フランスの外出制限の中で見られた助け合いの精神と今自分ができること | 留学・ワーホリ・海外留学・語学留学は留学ドットコム

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フランスの外出制限の中で見られた助け合いの精神と今自分ができること

公開:2020/05/06 著者:小松 久里子 405 Views

5月4日(月)に日本でも緊急事態宣言の延期が決まりました。

日本の方も海外在住の方も、「外出自粛(外出制限)の中、みんなどうやって過ごしているのか?」と思っている方もいるでしょう。

現在私の住むフランスでは3月17日(火)正午から2週間、その後さらに2週間の外出制限が出ました。さらに、5月11日(月)まで延長となっています。

 

フランスは今後、地域によって外出規制が穏和な地域と、厳しい地域とに分かれる予定です。

 

既にゾーン分けは分かったのですが、私の住む地域は外出が厳しい地域に指定されています。

そんな気分も沈んでしまう状況の中、ニュース報道や外出した時に街中でちょっとホッコリする助け合いが見られています。

今回は、街中やニュースで見たフランスの助け合いの精神についてお送りしたいと思います。

外出制限中の助け合い

これはフランスならではのことも多いと思うのですが、毎日のニュースではボランテイア活動について紹介されています。

日本でも災害や震災の時にはボランテイアが被災地に行って活動するニュースを見たことがあると思いますが、フランスではボランテイアではなく「Solidalite(結束・連帯)」として紹介されています。

私は「助け合いの精神」というイメージで捉えています。そんなフランスで行われている幾つかの助け合い活動についてご紹介したいと思います。

 

① 外出できないお年寄りのために買い物代行

この時期やはり新型コロナウイルス感染し、症状が深刻化する可能性が高いのはお年寄りの方々です。そんなこともあり、お年寄りの外出はなるべく控えるようにと言われています。

そのため、お年寄りの方々は買い物にも行けない状況になっています。そこで、NPO団体などが各アパートなどに張り紙などを張り、近所のお年寄りのために買い物代行を募るお知らせなどをし、若者が買い物代行をしています。

もちろん、その際の他者との接触を避けるため、窓から買い物袋を紐で下ろして、そこに買って来たものをいれて窓から受け取るようにしたり、同じアパートであればドアの前に置いたりしています。

 

→ フランスのスーパーは人数規制をしています。お年寄りや体が不自由な方は買い物をするにも一苦労です…。

 

② 自宅学習をしている子供へのオンライン学習サポート

フランスの小学校では学校が完全にお休みになっているわけではなく、課題やオンライン授業で勉強を進めているのですが、やはり自宅自習の時間が多くなっています。

家庭環境によっては家族からの学習サポートがなく、落ちこぼれてしまう子が出てしまう懸念があります。

そのため、大学院生が無料で小学生の勉強をオンラインサポートするサイトがあります。

 

③ 休業中のレストランが医療関係者のために食事提供

フランスでは、外出制限によりテイクアウト以外のレストランなど飲食店全てが閉店しています。そのため、レストランの中には医療関係者のため、ランチなどをデリバリーを開始しているというニュースもあります。

今は皆大変な時だから、「助け合う時」という気持ちはこうしたところにも表れています。私の住むアルザス地方では、新型コロナウイルス感染者も多くベッドの数も足りません。

人材が足りない医療関係者は長時間労働で、まともに食事を作っている時間もないため、こうしたレストランのデリバリーに助けられています。医療関係者の方々が倒れてしまわないように、しっかり栄養補給して貰うのはとても大事なことです。

 

④ 農家の収穫のお手伝い

フランスでは外国との行き来にも規制が掛かっているため、通常なら東欧などから収穫の仕事に来てくれる外国人季節労働者が雇えない状況にあります。

そのため、地元の人たちが手伝いに来てくれたり、収穫の人手を探している農家とお手伝いができる人を繋いだりするサイトも注目されています。

こうして、手の空いている人と人手が欲しい人が協力し合うようにしています。

 

⑤ ホームレスの人に水の提供

あまり気が付いていない点だったのですが、衛生面の事を考えて街中や公園などにある水道が全て使用不可になっています。そのため、ホームレスの人たちが飲み水を確保するのが難しい状態になってしまいました。

そこでNPO団体が閉店しているお店の前などに張り紙を張って、時間帯を決めてミネラルウォーターを店舗前に置いておきましょうという活動をしています。私もスーパーに買い出しに出た時、この張り紙と店舗前に置かれた水のボトルを見て、初めてそういう活動があることを知りました。

この時期に外出している人も少ないため、毎日ずっと同じところにいるホームレスの方々もいつもより恵んで貰えるお金も物も少ない状態だと思われます…。

 

→ 公共の飲み水がないため、ホームレスの方のためにお店の前に飲み水が置かれている。

 

外出制限の中ですべきこと!お勧めしたい行動

ニュース等を見ていて心が痛くなるのは、物の買い占めと、その後に起こる転売行為です。

今回ご紹介したように、今大事なのは自分のことだけを考えるのではなく、みんなのことも考えることです。そんな中で、自分たちが今できることをお伝えします。

 

