オーストラリアの語学学校では、英語の試験対策といえばIELTSとケンブリッジ英語検定が中心です。なかでも留学生がまず目指すのが、中上級(B2)のレベルを証明するFCE(B2 First)です。
この記事では、ワーホリから学生ビザに切り替えてFCEコースに挑戦した石橋さんと、実際にFCEに合格した2人の体験をまとめました。12週間の対策コースの中身、合格した人の勉強法、試験当日のコツと反省点まで、これから挑戦する人に役立つ話を紹介します。
この記事の要点
- FCEは中上級(B2)の英語力を証明する検定。合否がはっきり出るので、勉強の目標にしやすい
- 対策コースは12週間、同じ先生と同じクラスメイトで学ぶのが基本。仲間の存在が最後まで続ける力になります
- 合格した2人の共通点は、毎日の宿題と復習、模擬試験、ペアでのスピーキング練習
- ワーホリで学校に通えるのは最長4か月(17週)。12週間のコースを受けるために学生ビザに切り替える人もいます
ケンブリッジ英語検定のFCEとは
ケンブリッジ英語検定は、イギリスのケンブリッジ大学の機関が作っている英語の検定で、レベルごとに試験が分かれています。FCE(今の正式名は B2 First)は、そのうち中上級(CEFRのB2)にあたる試験です。英語で生活したり仕事をしたりするのに必要な力があることを証明できます。
TOEICが「聞く・読む」の点数を測るのに対して、FCEは読む・書く・聞く・話すの4つの力と、文法・語彙をまとめて試します。点数で結果が出るIELTSと違い、合格・不合格がはっきり出るのも特徴です。合格すれば証明書に有効期限はなく、履歴書にずっと書けます。
| 試験 | 時間と問題 |
|---|---|
| 読む・文法 | Reading and Use of English。1時間15分・7パート52問。配点の40% |
| 書く | Writing。1時間20分・2問(1問目のエッセイは必須、2問目は記事・メール・手紙・レビューなどから選ぶ)。配点の20% |
| 聞く | Listening。約40分・4パート30問。配点の20% |
| 話す | Speaking。2人1組で14分・4パート。配点の20% |
試験の形式は、Cambridge English の公式サイトで2026年10月に確認しました。受験の前に最新の情報をお確かめください。
ワーホリから学生ビザに切り替えてFCEに挑戦した石橋さん
石橋さんは、日本の大学を中退し、2017年11月にワーホリでシドニーに来ました。将来は子どもに英語を教える仕事がしたいと、到着してすぐにIH シドニー校で、子どもに英語を教えるための6週間の講座(J-SHINE)を修了しています。
ワーホリ生活が半年を過ぎた2018年7月、「日本に帰って就職するために、英語の資格を取りたい」と、シドニーオフィスに相談がありました。日本の大学では、1年かけて一生懸命勉強してもTOEICは500点台、アメリカへの4か月の留学の後も650点ほどで、努力に見合う結果が出なかったことが、本格的に英語圏で暮らそうと決めたきっかけだったそうです。
話し合いのなかで選んだのが、NSECのFCE対策コースでした。決め手は次の3つです。
- 海外ではTOEICのコースが少ないTOEICは日本や韓国ではよく知られていますが、世界中から留学生が集まる学校では、試験対策といえばIELTSとケンブリッジ検定が中心です。
- 4つの力をまとめて証明できる聞く・読むだけでなく、書く・話す力も試されるので、留学で伸ばした英語力をそのまま形に残せます。
- クラスに日本人が少ない日本での知名度がまだ低いぶん、コースに日本人は多くありません。「せっかく留学したのに、クラスが日本人ばかり」になりにくいのです。
石橋さんは、シドニー中心部から10キロほど離れた郊外に住み、近くのショッピングセンターでアルバイトも見つけていました。中心部から少し離れるだけで、周りに日本人はぐっと少なくなります。部屋も仕事も、中心部にこだわる必要はありません。
12週間の対策コースは、学生ビザへの切り替えで
オーストラリアのワーホリで学校に通えるのは、最長4か月(17週)です。石橋さんはすでに6週間通っていたので、残りは11週間。12週間のFCEコースを受けるために、ワーホリから学生ビザに切り替えました。
ワーホリのビザを持っている人は、日本に一時帰国しなくても、オーストラリア国内で学生ビザを申請できます(2024年7月に、観光ビザなどからの国内での切り替えはできなくなりましたが、ワーホリはこの変更の対象外です)。申請では「なぜこのコースで学ぶのか」を説明する質問に答える必要があり、申請料もかかります。条件や金額は変わることがあるので、早めにご相談ください。
滞在中に感じたことや出会った人の影響で、渡航前に決めた予定を変える方は珍しくありません。ただ、ビザの条件を抜きに滞在は延ばせません。予定どおりに帰国するか決めきれていない方は、その可能性も含めて、出発前に留学ドットコムのスタッフにお伝えください。
留学ドットコム シドニーオフィス
合格した2人の体験 対策コースの中身
ここからは、オーストラリアの語学学校でFCE対策コースを受け、実際に合格した2人の体験です。1人はワーホリ2年目の最後の3か月で挑戦した方(2015年)、もう1人はフィリピンのセブ島で英語を学んでからオーストラリアに来た方(2019年)です。
