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カテゴリー:ワーキングホリデー

ワーホリ中にカナダのジャパレスで働くなら知っておきたいこと

公開:2021/03/23 著者:坂元 ちひろ 2328 Views
→ 私が勤めていた店ではチップが固定の代わりに、お酒のボトルを販売したら売り上げの10%がもらえるというシステムがありました。

こんにちは、カナダ在住のちひろです。

ワーホリで海外渡航する際の最大の魅力と言えば、現地で就労可能なことが挙げられるでしょう。

ワーホリビザを取得して学費や当面の生活費、渡航費さえ用意すれば、あとは現地でお金を稼ぎながら生活できるため、少ない予算で渡航したい人に人気のビザです。

 

実際に海外で働くことを考えた時、まず頭に思い浮かぶのは英語力の問題です。

 

私もよく「どれくらいの英語力があれば現地で仕事できますか?」と、ワーホリを検討している方から質問を受けます。

自分の英語力に自信がない場合は、ジャパレス(「ジャパニーズレストラン」の略で日本料理店を指します。)での就労が一般的な選択肢と言えるでしょう。けれども、ジャパレスと一口に言っても様々な形で営業している店舗があります。

そこで今回のコラムでは、ジャパレスでの就労を検討する際に知っておきたいことを皆さんにシェアさせていただきます。

英語力ゼロでも働けるとは言い切れない

ワーホリ中の仕事でジャパレスが選ばれやすいひとつの理由として、「職場で日本語が通じる」という点が挙げられます。

特にカナダのバンクーバーやトロントなど日本からの移民も多いエリアでは、留学やワーホリ、カナダ人との結婚をきっかけに永住権を取って現地で暮らしている日本人がたくさんいます。

そのようなエリアでは、日本人が経営しているお店を頻繁に見かけます。

 

店舗のオーナーやマネージャーが日本からの移民の場合、カナダにいながら日本語で仕事をすることが可能になります。

そういった現状を受けてワーホリ界隈では「最悪、英語力ゼロでもジャパレスなら仕事が見つかる。」と言われるようになりました。

しかし、実際にはそう簡単な話でもないのです。ここで現実的な問題を3点ご紹介します。

 

① ジャパレスでも日本人がオーナーとは限らない

これは私が仕事を探している際に気づいたことですが、カナダには「ジャパニーズレストラン」と謳っているにも関わらず、中国人や韓国人が経営しているお店も数多く存在しています。

当然、彼らが日本語を話せることは稀(まれ)なので、仕事はもちろん面接も全て英語で会話することになります。

ですから、ジャパレスの中でも日本語で就労できるのは、“日本人が経営している”ジャパレスに限定されます。

 

その店のオーナーが日本人かどうかは、そのお店に行けば何となく分かります。私の経験則からすると、ジャパレスなのに日本人スタッフが一人もいなければ、その店舗のオーナーは日本人ではない可能性が高いです。

なぜなら、韓国人オーナーは韓国人、中国人オーナーは中国人、日本人オーナーは日本人を雇う傾向にあるからです。まだまだ英語が完璧とは言えないのは、どの国からの留学生、ワーホリ生にも共通していることです。

ですから、各職場ではいざという時に、英語ではなくそれぞれの母国語で会話をする必要があります。それ以前に、出身国が同じならわざわざお互いの第二言語である英語ではなく母国語で話した方が楽です。

 

その結果として、結局出身国が同じ人同士のコミュニティが出来上がるというわけです。

私も仕事を探していた時に複数のレストランの面接を受けましたが、最終的に採用連絡をもらえたのは日本人経営の店舗だけでした。

同僚も全員日本人、彼らとの会話も全て日本語で英語を使用する必要はありませんでした。

 

→ 海外にいるのに日本語で働けるというのは不思議な感覚です。

 

② ポジションによっては英語力が必要

日本人が経営しているジャパレスが見つかったとしても、どのポジションを与えられるかによって必要な語学力は変わってきます。

例えば、キッチンスタッフならば英語力ゼロでも問題ないかもしれません。同僚が全員日本人の場合に限りますが、シェフやディッシュウォッシャー(皿洗い)といったポジションの場合、日本語だけで仕事ができるでしょう。

一方、ウェイターやキャッシャー(レジ係)の場合、そうはいかないでしょう。なぜなら、お店を訪れるお客さんが全員日本人とは考えにくいからです。

 

注文を取る時や、商品説明をお客さんにする際はどうしても英語が必要になってきます。

 

ファストフード店の場合、商品名を聞き取れればなんとかなりそうですが、ジャパレスで働く際の難しさは商品説明をせねばならない点にあると思います。お客さんはこちらが日本人であることから、その日本料理に関する詳しい説明を期待しています。