① 頑張って「うちで過ごそう」

第一に「外出制限」は、誰にとっても辛い状況です。特に天気が良ければ外にも行きたいし、人にも会いたいし、仕事や勉強にも影響が出てきます。

私は今週に1~2回の買い出しのために外出する生活ですが、家にいればマスクや消毒ジェルを使わないで生活できます。

 

そういう事を考えても、実は外出しないことにはメリットしかありません。

 

今やらなければいけないことは、一人でも多くの人が今の世界で起こっている深刻な問題を理解し、頑張って「うちで過ごす」ことが大切なのです。

これは、自分の身を守るだけではなく、自分の大切な人達も守ることになります。自分のせいで誰かが亡くなったりしたら、この先どれだけ後悔することでしょう…。

 

② 外出から帰ってきたらよく手を洗う

フランス人は実はトイレから出ても、外出から帰って来ても、日本人に比べても手を洗わないと言われています。

とにかくウイルスを家の中に持ってこないためにも、外出から帰って来たら石鹸でよく手を洗うことが一番感染を防ぐと言われています。

手袋をしていれば大丈夫だと思う方もいると思いますが、実は手袋のビニールにもウイルスは付きますし、逆にウイルスがついたままの手袋を家に持って帰ることも危険だと言われています。

 

 

こちらは英語の動画ですが、参考にしてみてください。

英語も分かりやすいので、英語の勉強にもなると思います。顔や髪の毛を触らないように気を付けて、外出したら手をよく洗うことを心がけてください。

 

③ 買い溜めはせず、一度触ったものは棚に戻さない

外出制限令が出た時は、フランスでも買い溜めが起こり、スーパーから無くなる商品がありました。具体的には、パスタやお米、パスタソースなどの食材、そしてトイレットペーパーも品薄になりました。

現在では、スーパーに行ってもこれらの商品は問題なく買う事ができています。

私は外出制限から2週間後に買い出しに行ったのですが、その時には買えなくて困ったという商品はありませんでした。

 

→ 品薄と言われる製品でも生産量は変わっていないので、一定時間が経過すればきちんと手に入るようになります。

 

一度手にした商品は購入することも、スーパーでは呼びかけられています。

 

もしも自分の手にウイスルが付いていた場合、それが商品に付いてしまい、次にその商品を手にした人にウイルスが付いてしまうからです。これも自分のことだけではなく、他者のことも考えての行動です。

また、マスクも誰かが買い溜めをしてしまうと、本当に必要な人が買えなくなってしまいます。もし皆さんが外出しないで家で過ごせるのであれば、マスクは必要ありません。

この時期にも外出して仕事をしないといけない人たち、人との接触がある仕事をしている人たちにとってマスクは必須です。

 

そういう方々が新型コロナウイルスに感染してしまったら、私たちの生活にさらに支障が出てしまいます。

 

必要なものは必要な所に…。一人一人がやるべきことは、自分のことだけを考えず、他者のことも考えていくことです。

そうすることによって、世界が平和になるんだと思います。

 

④ 自分の大切な人、他者のことを考える

フランスでは、多くの「助け合い」の精神が見られています。自分だけのことを考えるのではなく、今こそ自分の周りの人、他者のことをもっと考えて行動すべきだと思います。

若いから「自分は大丈夫」ではなく、「もしかして自分も…」と思う事。そして「自分が誰かに感染させてしまうかも…。」と考える必要があります。

そして、自分を守るため、自分の大切な人達を守るため、今できることは先ずは【うちで過ごそう】ということなのです。

 

若い方が外出をして、新型コロナウイスルに感染し、それが他の年配のご家族に感染させてしまい、亡くなってしまったというニュースもありました。

 

コロナウイスル感染者が入院しても、お見舞いにも行けませんし、亡くなっても最後のお別れもできません。ちゃんとしたお葬式もできないまま、遺骨となって家に戻ってくるのです。

「自分は大丈夫」と思っても、自分のせいで家族の誰かが亡くなってしまったら…。知らぬ間に自分が感染していて、一緒に遊んでいた友達も感染し、そのご家族が亡くなってしまったら…。

知らないところで、間接的にですが自分のせいで誰かが亡くなっていたら…。この先同じ平和な世界が戻ってきたとしても、自分もそんな状態で平和に生きていけるのでしょうか?

 

自分が今できることを考える

他者の事を考えることができれば、今度は他者のために何ができるかを考える機会にもなります。

 

フランスでは、その「助け合い」の精神で、誰かが誰かのサポートをするニュースが毎日のように流れています。

 

自分の家族だけではなく、今まであまり交流のなかった近所のお年寄りや、妊婦さんや持病がある方など、外出が不安な方もいるでしょう。

こういう時にこそ「助け合い」が必要な時で、色んな形で色んな人達を救う事ができます。

今は、自分が「今誰かのために何ができるのか?」を常に考えることが大事な時ではないでしょうか?

 

外部の人とコンタクトを取りたい時もあるでしょう。そんな時は、相手の顔を見ながらの通話やオンライン飲み会、勉強ならばオンライン英会話など、今できることを考えて実践しましょう。

 

自分の身も、自分の大切な人の身も考えて行かねばなりません。

フランスのマクロン大統領が言うように、世界が立ち向かっている「見えない敵との戦争」の深刻さを認識し、早く世界が平和になるように頑張りましょう。

 

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