2人のコースに共通していたのは、12週間、同じ先生と同じクラスメイトで学ぶこと、そして試験の日に向けてカリキュラムが組まれていることです。1日休むと穴が大きく感じるほど、毎日の授業に中身が詰まっています。
| 項目 | コースの様子 |
|---|---|
| 授業時間 | 午前から午後まで(9時〜15時)のコースと、午後だけ(13時〜18時)のコースがありました |
| 授業 | 先生の説明→練習問題→実戦形式の練習のくり返し。文法は、日本の学校で習わなかった用法まで細かく学びます |
| 模擬試験 | 毎週金曜日。自由参加でも、毎週受けると時間配分に慣れ、苦手なパートが見えてきます |
| クラス | ペアで受けるスピーキング試験があるため、英語のレベルが近い生徒どうしで学びます |

一般英語のコースを1週間受けてからケンブリッジのコースに移りましたが、いちばんの違いはクラスメイトのやる気でした。みんなが同じ試験を目指していて、12週間同じメンバーなので仲良くなりやすく、勉強にも誘いやすかったです。わからないところをどんどん質問する雰囲気で、最初は圧倒されてもすぐに慣れます。
2019年に合格した方(セブ島→シドニー)
クラスには、目標にできる「少し上」の人、競い合える「同じくらい」の人、教えることで自分の復習になる「少し下」の人がいました。12週間、気持ちを切らさずにやりきれたのは、間違いなくクラスメイトのおかげです。
2015年に合格した方(ワーホリ2年目)
合格した2人の勉強法
2人のやり方は違いますが、毎日の宿題と復習を欠かさなかったことは同じです。
2015年に合格した方は、「いちばん大切なのは自分の弱点を知ること。英語の弱点だけでなく、自分の性格の弱点もわかれば、習慣をうまく組み立てられる」と話しています。
パートごとの対策と試験当日のコツ
2人の体験から、パートごとのポイントをまとめました。
| パート | 体験者のアドバイス |
|---|---|
| 読む・文法 | 2つ合わせて1時間15分なので、時間との勝負。文法・語彙の問題は日本で英語を学んだ人の得点源ですが、わからない問題は早めに見切って次へ進みます |
| 書く | 形式や語数のルールを守り、ミスなく書くことが高得点への近道。ペンで清書するので、下書きの時間配分が大切です |
| 聞く | 音声は2回流れます。1回目は全体、2回目は答えに関わる部分と、聞くポイントを変えるのがコツ。書き取りの問題はつづりに注意 |
| 話す | 試験官は「できないこと」ではなく「できること」を見ています。ミスを恐れず、知っている語彙を使って話しましょう |
スピーキングは、一緒に練習してきたクラスメイトとペアで受けられると、2人とも緊張せずに臨めたそうです。2019年に合格した方は、試験当日は「終わったパートは気にせず、次のパートで取り返す」と前向きに切り替え、休憩時間は試験と関係のない話をしてリラックスしていました。

結果と反省点
2019年に合格した方は、自信のなかったライティングがいちばん低い点数でしたが、得意なスピーキングなどでカバーして合格できました。一緒に勉強したクラスメイトも、ほとんどが合格したそうです。
2015年に合格した方は、あと一歩で最上位のグレードAという結果で、反省点を2つ挙げています。
- 試験の1か月前までアルバイトを続けていて、本腰を入れるのが遅れた。コースの入学テストに受かるレベルがあれば、12週間で十分に上位の合格を狙える。大切なのは、勉強だけに集中できる環境
- ライティングで準備していた形式の問題が出ず、時間配分が狂った。しっかり準備して臨まないと高得点は取れない試験だと実感した
セブ島で勉強に集中して基礎を固め、自信をつけてからオーストラリアに来たので、学校ではいちばん上のクラスから始められました。自分より優秀な人たちに囲まれて学べたのが刺激になりました。1か月でもいいので、先にフィリピンで英語を学ぶのはおすすめです。
2019年に合格した方(セブ島→シドニー)
ケンブリッジFCE よくある質問
FCEの対策コースには、どのくらいの英語力があれば入れますか?
学校ごとの入学テストで決まります。目安として、一般英語のコースで中級以上のクラスにいる人が多いです。入学テストに合格できれば、12週間で合格を十分に狙えるというのが、合格した方の実感です。
ワーホリのままFCEのコースを受けられますか?
学校に通える期間が残っていれば受けられます。ワーホリで学校に通えるのは最長4か月(17週)です。12週間のコースが入りきらない場合は、学生ビザへの切り替えを考えます。
FCEとIELTSは、どちらを受ければいいですか?
目的で選びましょう。海外の大学進学や永住権など、点数の提出を求められる手続きにはIELTSが向いています。留学の成果を資格として形に残したい人や、合否のある目標で自分を追い込みたい人には、FCEが向いています。
FCEの合格に有効期限はありますか?
証明書に有効期限はありません。ただし、提出先によっては「何年以内に取得したもの」と決めている場合があるので、使う予定がある方は提出先の条件を確かめてください。
この記事は、留学ドットコムのシドニーオフィスがサポートした石橋さん(2018年)と、FCEに合格した2人の体験記(2015年・2019年)をもとにまとめました。ビザの条件は2026年10月に確認しました。
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