ベテラン教師と新人教師の違いとは?ベテラン教師は全てにおいて上回ってるのか?を検証してみた

語学学校によっては、教師の質の高さをウリにしているところもあります。その中には、「長年働いているベテラン教師が多く在籍しています」といった紹介も目にします。
「ベテラン教師と新人教師って、実際何が違って、どっちがいいの?」
何となくベテラン教師の方が良さそうに感じますが、それは正しいのでしょうか?
こういった疑問に答えるべく、ベテラン教師と新人教師の違いを比較しつつ、結果的にどちらが上回っているのかを検証していきます!!
以下でベテラン教師と新人教師を、様々な視点から比較していきます。
授業に対する余裕(ベテラン教師>新人教師)
授業に対する余裕(経験値)については、ベテラン教師が圧倒的に上回ります。
淡々と授業が進んでいくだけでは、生徒の集中力が途切れてしまったり、授業にメリハリがなくてモチベーションが上がらなくなったりする場合があります。
こんな時、ベテラン教師は授業の合間にちょっとした小話をして生徒を一度リラックスさせてから、もう一度授業のスイッチを入れ直すなどのテクニックを持っています。
その結果、生徒は気持ちがリフレッシュできて、結果的に授業の効率はアップします。一方、新人教師は準備した授業を計画通りに進めていくことに対し、精いっぱいになってしまう場面も多く見られます。
小学校や中学校で、授業中に全く関係ない話をする先生ってどの学校にも1人はいましたよね?そして、不思議とその先生の授業は楽しく、授業内容も小話と合わせて覚えていたりするものです。
このようにベテラン教師は留学生が1分でも長く集中して、楽しく授業を受けれるようなテクニックや余裕を持っていることが多いです。長年の経験から、授業を円滑に進める技術を持っているとも言えるでしょう。
こうしたテクニックや余裕は、経験や先生自身の実力に比例して増えて行きますので、やはり長年留学生に言語を教えているベテラン教師ならではの強みだと言えます。
もちろん、新人教師も生徒のために、分かりやすく良い授業になるように努力しています。
しかし、まだ自分の授業のスタイルや教え方が確立していない場合が多く、経験値の差がこういったところに出てくるのです。
引き出しの多さ(ベテラン教師>新人教師)
引き出しの多さもベテラン教師ならではの特徴ではないでしょうか。
例として、「プロ野球のコーチ」と「草野球のコーチ」を比較して説明しましょう。
プロ野球のコーチは、まだプロに入りたての若手選手からベテラン選手まで全ての選手の様子を毎日のように指導しています。
「腰に痛みがある選手にはこのメニューをさせよう」、「スランプに陥っている選手をもう一度奮い立たせるにはこれしかない!」など、選手一人一人の状態にあった指導方法を知っています。
一方、草野球のコーチは週に1~2回しか選手の様子を見る機会がない中で、練習メニューや試合の采配を決定しています。
プロ野球のコーチは、体格や体を考慮して、あなたに合ったバットの振り方を教えてくれるでしょう。一方、草野球のコーチは、教える相手が誰でも全員に同じ教え方をするかも知れませんし、我流の独持論かも知れません。
もしあなたがバットの振り方を教えて貰うなら、経験値が豊富なプロ野球のコーチの方が良いと感じるはずです。教え方が違えば、上達の仕方も変わってきます。
語学教師についても同じことが言えます。
ベテラン教師であれば、分からないことを質問した時や語学力が伸び悩んでいる時、あなたの現状を的確に把握し、適切なアドバイスや参考書を提案してくれます。
新人教師に同じ悩みを相談した場合、教師としての経験値の差から、返ってくるアドバイスはベテラン教師とは違ってくる可能性があります。
特にベテラン教師は、各国の留学生の苦手分野やつまずきやすいポイントを熟知しています。多くの生徒を教えて来ているので、間違いやすい部分や苦手な部分が経験的に体に染み込んでいるとも言えるでしょうか。
例えば、日本人であれは「R」と「L」の発音が苦手な人が多く、それを把握しているベテラン教師はその苦手を克服するためのテクニックやアドバイスをしてくれます。
長年の経験から多くの留学生が陥りやすい状態を把握し、それに対するアドバイスも知っているのです。
自分が困った時や悩んでいる時に力強く背中を押してくれたり、具体的な対策方法を提示してくれたりすると、自信とやる気を取り戻すことができますよね。
フレッシュ・フランク・フレンドリーの度合い(ベテラン教師<新人教師)
新人教師は若く、ベテラン教師は中年から年輩である場合がほとんどです。
つまり、ベテラン教師は皆さんとは年齢が離れた世代の人々です。年代が違えば、話のきっかけや話題を作ることを難しいと感じる方もいるのではないでしょうか。もし、自分の親以上の年配教師なら、気軽に声を掛け難いケースも多々あります。
