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カテゴリー:勉強方法のコツ

英語学習者におすすめの洋書と本当に身になる勉強法

公開:2019/10/09 著者:伊東 さやか 4960 Views

こんにちは、英会話講師で英語学習マニアのいとうです!

今回は、英語好きなら一度は手に取る「洋書」について。生きた英語に触れられることはもちろん、語彙力・文法力をバランス良く伸ばせるツールですよね。

そしてよくおすすめされる洋書を使った英語学習方法といえば「多読」ですが、じつは「多読」は、英語初級レベル~中級レベルの方におすすめ出来る勉強法ではありません。

 

なぜ多読はおすすめできないのか?本当に身になる勉強方法とは?

 

また、「本の選び方が分からない…。」、「洋書を使った勉強法が分からない…。」という方のために、おすすめの洋書もご紹介します!

英語初級~中級者は「多読」よりも「精読」をしよう

「多読」がダメ、というわけでは無いのです。

とにかくたくさんの英文に触れることで圧倒的なインプットが出来る「多読」は、英語脳を育てることに役立ってくれます。また、語彙力が増えることで自然とリスニング力もアップします。

 

人間って不思議なもので、「知っている言葉」はちゃんと聞き取れるんですよね。

 

ですので、やはり英文に触れること自体はとてもすばらしいこと。ただそれは理解あってこそ効果的な英語学習方法ということも、同時に考えなければならなりません。

 

「多読」における最大のメリットは、感覚で読めるようになる、ということ。

 

「多読」はいちいち訳したり考えたりせず、とにかく量を読みますので、文全体のリズムや大まかな内容理解がスムーズに出来るようになります。

しかし、この点こそが「多読」の持つデメリットでもあるんです。

 

「なんとなく分かった。」に慣れてしまうことで、語彙力も文法力も「なんとなく」以上には伸びなくなります。

 

特に理解が伴っていない「多読」は、自ら自分のレベルアップにストップをかけるようなものですので、注意が必要です。

「多読」が効果的なのは英語上級者だと、私は感じています。

では、英語初級~中級者レベルに合った読み方とは?

 

これが「精読」です。「多読」が量ならば、「精読」は質になります。

 

「精読」では、単語・熟語をすべてチェックし、さらに文法的構造も分解しながらチェックして読み進めていきます。当然時間はかかりますが、英文をより深く理解できるようになる勉強方法です。

先ほど「多読」についてお話した時に、’’理解が伴っていない「多読」は、自ら自分のレベルアップにストップをかけるようなもの’’とお伝えしましたよね。

逆に言えば、理解があれば効果的な読書方法が「多読」ということ。

 

そのためには、まず「精読」を重ね、十分に読める、もしくは分からない部分を調べるという癖がついたら「多読」へとステップアップするのがおすすめです。

 

では、具体的にどのような方法で「精読」を行うのかも、チェックしてみましょう!

 

初心者にもできる!洋書「精読」の方法

用意するものは以下の通りです。

 

・洋書
・ノート
・辞書

 

「精読」では、基本的に一文ずつ読み進めていきますが、わたしはいつもまずはサッと1ページないし数パラグラフに目を通します。ざっくり読む感じです。

この時点で理解できていないポイントを考えられるとなお良しです!たとえば、単語が分からないから理解できないのか?それとも文法的構造が分かっていないのか?など。

ざっくりと読んだら、次はノートに一文を書き出します。そこから単語・熟語をチェック。ここまでは辞書さえあれば簡単に進めることができます。(手元のスマホでググっても問題ありません。)

 

問題は、ここから。「精読」の大きなポイントである文法的構造に進みます。このとき、パッと英文を見て「これは関係代名詞だな。」とか「このコンマにはこういう役割があるな。」と理解できるならば、あなたはすでに初心者ではありませんよね。

英語初心者さんは、おそらくそもそもパッと見てもどこがどう、文法的構造になっているのか分からないはず。

そんな英語初心者さんでも、焦ってはいけません。

 

「主語はどれか?」、「動詞はどれか?」など、本当にゆっくり、ていねいに、ひとつずつ紐解いていきましょう。

 

この時、手元に中学・高校レベルの参考書がひとつあると便利です。

「多読」は時間をかけて行うものですので、時間と根気が必要。慣れないうちは飽きてしまいやすいですし、面白さが分からないと思います。

洋画を観たり洋楽を聴いたり、そういった「自分が好きな英語学習方法」とあわせて、バランスよくチャレンジしてみてくださいね。

 