「この揚げ出し豆腐ってどんな食べ物?」や「大葉って食べても大丈夫なの?どんな味なの?」など、日本語でもなんと答えればいいか少し考えてしまうような質問が飛んできます。

ですから、ジャパレスでウェイターとして働くならば、お客さんとは英語でコミュニケーションを取ることになるので、英語力ゼロの状態では厳しいでしょう。

 

→ 逆に言うと、接客のために努力すればジャパレスでの就労でも、ある程度の英語力は伸ばせます。

 

③ お酒を提供するポジションなら資格が必要

カナダの一部の州ではお酒に関する厳しい法律があります。私が住んでいるオンタリオ州もそのひとつで、バーやレストランでお酒を提供するスタッフはアルコールに関する正しい知識がある状態を求められます。

オンタリオ州ではその知識を証明するために「スマートサーブ」という資格があります。

ワーホリで仕事をする場合も例外ではなく、お酒をお客さんに提供するポジションに就くならこの資格を取る必要があります。

 

この資格を取るためにはオンラインでカリキュラムを受講する必要があるのですが、そのカリキュラムと試験は日本語に対応していません。

したがって、英語力に加えてこの資格を取るための期間も確保しておかねばなりません。

ですから、現地に到着してすぐに仕事を始めたい場合は、できるだけ早くスマートサーブを取得できるよう準備しておくのがおすすめです。

 

“アルバイト感覚”では大変な思いをするかも

日本ではアルバイトを始めたばかりの頃は「トレーニング期間」が設けられていて、慣れるまで先輩やトレーナーが手取り足取り教えてくれる場合が大半でしょう。

また、「新人」や「トレーニング中」などのプレートを制服につける場合もあり、お客さんから見てもどのスタッフが新人かは一目瞭然です。

さらに、新人がする仕事と中堅、ベテランスタッフが担当する仕事は明確に分けられています。

 

しかし、私がカナダで経験した仕事はそれらの日本での経験には当てはまりませんでした。

 

「新人だろうがなんだろうが即戦力になってもらわないと困る。」という空気感があからさまに漂っていたのです。

同じワーホリ仲間に聞いてみても意見は同じで、初出勤日に基本的なことを教えてもらったらすぐに配膳をしたり注文を取ったりするという実務が始まったと言います。

その数日後は開店・閉店作業も任されるなどして、日本にはないスピード感を感じます。自分がお客さんの立場でレストランへ行っても、「新人」や「トレーニング中」などのプレートをつけた店員を見かけたことがありません。

 

「給料をもらう以上は稼働歴に関係なく全員がプロ」という概念が暗黙の了解のような印象を受けました。

 

→ 責任感を持って業務にあたるという意味では良い環境だったように思います。

 

変動チップ制ではない店舗もある

北米ではレストランで食事をした後、会計時に料理代とは別にチップを支払います。これは受けたサービスに対して支払うもので、料理や接客の満足度に応じて金額が変動します。

そのチップは最終的に基本時給に上乗せする形でウェイターやキッチンスタッフへ支払われます。お客さんが店に払うチップの割合は会計金額の15%前後のため、客単価が高い店(高級料理店)ではチップだけでもかなり稼げます。

ワーホリ生のSNSやブログを見ていると、「今週はチップだけで200ドル稼げた!」といったような書き込みもよく見かけます。そういった情報を受けてサービス業で働く際に、チップによる収入を期待する人もいるかもしれません。

 

けれども、ここでもひとつ知っておくべきことがあります。それは、従業員へのチップの分配方法は店舗によって異なるということです。

あるお店ではウェイターが受け取れるチップが8割でも、別の場所では5割だけということもあります。それだけでなく、チップは元々の時給に含まれているケースもあり得ます。私が働いていたレストランは、まさにこのタイプで時給単価は固定でした。

ですから、カナダではチップ制度があるから日本のアルバイトよりも稼げると期待し過ぎるのは少し早いかもしれません。チップのシステムについては求人ページで情報提示している店舗がほとんどですので、仕事を探す段階で細かくチェックしておくのが良いでしょう。

 

→ 私が勤めていた店ではチップが固定の代わりに、お酒のボトルを販売したら売り上げの10%がもらえるというシステムがありました。

 

【まとめ】 情報収集時はバランス感覚を大切に

ネットで情報収集をしている際に感じるのが、そこにある情報が全てだとは言い切れないということです。

特にSNSやブログの場合は、“あくまで個人の経験談”と認識しながら読み進めるのが得策だと感じます。どこにでも例外は存在します。

「海外生活は大変だけど何とかなる!」というのは、経験した人だからこそ言えることであって、実はその裏には多くの苦労が隠されています。

 

ですから、渡航前に「まあ、何とかなるだろう!」と考えるのは少し危険かもしれません。

情報収集の際はポジティブに聞こえるものだけではなく、その対極にある可能性も視野に入れるとより現実に近い状態を想像できるでしょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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