海外で最初に受けたカルチャーショック!北米やヨーロッパで出会ったホームレスの様子とは? | 留学・ワーホリ・海外留学・語学留学は留学ドットコム

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海外で最初に受けたカルチャーショック!北米やヨーロッパで出会ったホームレスの様子とは?

公開:2020/06/03 著者:坂元 ちひろ 6359 Views

こんにちは、カナダ在住のちひろです。

私は海外旅行が好きです。今まで足を踏み入れたことがない国を訪れ、見たことがなかった光景を目にし、知らなかった文化を吸収できる体験に喜びを覚えます。

現在住んでいるカナダ以外にアメリカやオーストラリア、フランス、スリランカなど9カ国への渡航歴があります。ですが、生まれてはじめて日本を出たのは社会人になってからです。

 

当時は今ほどの英語力がなかったこともあり、ワクワクする気持ちがありながらも、この先にどんな出来事が待ち受けているのか想像がつかずに不安も大きかったのが記憶に新しいです。

 

二十数年をずっと日本国内で過ごしてきた私にとって、渡航先で目の当たりにした風景は刺激と衝撃の連続でした。その中でも個人的に最も印象的だったのは、「海外と日本のホームレスの違い」です。

日本のホームレスとは様子が異なる彼らの姿に、少し怖いけれども怖いもの見たさもあり横目で観察したり、滞在先のホテルに戻ってからネットで世界情勢を調べてみたりしたことを今でも鮮明に覚えています。

本日は、「私が海外で目にしたホームレスの様子」をみなさんとシェアしたいと思います。

海外のホームレスは積極的に物乞いをする!?

私は日本で社会人生活を送っていた頃は大阪市に住んでいました。ビジネス街に居住していましたが、会社の行き帰りに路上でホームレスを1~2人見かけるかどうかという頻度でした。

一方、大阪には西成というエリアに位置する「あいりん地区」があり、路上生活者が集中している地区として有名です。何年も前にボランティアのために訪問したことがあるのですが、ボランティア先の児童施設へ行く往復20分ほどの間に何十人というホームレスを見かけました。

日本国内で路上生活を余儀なくされている人が大勢いることを数字としては知っていました。しかし、自分の目でその人の多さを捉えたことがなかったので、この地区で目にした光景は私にとって非常に衝撃的なものでした。

 

でも、それ以上に驚かされたのは海外で見かけたホームレス達の姿です。

 

海外で路上生活をしている人々の何に衝撃を受けたかと言うと、まず一番はその積極性です。

大阪のビジネス街で見かけた人々や、あいりん地区で出会った人々は、路上に座っていたり公園でテントや段ボールを広げて寝そべっていたりと、とにかく「ただそこにじっとしている」という印象でした。

彼らの中には空き缶を回収してお金に変えようとしている人もいらっしゃいますが、一般市民に話しかけたり食べ物やお金を乞うたりするイメージは全くありませんでした。

 

でも、私が欧米で出会ったホームレス達はかなり精力的に物乞いをしていたのです。

 

ここで2つほど物乞いのエピソードをご紹介したいと思います。

まずは私がカナダの飲食店で働いていた時の話です。お店の営業が始まって数時間が経った頃、ある男性が一人で来店しました。

すると、突然店内で「私はお金がない!何か食べ物をくれ!」と大声で主張しはじめたのです。

 

さらに驚くことに「サーモンが好きだからサーモンを施してくれ!」と、まさかのピンポイントで嗜好をアピールしてきたのです。私は正直どのように対応したら良いのか分かりませんでした。

丁重にお断りすべきなのか、サービスで提供してあげても良いものかをオーナーに相談しようとしました。するとその時、店内で食事をしていたご婦人が「彼にメニューを渡してあげなさい。代金は私の会計につけてくれていいから。」とおっしゃりました。

最終的にはお店負担という形で彼に食事を提供したのですが、今でも少しモヤモヤが残る経験となりました。

 

→ 日本で同様の出来事が起きていたら、上記のようなご婦人は現れたでしょうか?

 

続いては、街中で頻繁に見かける光景です。私が住んでいるエリアでよく目にするのは、ショッピングセンターや駅の入り口で人が通る度にドアを開けてくれる路上生活者や、電車内を1両目から最終車両まで渡り歩いているホームレスです。

両者ともに片手に紙コップを持ち、「お金をください。」とアピールしている点で違いはありませんが、前者は多少、彼らなりの働く意欲があると捉えることができるかもしれません。「ドアを開けてあげる代わりにチップが欲しい。」という、いわばドアマンのような形です。

一方、後者の電車内で見かけるホームレスは車内のひとりひとりに声をかけ、ただただお金を乞います。それほど頻度は多くありませんが、乗客の一部には、彼らに手持ちの硬貨を施している人々も存在しています。

 