英語学習初心者におすすめの洋書

読書ですので、好みに合ったものを選んでいただいてOKですが、やはりレベルと合わせることは重要です。

ここでは、英語初心者さんでも手に取りやすい洋書をご紹介します。

 

『The Wizard Of Oz / オズの魔法使い』

主人公ドロシーが竜巻に巻き込まれ、愛犬トトと共にオズの国へと飛んでしまうストーリー。元の国へ戻るために、ドロシーはオズの魔法使いへ会いに行く旅にでます。次々に出会う不思議な仲間たちが、人間としての弱さや強さを教えてくれるファンタジー。

なんとこちら、Amazonなら無料で読むことができます。(笑)

ラダーシリーズではレベル2に分類されているやさしい英語。

 

※ラダーシリーズとは、語彙制限された、やさしい英語で書かれた書籍です。

 

なぜこの本をおすすめしたいかというと、恐らくあなたが知っている内容だからです。洋書をあれこれ選んでいると、日本では知られていない作品に多く出会うことがあります。海外の有名作品って絵柄もかわいいですし、興味を惹かれますよね。

ですが、英語の勉強として洋書を選ぶなら「知っている内容」にしてください。それだけでなんとなく物語が把握できますし、知っている言葉も多いはずです。

まったく分からない物語と闘うのは、長く英語を勉強してきたわたしでもツラいです。(笑)

 

英語学習中級者におすすめの洋書

TOEIC600~700程度の英語中級者さんであれば、理解力はそれなりにあると思います。ですが、意外と「精読」まで踏み込んだ人は少ないのではないでしょうか。

中級者さんが「精読」を行うと、一気に英語力がアップしやすいので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

 

『Flowers For Algernon / アルジャーノンに花束を』

知的障害を持つ主人公・チャーリーの視点で進む物語。「天才になるため」の脳手術を受けるチャーリーと、実験動物であるネズミのアルジャーノン。脳手術を受けて「天才」になったチャーリーに起こる環境や気持ちの変化を描いた作品です。

『アルジャーノンに花束を』は、日本でもドラマ化されている有名な作品ですよね。「でも洋書で読むにはちょっと難しいのでは…?」と感じるかもしれませんが、中級者ならまったく問題ありません!

じつはこの作品、わたしが初めてきちんと読んだ洋書でもあります。主人公チャーリーの日記から始まるこの本は、チャーリーによる誤字や脱字がとても多く、文法的にも非常にシンプルな文章が多くあります。

 

チャーリーは6才児程度の知能という設定ですので、ごくごく簡単な表現が使われているんですね。

 

そして「脳手術」を受けたあとには、その文章がみるみるうちに変化していきます。文章がまるで生モノのように変化していくので、単純におもしろいです。

そしてチャーリーの誤記により、読み手の推測力も鍛えられます。(英語の勉強においてかなり重要なことです。)

『アルジャーノンに花束を』なら、文学としての楽しさに触れることもできます。早く続きが読みたくなる展開と、主人公の切なさに心打たれること間違いありません!

 

『The Never Ending Story / ネバーエンディングストーリー(果てしない物語)』

こちらはちょっとおまけとしてご紹介になりますが、個人的にいちばん気に入っている洋書作品です。主人公バスティアンが盗んだ『ネバーエンディングストーリー』という本を開くと、彼はその物語の中に引き込まれてしまい…という、映画でもおなじみの名作です。

こちらも映画は観たことがある人が多いと思いますが、洋書もすばらしいのでぜひ手に取っていただきたい。400ページを超えるのでボリュームとしては多め。

それでも、主人公バスティアンと一緒に’’果てしない物語’’の世界に引きずり込まれてしまい、読みながらバスティアンと一緒に「行け!アトレイユ!行け!!」と叫んでしまいます。(笑)

 

文章的には比較的簡単なので、「精読」と同時進行で「多読」も行いたい方におすすめです!

 

【まとめ】知ってる内容の洋書を手に取ろう!

「精読」が出来るなら、洋書じゃなく海外の雑誌や新聞でも問題ありません。でもやっぱり、ペーパーバックを片手に珈琲…なんて、ちょっと憧れちゃうんですよね。

今回は「精読」の方法と、「おすすめの洋書」をご紹介しましたが、洋書選びでいちばん重要なポイントは、「内容を知っている本」を選ぶことです!

Amazonキンドルやラダーシリーズなど、英語学習者に使いやすいアイテムもたくさんありますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

 

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