外国語を上達させるための心構えと学習準備について | 留学・ワーホリ・海外留学・語学留学は留学ドットコム

カテゴリー:勉強方法のコツ

外国語を上達させるための心構えと学習準備について

公開:2019/08/28 著者:小松 久里子 2540 Views

本屋さんに行けば、様々な語学学習本があります。英語のテキストや試験対策から始まり、どうやって語学を勉強したら良いかというハウツー本。

英語だけではなく、フランス語やイタリア語、中国語や韓国語など様々な言語の本が出ています。

インターネットでも『3カ月で英語が話せるようになる。』なんていうものや、英語の先生ではなく、どうやって英語を勉強するかを教える『英語コーチ』なる職業もあります。

 

私も今までに5か国語勉強してきました。一応、英語とフランス語を使って生活をしたり、仕事で使ったりしています。

もちろんイギリスやフランスに住んでもいるので、「住んでたら語学ができるようになるよね!」という意見もありますが、一概にそんなこともありません。

私の専門は語学学習ですが、アカデミックなお堅い視点からではなく、私なりの経験に基づいた語学上達法を今回お送りしようと思います。

外国語を学ぶにあったっての心構え

外国語を学ぶにあたり、学ぶ前の心構えから話したいと思います。というのは、語学の勉強を始めるのは簡単ですが、継続するのが難しいところでしょう。

テキストを買ったは良いが、一人で黙々と勉強をしようと思っても、なかなか続けられるものでもありません。

そこで、語学の勉強を始める前にモチベーションを継続するためのポイントや、私が語学の勉強を継続してこられた理由などをお伝えします。

 

ポイント① 語学は『手段』であって『目的』ではない

『手段』と『目的』の違いとは?

実は私自身もそうですが、語学の勉強というのは長期間してきたことがありません。というのは、語学学習自体が目的ではなく、語学はその先にある何か他の目的のための手段でしかないからです。

では手段というのはどういう事かと言うと、「英語を使える仕事がしたい。」とか「イギリスに行きたい。」、「アメリカに行きたい。」ということでもなく、もう少し具体的な目標です。

しかし、今言ったこれらも、私にすると何かをするための手段な気がします。

 

学習するための『目的』を定める

なんて言うと、逆になんだか大きな目標を決めないといけないように感じるかもしれませんが、そんなことはありません。もっと簡単に言うと、なんでもいいので好きなことを、興味を持てるものを見つけて下さい。

何のために英語が必要なのかを考える必要があります。必然性がなければ、学習維持は難しいのです。他の科目でも同じかもしれませんが、高校で習った微分積分など、その先の日常生活で使ったことはあるでしょうか?

使う意味や目的がなければ、継続していくモチベーションを維持していけなくなってしまいます。例えば、簡単な所で言えば、「アメリカ映画が好き!」でも良いんです。

私はイギリス映画が好きですが、やっぱりロマンチックコメデイなどは語学が分かってこそ、というところもあります。そして、言語だけではなく、その背景にある社会情勢なども理解する必要があります。

 

英語やフランス語を学習するための目的なら?

・イギリス映画を字幕なしでどうしても理解したくて、英語の勉強をする、映画を観まくる。
・アフタヌーンティーが好きで、その歴史やスコーンの作り方など英語の本を本で理解したい。
・UK音楽が好きで、歌詞を理解したい。英語の歌を意味が分かって歌いたい。

 

好きなものはなんでもいいと思います。

フランス語の場合ですと、フランス菓子やファッションの勉強がしたいという目的でフランスに行きたい人もいます。

そうなるとやはり語学が必要不可欠になるのです。

 

・パティシエなので、いつかフランスでパテイスリーの勉強がしたい。
・パリでファッションの勉強がしたい。

 

そんな何かをしたいという気持ちに伴い、その目的を叶えるために語学が必要になれば、それが語学学習へのモチベーションにつながります。

 

