた人など色んな人がいました。
そういった「技術」がある人は仕事をゲットすることができていました。
そして、企業側も求人を出す時点で、「〇年以上の経験者」という条件を出しているところも多いです。
英語環境の慣れない環境で、日本でもやったことのないようなことを、イチから仕事として始めるのは難易度が高いのです。
つまり、日本での自身の仕事経験を生かすことが近道だと思います。
これも30歳頃まで日本で経験を積んだからこそできることなので、大学生にはあまり真似ができないことでしょう。
海外で出会った「ギリホリ」友達
私がカナダにワーキングホリデーをしている間、たくさんの「ギリホリ」友達と会うことができました。
どのような人がいたか簡単にご紹介しますね。
・カナダで活躍するプロカメラマンに憧れカナダへ
彼は日本でアマチュアのカメラマンとして活動をしていました。彼は海外アーティストの作品を見る中で、お気に入りのアーティストを見つけました。そのアーティストはカナダを拠点に活動しているプロカメラマン。
その人へ直接メッセージを送ると、なんと丁寧に返事がありました。彼と連絡を取る中で、憧れのそのプロカメラマンに会うためにも海外に出ることを決意。その場所は、もちろん彼の拠点であるカナダへ。
彼は自分の足で色んな場所へ行き、人脈を広げ、活動の幅を海外のカナダで広げていきました。憧れのプロカメラマンにも会うことができました。
彼が撮影した写真が関係者の目に触れ、エキシビションに写真を出展することもできました。
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彼はこのコラムを書いている今、現在進行形でカメラマンとしての夢を達成するためにカナダで活動しています。
とにかく行動的な人で、やると決めたらとことん前に進むカメラマンです。
・世界中を旅するために拠点をカナダに
彼女は日本で保育士をしていました。私が福岡県に住んでいた時にワーキングホリデーを考えている人たちが集まるイベントで会いました。年齢がほぼ同じということもあり意気投合。
それからカナダに渡航するまでに、日本で数回情報交換をしていました。彼女がカナダのトロントをワーキングホリデー先として選んだ1つの理由は、「地理」の面でした。
というのも、トロントはカナダの南東に位置しています。
このロケーションは、アメリカのニューヨークにバスで行けるほど近いですし、ヨーロッパや南アメリカにも日本とは段違いに近いです。
日本にいると、南アメリカに行くなんて金銭的にも時間的にもある程度の覚悟が必要ですが、トロントからだと時差もほぼないですし割と簡単に行けます。
彼女はこの立地を活かして、ペルーのマチュピチュやボリビアのウユニ塩湖など世界的にも有名な観光地を旅していました。
ワーキングホリデービザの使い方は自由で、学校に行ってもいいし、働いてもいいし、旅をしてもいいんですね。
彼女は働いてお金を貯めては、旅行に行ってと上手に時間を使っていました。
・海外のお客さんに本物の日本食を!
私はカナダでのワーキングホリデー中に日本食レストランで数ヶ月働きました。そこはおよそ30年近く続く伝統あるレストランでした。そこで料理人をしていたのが同い年の彼。
日本で料理人をしていて、一念発起してカナダへ。将来はカナダで自分のお店を持つことを夢見て、毎日のように働いていました。
カナダで自分の店を持つためにも、カナダの永住権取得を目指していたわけですが、そのためにはいくつか条件があり、IELTSのスコアも必要になります。
彼のすごかったところは、毎日のように働いているのに空いた時間を見つけて独学でIELTSの勉強をしていたんですね。
そして、無事に目標としていたスコアに到達をしました。
彼を見ていて、海外で働くということも英語に関しても「目標」は大事なんだなと感じました。
【まとめ】 ギリホリで自分の新しい扉を開こう!
以上、「30歳のギリホリでワーホリに行くのはアリ?」というテーマでお届けしました。
最後にもう一度内容をおさらいしますね。
私がまだ海外に出る前だった日本にいる時は、「ワーキングホリデー」って何となく大学生世代のためのものと思っていました。
7年間働いた仕事を退職して、海外に出たのですが海外で同じような境遇の人と出会えることをほとんど期待していませんでした。
しかし、実際に海外に出てみると、このコラムで既に書いたように同世代で、同じような思い入れがあって海外に一歩飛び出した人たちがいました。
仕事を辞めて海外に出るのは勇気がいると思います。そして、自分の年齢を気にして躊躇してしまいそうなこともあると思います。
自分としては、仕事の経験を日本で積んで、大学院に行くなどやりたいこともある程度やったこのタイミングで海外に出ることができて良かったと思っています。
このコラムを読んでくださっているいわゆる「ギリホリ」に当てはまる年代の方にとって、少しでもこの記事が参考になれば幸いです。
他のコラムではカナダ・ワーキングホリデー中の苦労話やフィリピン留学の体験談を書いていますので、そちらもよかったらご覧になってください。
それでは次回のコラムもお楽しみに。