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イギリス語学学校でのマーケティングスタッフという仕事はどんなもの?

公開:2020/01/29 著者:小松 久里子 606 Views

以前イギリスに住んでいた時、ロンドンにある語学学校で日本マーケティングマネージャーという仕事をしていました。語学学校の中では受付に日本人スタッフがいる学校や、受付スタッフ兼マーケティングスタッフに日本人スタッフがいる学校もあります。

私がいた語学学校では、受付スタッフに日本人が1名、マーケティングスタッフが1名在籍していました。私はマーケティングの募集をイギリスのサイトで見つけて応募し、めでたく採用されました。

そんな私が体験した語学学校での具体的なマーケティングの仕事や、受付スタッフの仕事、そして語学学校での仕事で大事な事などをご紹介します。

語学学校の仕事は主に2種類

語学学校での日本人スタッフを募集している時は通常は学校の受付、もしくはマーケティングスタッフ2種の仕事がメインです。

 

その中で語学学校のマーケティングスタッフの仕事というのは、主に学校を売る、学校プロモーションをするのが仕事です。

 

学校に来る日本人学生さんとも会う機会があるのですが、それよりも留学エージェントのスタッフさんとのコミュニケーションが多いです。という事は日本語での業務も少なくありませんが、学校内の他のスタッフは英語ネイテイブの人が多いので、英語力は必須です。

仕事をこなすだけのある程度の英語レベルが必要ですし、もちろん仕事で使えるきちんとした日本語力も必要です。

一方で受付スタッフは、学校に来る日本人生徒さんとのコミュニケーションがメインになります。日本語も英語も必要ですが、どちらかというとサービス業にも近いような気がします。そのため、学生さんと接するフレンドリーな対応が大事かもしれません。

 

語学学校の受付スタッフとは?

受付スタッフの仕事ですが、語学学校ですので、もちろんメインのお客様は生徒さんです。語学学校に通っている生徒さんなので、語学力が不十分なこともあり、そういった生徒さんのサポートのために日本人スタッフなど外国語を話すスタッフを置いている学校は増えてきました。日本語だけではなく、各語学が話せる受付スタッフを揃えている学校も多いです。

私のいた語学学校も私以外に日本人受付スタッフがいました。主な仕事は在籍している学生さんの対応ですが、それ以外にも学校に直接申し込みに来られた方の対応や、授業の変更や延長などの依頼、それ以外にも生徒さんからのお願いや質問に答えるのが仕事です。

学生さんの中には、授業の変更や延長などの他にもホームステイの相談や、学校以外の問題があった時なども受付スタッフに相談する学生さんもいます。

 

語学学校のマーケティングスタッフとは?

それでは語学学校のマーケティングスタッフとはどういう仕事はどんなものかと言うと、先ほども言いましたが一人の日本人スタッフが受付とマーケティングの全てを担当していることもあります。

また、マーケティングと言っても日本だけ担当のこともあれば、アジア担当、ヨーロッパ担当と言って担当エリアが広い時もあります。そのため、日本マーケティング担当者が日本人でない語学学校も多くあります。

マーケティングとは、学校をプロモーションして販売する仕事です。学校を販売と言ってもピンと来ないかもしれませんが、この場合お客様は学校に来る生徒さんそのものではなく、留学エージェントさんや海外にある大学や高校などが対象の場合が多いです。

 

→ 語学学校にはいろいろな国のマーケティングスタッフが働いている。

 

学校と提携をしていただき、各国で学校の販売をしてくれる機関を探します。また、学校のプロモーションを考えたり、留学エージェントさんと料金の交渉をしたりもします。学校自体で【夏のプロモーション】や【春のプロモーション】など企画する時もあり、そういったお知らせを留学エージェントさんにしたりします。

また、語学学校の販売は、契約留学エージェントさんの数が多ければ多いほど販売に繋がります。そのため、新しく留学エージェントさんと契約してもらうために、電話で連絡をしたり、まれに日本に帰国して留学エージェントさんに営業回りをしたり、マーケティングと言うよりは正にセールスに近い仕事でもあります。

そういう意味でも、きちんとした対企業との交渉ができる日本語コミュニケーション力が必要になる仕事だと思います。

 

また、日本人生徒さんの中には受付スタッフさんではなく、マーケティングスタッフである私の方に相談に来られるケースもあります。(生徒さんにとっては、単に日本人スタッフとしか認識していないため。)

生徒さんによっては、留学エージェントさんのサポートが付いている方だと、語学学校ではなく先ず留学エージェントさんに相談されるケースもあります。

その後、留学エージェントさんからマーケティングスタッフに連絡が来るという事もありました。

 

語学学校スタッフ1日の流れ

それでは1日の仕事の流れを紹介しましょう。お客様が日本にある留学エージェントであり、日本との時差があるため、通常のスタッフよりは早めに仕事を開始します。これで日本にも電話連絡も可能です。

先ずはメールを確認し、その日のエージェントさんからの連絡を確認します。日本人学生さんの学校申し込みが毎日あるわけではないのですが、申し込みがある場合、その後の手配を開始します。

申し込みがあった場合、やるべき仕事は以下のようなものです。

 

・ホームステイのアレンジ
・空港送迎アレンジ
・入学許可書のアレンジ

 

これらの書類を揃えて、留学エージェントさんに送ります。

場合によっては申し込みの前に色々エージェントさんからご質問などもあることがあり、それにお答えしてから、申し込みがあるケースもあります。

 

語学学校の生徒さんとの交流は?

