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カテゴリー:学校の選び方

語学習得に必要な学習時間とは?語学学校に通う目安期間を外国語と日本語の学習時間を参考に徹底分析!

公開:2020/03/11 著者:小松 久里子 6773 Views

日本では、語学学習はまだまだ大きな課題な気がします。

自分が留学している大学で出会うたの留学生や、以前イギリスの語学学校で仕事をしていた時にたまに生徒さんから聞かれた質問があります。

 

「どのくらい(の海外滞在)で、語学ができるようになりますか?」

 

これは語学学習者の皆さんが語学の勉強を始めた時に思うことだと思います。

これから語学学校に通う予定の方は、語学学校に申し込む期間もどの程度が最適なのか分からない人も多いと思います。

そのため、外国語と日本語の学習時間の目安から学校に通う目安となる期間を分析してみたいと思います。

海外留学していれば語学ができるようになるのか?

まず、語学学習にはインプットが大事だと言われます。確かに海外にいればその分学習言語のインプットが多くなります。また、現地の人と学習言語での交流などでインプットの量が増えると想定できるため、海外にいる方が外国語学習をしやすいと考えられるでしょう。

ですが、それは日本にいるか、海外にいるかということだけではなく、どこにいてもどうやってその時間を過ごすのか、どれだけの時間学習するのかという事が重要になります。

例えば、日本にいても学校で英語の勉強はしますし、英語会話教室に通ったり、海外で語学学校に通ったりしてもその学習時間は限定された時間です。

 

私は現在も大学院で日本語を教えているのですが、語学の先生としても語学学習、語学教授は大きな課題でもあります。

大学の会話の授業は週2時間ほど。他の日本語の授業を合わせても週4時間ほどの日本語の授業だけでは、日本語が話せるようになるにはかなりの期間を要してしまいます。

また、私の在籍するフランスの大学でも日本人留学生の方にもお会いすることがあります。その際、よく聞かれるのはやはりどうやって語学を勉強するのか、語学習得にはどのくらい時間がかかるのかという事を聞かれることがあります。

 

結局、海外に滞在していても、同じ疑問にはぶつかるということです。

 

外国にいれば語学ができるようになるわけではない?

例えば、留学をしていればそれだけで語学ができるようになるのか、というギモンもありますが、海外に住んでいるだけでは語学はできるようにはなりません。

 

逆に言えば、海外に住んでいなくても語学はできるようになります。

 

何より大事なのは「どこにいるか」ではなく、「どうやってどのくらいの時間語学の勉強をしたか」だと思います。語学向上は、その学習時間に比例すると言えるでしょう。

けれど、この学習時間は学校や授業などのフォーマル学習だけではなく、自立学習や、学習言語での会話やテレビ視聴などのインフォーマル学習時間も関係しています。

どのくらいの時間、どんな風にどうやって語学の勉強をするのか、これが大事なポイントです。

 

→ 語学は海外で生活しているだけでは、できるようにならない。

 

語学学習時間と語学レベルの関係

もちろん、「語学ができるようになる。」と一概に言っても、それはどのレベルくらいまで語学ができるようになるかで変わってくると思います。

では、実際どのくらい勉強したら、語学ができるようになるのでしょうか?前回も語学学習時間とレベルについて簡単に説明したのですが、今回はその各レベルに関して、さらに詳しく説明していきたいと思います。

また、外国語のレベル表というのは皆さんもよく目にすると思いますが、同じようにレベル語学学習時間の目安というのが日本語にも存在します。その日本語習得と語学学習時間を比較しながら、語学学習時間とレベルについて考えていきたいと思います。

 

ヨーロッパの語学の共通レベル

「語学ができるようになる。」と言っても、目指すレベルにもよります。日常会話ができるのか、仕事で使える語学力なのか、もしくは外国の大学に入れるレベルなのか、と様々です。

ヨーロッパでは、ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages)というのがあり、レベルはA~C、そして各レベルがさらに2段階に分かれています。基本的レベルは6段階(A1、A2、B1、B2、C1, C2)になっており、ヨーロッパではこの基準で自分の語学のレベルを判断します。