→ パティシエを夢見てフランス留学する方も。

 

日本語学習者にもあてはまるケース

実はこれ、日本語学習者にも最近これに当てはまるケースが多いので、ご紹介したいと思います。

最近は海外でもアニメ、マンガ、JPOPなど日本ポップカルチャーは大変人気です。

ご存じの方も多いかもしれませんが、フランス、パリではここ最近では延べ20万人以上(2018年は23万人)の来場者数を誇る日本ポップカルチャーの大イベント、JAPANEXPOが開催されています。

 

→ JAPANEXPOには日本のポップカルチャー好きが集結する。

 

このイベント一つを見ても、日本のマンガ、アニメ人気が伺えますが、最近では吹替のものではなく、日本語の音声そのままを聞いてアニメを視聴するファンも増えています。

これは、やっぱりそのキャラクターには日本の声優の声が合っているということかららしいのですが、それだけでも日本語インプットの量は多くなってくると思います。

そんな日本のアニメが好きな人たちは、そこから日本のドラマが好き、JPOPが好きとどんどん興味を拡大しています。そして、「アニメから聞いている日本語を理解したい!」と思うようになります。

 

日本JPOPカルチャー好きから、大学での日本語学習へ

こういった背景から、大学の日本語学科の学生の9割は、こういった日本のJPOPファンでもあります。そして、今ではインターネットのお陰で日本にアニメやJPOPをリアルタイムに近い形で視聴して日本語を耳にする機会も多くなりました。

そのため、日本語インプット量が増え、それが語学学習に繋がっていると思います。

そんなフランス人の子達も、大学で日本語を勉強するだけではなく、フランスにいる日本人の人たちと交流をし、さらには日本に留学する人も出てきます。

最初の取っ掛かりは小さなことかもしれませんが、最終的には日本に行き、留学やワーキングホリデーなどで日本に住み始める学生も少なくはありません。

 

→ 日本のアニメがキッカケで日本に留学するフランス人も増えている。

 

ポイント② 自分に合った学習方法を見つける

どうやって外国語を勉強するのか?

語学の勉強と言うのは読み書きと話す聞くという4技能があるので、実はややこしい学問です。

ただし、第一言語学習(母国語)というのはこのように学習をしてきたわけではなく、ある意味いつの間にか話せたのではないでしょうか?

逆に、読み書き、特に漢字は小学生の頃に漢字テストがあったり、実は母国語の習得も意外と大変だったりします。

 

第一言語学習を考えた際、実は第二言語学習の学習方法が第一言語学習とは真逆だと言えるのではないでしょうか?

というのは、第一言語は聞く、話すという順番で、その後読み書きです。一方、第二言語は、外国語学習の場合は読み書きから入ります。

今ではインターネットのお陰で外国語も簡単に耳にすることができます。自分に合った学習方法や学習ツールをまずは見つけましょう。

 

可能ならば語学学習のパートナーを見つける

一人で黙々と勉強しても飽きてしまいます。日本でも外国人とのMEETUPと言われるような、英語を話すイベントも多く開催されています。

もしも貴方が大学生なら、恐らく大学には外国人留学生がいるでしょう。日本にも日本語学習者が結構います。そういう方を探して、語学パートナーを見つけてみましょう。

そうすることによって、英語を話す必然性が出てきます。もちろん、語学スクールに通う方法もありますが、語学スクールに通っている週1回、2時間の勉強程度では語学は伸びません。

その語学スクールに通って満足するのではなく、語学スクールの効果を効率的に吸収するために、毎日継続した学習が必要になってきます。

 

ポイント③ 高すぎない目標設定

目標は目的による

英語の勉強をしている際によく聞かれるのは、「どのくらいの期間で英語が話せるようになりますか?」という質問です。ですが、「話せるようになる」というのは、どのレベルのことを指すのでしょう?