一方、新人教師はあなたと年齢が近いはずです。ベテラン教師よりも話しやすく、趣味などの話題の共通点も多く、授業外でも仲良くなれる可能性が高くなります。
多くの語学学校では、平日夕方のアクティビティや週末のレッスンがない時間を利用して、先生と一緒にカフェやパブに行ってコーヒーやお酒を飲みながら話す機会があります。
ベテラン教師の周りには多くの生徒が集まる傾向があるため、先生はあなたを「生徒の中の1人」として認識しているはずです。顔と名前をなかなか覚えて貰えないなんてことは、普通にあることです。
一方、新人教師の周りは比較的生徒の数が少ないため、先生としっかりとコミュニケーションをとることができ、顔と名前をしっかりと記憶してくれる可能性が高くいでしょう。
先生と仲良くなって顔を覚えてもらえれば、その先生の授業に参加することも楽しくなりますし、分からないことも質問しやすくなりますよね。
また、仲良くなって先生と一人の人間として向き合うことができれば、普通なら先生に相談できないことを相談できたり、授業外で深い話ができたりするかもしれません。
例えば、フィリピンの語学学校では、30歳前後を中心とした若い世代の教師が多いのが特徴です。マンツーマン授業主体で1日5時間以上の授業を受けることを考えると、気軽に話しやすい関係の方が気疲れもしません。
そう考えると、若い新人教師がベテラン教師に対し、あらゆるところで劣っているとも言えないでしょう。

→ フィリピン留学は先生との距離が近いからこそ、若い世代の教師の方が居心地が良い。
授業に対する情熱(ベテラン教師<新人教師)
新人教師は、教師生活が短く気持ちが新鮮です。
「今日よりも昨日の授業も分かりやすくしたい!」や「もっと分かりやすい資料を作ろう!」とやる気と勢いに満ちあふれています。
ベテラン教師に情熱がないワケではありませんが、数々の場数をこなして良くも悪くも小慣れています。
「これから英語学習を頑張ろう!」と思っている留学生にとっては、「これから教師として成長して行きたい!」と思っている新人教師の方が温度感は近いものです。
ベテラン教師にも落ち着いた中に熱い情熱があります。ですが、やる気満々の先生に教えて貰った方が、気も引き締まり授業への参加意欲も高まるはずです!
どちらかに偏るのではなくバランスが大事!
教師としての能力は、ベテラン教師の方が一枚上手です。
長年教師として語学学校に採用されているため、給料の高さや経験に裏付けられた実力があります。
当然と言えば、当然ですね!
しかし、新人教師も授業の進め方や生徒への対応については発展途上ですが、新人が故のフレッシュさやフランクさが魅力です。
先生との距離を縮めやすいといった、ベテラン教師には無い強みがあります。
これまでの考察の結論ですが、これから留学する皆さんとしては、ベテラン教師にこだわり過ぎないことが大事ではないでしょうか?
ベテラン教師にも新人教師にも長所と短所があるワケですから、どちらか一方だけでは、何かが欠けてしまいます。
もっと分かりやすく言えば、「教師の使い分けをしましょう!」と言うことです。
例えば、難しい質問がある時は、色々な引出しを持っている「ベテラン教師」に教えて貰う。
一方、コミュニケーション力を伸ばすには、楽しく会話できる話題が無ければ会話は続きませんので、世代の近い「新人教師」とフランクに会話を楽しむ。
そんなことは、多くの語学学校でも分かっていることなので、しっかりとした学校は教師の年代バランスも考えてライナップしています。
つまり、新人教師とベテラン教師がバランスよくミックスされている学校の方が、皆さんにとっても授業の雰囲気に差ができて、新鮮に勉強に励むことができるのです。
そして、最も重要なことは先生のスキルやキャリアよりも、英語学習と向き合うあなた自身の姿勢です。
ベテラン教師も新人教師もどちらも語学学校の採用試験をパスした優秀な先生たちですが、彼らも「1人の人間」です。
もし、「ものすごくやる気のある留学生」と「あんまりやる気のない留学生」がいたら、先生という立場では、どちらの留学生に「しっかり教えてあげよう!」と思えるでしょうか?
その先生の能力を引き出すためには、あなたの「やる気」や「積極性」を欠かすことはできません。
海外は日本と異なり自己主張する文化であるため、やる気のない消極的な生徒であれば、先生も必要以上に関わることもありません。
授業終わりに質問に行ったり、宿題を欠かさずやってきたりする学生は、どんな教師からも気に入られます。教師に求めるだけでなく、自分も勉強に貪欲な姿勢を見せて行くようにしましょう。
自分の頑張りや姿勢が先生を刺激して、一方で面白い先生から学ぶ楽しさを刺激されて、と良い関係が築けると良いですね。