食べ物ではなくお金が欲しいホームレス

私がアメリカやカナダで少し意外だったのが、市民とホームレスが親しげに会話している光景を度々見かける点です。

もちろん、込み入った話はしていませんが「調子はどう?」と相手の体調を気遣ったり、「今日は天気がいいね!」と気軽に声を掛けたり、お互いに対等なスタンスで交わしているように見えるのです。

ですから、買い物帰りの主婦が購入したばかりの食べ物をホームレスに渡したり、ビジネスマンがわざわざピザ屋で路上生活者のために商品を買ってきたりといった場面に遭遇することも少なくありません。

 

「海外のホームレスは食べ物に困っていないのではないか?」と錯覚を覚えてしまうほどです。

 

→ カナダには「フードバンク」と呼ばれる、市民が生活困窮者を支援するための寄付システムがあります。スーパーの出入り口で撮影。

 

しかし、これは私のホストシスターも実際に経験したことですが、食べ物を施そうとしたら「食料じゃなくて金をくれ!」と主張するホームレスも一部には存在しています。

 

ドラッグが日本よりも人々にとって身近な存在である海外では、特に薬物中毒が原因で仕事と住居を失い路上生活を余儀なくされている人が一定数います。

 

働き口も住むところも失うほどですから、過去に薬物を相当な頻度で常習していたと察します。彼らはおそらく薬物依存克服のためのセラピーや治療は受けていない、もしくは途中で断念した可能性が高いでしょう。

そうすると当然、彼らはホームレスになった以降も、ドラッグを手に入れるために奔走します。食べ物は二の次でドラッグ用の資金集めに精を出すことになるのです。

私はカナダではじめて海外のホームレスを見た時、「なんだか異常性があるな…。」と感じました。

 

目が虚ろだったり奇声を発したりと、現地の生活に慣れるまでは近くを歩くのが怖くもありました。

 

今となっては、それは薬物中毒のホームレスであると分かりますが、当時はその異様なテンションにとてつもなく大きなカルチャーショックを受けました。

 

実はホームレスじゃないホームレス

これは私も海外に来るまで知らなかったのですが、この世には「偽ホームレス」なるものが存在しています。国によっては、一般市民がホームレスに対して寛大と言いますか、「彼らを社会全体で支えよう!」という空気感を持つ地域があります。

日本で私が見てきたホームレスは、道端に置かれた寄付箱の中に数十円しか入っていなかったりカップ麺を細々と食べていたり、という印象でした。

でも、北米で目の当たりにした彼らは1日に何十ドルという施しを受けていたりハンバーガーやピザを食べていたりと、「え?結構、恵まれた暮らしじゃない?」と驚くことが度々ありました。

 

こう表現すると誤解を与えてしまうかもしれませんが、ホームレスとは言え、人によっては「結構稼げる」土壌が一部にあるのです。

 

そこで「楽をして稼ぎたい!」と考えて、職業をホームレスにする人が現れはじめたのです。彼らは身なりをわざと小汚くしたり、体が不自由で仕事ができないふりをしたりして市民の善意を利用します。でも、実際には帰る家もあるし車もあるのです。

私も実際に偽ホームレスがお金を稼ぐ手段をいくつか見聞きしたことがあります。車椅子に乗って体が不自由なふりをして人々から施しを受け、ひと気がなくなった頃にスッと立ち上がり、車椅子を手押しで次の人が集まるスポットへ向かっていく人。

実の子供にホームレスのふりをさせて、路上でお金を稼がせている母親。家々を渡り歩き、一通りお金を回収できたら離れたところに駐車していた車に乗って帰路につく人。本当に様々な手法があります。

 

→ ホームレスビジネスが存在していたとは驚きです…。

 

ホームレスをサポートする時は然るべき窓口を通す方が賢明

 

最後の項でご紹介したプロのホームレスは、さすがプロなだけあって、素人目には見分けがつきにくいです。薬物中毒のホームレスも不用意に接近すると危害を加えられてしまう可能性もあります。

せっかくの好意で彼らを助けたいと考えたのに、その善意を踏みにじられたり自分の身に危険が及んだりすることは避けたいです。

そこで、各国の政府機関や生活困窮者を支える団体からは、「ホームレスを援助する余裕がある人は、お金ではなく食べ物や飲み物を差し出すように。」と勧められています。また、「フードバンク」のように政府機関やチャリティー団体を通じて、路上生活者を支援する方法もあります。

 

今回は海外の特異なホームレスに焦点を当ててご紹介させていただきましたが、路上には本当に家庭や健康状態の都合で生活に困っている人も多くいます。

 

必要以上に警戒しすぎたり不審がったりすることはないのかもしれません。私自身も直接的に攻撃されたり、しつこく追いかけ回されたりしたことはありません。

しかし、ホームレスとして様々な形で存在している人がいることを、まずは知っていただきたいです。

また、何かしらの形で彼らを支援したいと考える方がいらっしゃれば、「然るべきルートで手を差し伸べてもらった方が安心安全だな。」と思っています。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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