日常会話なのか、仕事で使えるレベルなのか…。何のために語学を勉強するのかによりますが、最初の目標設定は低くハードルを設定しましょう。

高すぎるとそこにたどり着くのに時間がかかってしまい、その前に飽きてしまいます。

 

語学の勉強はそこそこに…

上記でも書きましたが、語学の勉強はあくまでも手段であって、目的ではありません。

もしも通訳などを目指している場合は、多くの幅広い単語力が必要になります。

しかし、既に決まった分野のことを理解したいと言う時は、ある程度の文法の勉強をしたら、その自分の好きなことに関係するものを観たり、読んだりした方が自分の興味に繋がります。

 

ポイント④ 好きなものは先ずは日本語で理解する

語学の勉強をしている中で、たまに気が付くことがあります。私も英語を話しますが、全ての分野の単語を知っているわけではないという事です。

語学というあまりにもざっくりしたカテゴリーだと、学習範囲があまりにも広すぎます。

母国語でもそうですが、色々な分野があって、自分の知らない分野だとその日本語すら知らないということもあると思います。

 

ちょっと話が脱線しますが、先日照明機具の会社の通訳をしたのですが、専門用語が分からずかなり焦りました。

しかし、逆に日本からいらした方々はその専門用語は仕事でそのまま使用されているので、そこは理解されていて、逆にご自身の意思を伝えるのが難しいという感じでした。

基礎的な語学力、中級までは文法の勉強や単語の勉強になります。しかし、単語帳に出てくる単語だって、覚えたものの全然日常的に使わない単語も多くあったりします。

 

ですから、ある程度基礎知識を身に着けた後は、自分の好きな分野に関して、外国語で学ぶことをお勧めします。

 

私の仕事の例を取っても、先ず自分の好きなことや自分が仕事で必要な分野などは、日本語でも単語そのものが万国共通の場合もあります。

そのため、まずは母国語である程度知識を入れてから、外国語で読んだり、聞いたりしても語学初心者でも理解しやすいことがあります。

留学の分野や言語学習でも研究されているのですが、既に知っている知識について他言語で勉強することは、より理解が深まり、語学学習にも繋がると言われています。(VanPatten 2003)

 

ポイント⑤ インプット量を増やす環境を

第二言語学習に必要なことは、インプットだと言われています。(Krashen, S 1985)

まずは、そのインプットが多く得られる環境を見つけておくことです。今ではYouTube、ポッドキャストなど英語も、他言語も素材を簡単に見つけることができます。

TEDなんかも面白いですし、自分の興味のある分野の話をしてくれる話者も多くいるはずです。

 

自分の好きなものがあればその単語を検索するだけでも、色々な情報が落ちています。

読み書きだけではなく、YouTubeのように音声と動画が一緒のものだと理解もしやすいですし、今では字幕も出てきます。

そういった素材をなるべく活用して、なるべく多くのインプットが得られる環境を作りましょう。

 

先ずは目標を定め、好きなことを見つけてインプット量を増やす!

今回、私がご紹介した学習アドバイスは1例にすぎませんし、好きなものは人それぞれだと思います。

好きなものは何でもいいので、目的を持って語学の勉強をするとモチベーションも維持できます。

 

外国語でも日本語でも関係なく、のめり込める何かがあることが、語学学習にとって大事な要素です。

 

自分が好きなことがあって、それに関する読み物などが外国語だと忘れてしまうくらいにのめり込めるものがあると良いと説いている学者(Krashen, .2011).もいます。

ぜひ語学学習のちょっとした参考にしてください。

 

→ 語学は手段であって目的ではないといった研究も多くあります。

 

参考文献
Krashen, S (1985) ‘The Input Hypothesis : Issues and Implications’ Longman, London and New York

Krashen, S. (2011). The compelling (not just interesting) input hypothesis. The English Connection, 15(3), 1.

VanPatten, B (2003) ‘From Input to Output- A Teacher’s Guide to Second Language Acquisition’ The McGraw-Hill, Boston, London

 

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