実は生徒さんと直接お会いしたり、連絡をしたりするのは生徒さんが学校に入学してからになり、生徒さんが日本にいる時の接点はほぼありません。また、受付スタッフとマーケティングが兼任されていない場合、マーケティングスタッフはあまり生徒さんと関わることが少ないこともあります。

ですが、私は逆に直接留学エージェントさんから、「今度こういう生徒さんが御校に行きますので宜しくお願いします。」と言われることが多かったので、その生徒さんになるべくお会いしに行ったりして、エージェントさんに生徒さんの状況報告などもしていました。そうすることによって、留学エージェントさんと密にコンタクトをとりながら、生徒さんを送客してもらうように努力していました。

私が語学学校で働いていた時は、留学エージェントさんから「あそこの語学学校は、日本人スタッフさんは面倒見が良いから。」と言って頂けることもあり、そういう事で学校申し込みをしてくれる方もいて、本当に有難かったです。

 

日本人は日本人としての良さがあるということ

留学エージェントさんという日本の企業さんとの連絡が重要になるので、やはりここで大事な点は「日本人らしい対応」を求められることが多いです。それでは、語学学校スタッフという仕事で大事な要素をご紹介していきます。

何度も言ってしまいますが、いくら海外で働いていても、日本とのコミュニケーションも多い場合は、英語だけではなく日本語も大事になってきます。英語がある程度できるようになった時、大手企業で働き、海外の市場開拓も多く経験している大人の方に言われたことがあります。

 

「英語ができて日本人ともやり取りができる利点が日本人であるということ。英語ができるだけの人材が必要なら、外国人、英語ネイテイブの人で良いってことだよね。」

 

そうなんです。ここが非常に大事なポイントなんです!

 

日本人にとって「英語ができる利点」は、日本語ができて日本の習慣や風習も分かっているということです。

 

英語で対等に英語ネイテイブの人と仕事をしようとしても、英語力やその国の文化理解はその国の人には負けてしまうこともあります。いや、負けて当然でしょう。

ですが、日本人という事で全く違う二カ国の言語と文化を理解しているということが、日本人としての利点であり、良さだと言うことです。

ですので、日本人が海外で働く場合は、日本人としての素養(基礎能力)があること大前提になってくるのです。

 

→ 海外では英語ができるだけでなく、日本人としての素養も重要視される。

 

留学エージェントさんとの関係

海外にいると、ちょっとした気遣いや心遣いが日本とは違っている時があります。特に人相手の仕事で、日本から遠く海外に来る学生さんは何かと不安も多いこともあります。そういう事を踏まえて、きちんと対応していくということが大切なことだと思います。

メールやチャットでコミュニケーションが取れる時代ですが、やはり相手と直接やりとりをしたり、電話や直接会ってコミュニケーションを取ったりすることはそれでも大事な要素でもあります。

 

そういった密なコミュニケーションが留学エージェントさんとの関係にも繋がりますし、語学学校のプロモーションにも繋がります。

 

そして、色々諸事情で語学学校を辞めることになり、留学エージェントさんに最後のご挨拶のお電話やメールをした時に「辞めないでください。」と言って下さった留学エージェントさんもありました。

また、私が辞めないように署名をしてくれると言って下さった留学エージェントさんもいらしてくださり、本当にエージェントさんとも良い関係を築けて、良い仕事ができたと思っています。

語学学校の授業内容は設備も大事ですが、エージェントさんにとってはその学校と連絡が上手く取れるのか、連絡がスムーズか、対応が早いか、という事も大事な要素になります。こういった人間関係も語学学校販売に関係してくるんだと思います。

 

語学学校で働くために必要なこと

お客様は日本人の方、留学エージェントさんが多いです。ということは、やはり日本人として社会的にもきちんとしていることが大事になります。

という事は、以下のようなことが大事な要素になってきます。

 

1. きちんとした日本語ができること。
2. 日本人としての常識を持っていること
3. きちんとした日本語のメールが書けること
4. 外国の悪い習慣を身に着けないようにする(時間にルーズ等)

 

「海外で働く = 英語が必要」というのは当たり前ですが、日本人だから得られる仕事もあります。

また、海外で日本人が雇用される場合、企業側は社会人としての基礎能力を持ち合わせている日本人であることが前提で、かつ英語が人材を求めているケースが多いのです。

そのため、海外で働くにしてもやはり日本語や日本の常識が必要になることがあります。

 

語学学校や留学エージェントで働いてみたいと思われる方へ

留学経験者の方で、ご自身の経験を活かし、留学エージェントでお仕事がしたい、語学学校で仕事がしたい、と思う方もいると思います。私も、この仕事が自分の留学経験を生かせた仕事だと今でも思っています。

実は今は仕事としては全く離れてしまい、逆に留学や語学学習に関する研究を大学院でしていますが、それはそれで違う形で自分の留学経験や語学学習経験を活かせています。

今後は自分の経験も元にもっと正式に、アカデミックな場所で留学の効果などに関しての発表をしていけるようになりたいと思っています。

 

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