以下では、この6段階のレベルを参考に、どのレベルを目指せば良いのか考えていきたいと思います。

 

語学と学習時間の関係性

イギリスのケンブリッジ大学では、その語学力レベルとそのレベルになるまでの学習時間が提示されています。

それを参考にしながら目標レベルと語学学習時間、そしてそのレベルでできること、を見て行きたいと思います。

 

A1: 学習を始めたばかりの者・初学者

よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることが可能なレベル。自己紹介、他己紹介ができ、簡単な個人情報について質疑応答ができる。相手がゆっくり、はっきりと話してサポートがあれば、コミュニケーションが取れる。

 

A2: 学習を継続中の者・初級者(学習時間180 – 200時間)

基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、よく使われる文や表現が理解できるレベル。簡単に日常的なこと、身近で日常の事柄についての情報交換ができる。自分の背景や身の回りの状況や、直接的に必要性のある事柄を簡単な言葉で説明できる。

 

B1: 習得しつつある者・中級者(学習時間350 – 400時間)

仕事、学校、娯楽で普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば大体理解できるレベル。その国で起こっている大抵の事柄に対処することができる。身近で個人的にも関心のある話題について、単純な方法で脈絡のある文を作ることができる。自分の経験や出来事、夢、希望などを説明することができ、意見や計画の理由、説明を短く述べることができる。

 

B2: 実務に対応できる者・準上級者(学習時間500 – 600時間)

自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的かつ具体的な話題の複雑な文の主要な内容を理解できるレベル。緊張せずに母語話者とやり取りが流暢かつ自然にできる。かなり広い範囲の話題について、明確で詳細な文を作ることができ、さまざまな選択肢について長所や短所を示しながら自己の視点を説明できる。

 

C1: 優れた言語運用能力を有する者・上級者(学習時間700 – 800時間)

様々な種類の高度な内容の長文を理解することができるレベル。流暢かつ自然に自己表現ができる。社会的、学問的、職業上の目的に応じた、柔軟かつ効果的な言葉遣いができる。複雑な話題についても明確で、きちんとした構成で詳細な文を作ることができ、文を構成する字句や接続表現、結束表現の用法も習得している。

 

C2: 母語話者と遜色のない熟練者(学習時間1,000 – 1,200時間)

読み書きに関して容易に理解することができるレベル。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構成できる。自然に流暢かつ正確に自己表現ができ、非常に複雑な状況でも細かい意味の違いを表現できる。

 

【参考資料】
・Wikipedia / ヨーロッパ言語共通参照枠

・Cambridge Assessment English / Guided learning hours

 

日本語語学と勉強時間の関係性

こちらは、日本語能力試験の級を取得するときの目安として書かれているものです。もちろん、これは日本語学習なので、英語学習時間とは異なるとは思います。

日本語母語の私たちと比べて、外国の人がどうやって日本語を勉強しなければいけないのか、どのくらいの学習時間が必要なのか、というのを参考資料をもとに見ていきたいと思います。

 

4級: 初歩的な文法・漢字(100字程度)・語彙(800語程度)を習得

簡単な会話ができ、平易な文、又は短い文章が読み書きできる能力。150時間程度学習し、初級コース前半を修了したレベル。

 

3級: 基本的な文法・漢字(300字程度)・語彙(1,500語程度)を習得

日常生活に役立つ会話ができ、簡単な文章が読み書きできる能力。300時間程度学習し、初級コース修了したレベル。

 

2級: やや高度の文法・漢字(1,000字程度)・語彙(6,000語程度)を習得

一般的なことがらについて、会話ができ、読み書きできる能力。600時間程度学習し、中級コース修了したレベル。

 

1級: 高度の文法・漢字(2,000字程度)・語彙(10,000語程度)を習得

社会生活をする上で必要な、総合的な日本語能力。900時間程度学習したレベル。

 

参考資料: 日本語能力試験JLPT(https://www.jlpt.jp/about/pdf/comparison01.pdf)

 

※語学学習には勉強時間より勉強の質が関係しているからか、現在はこの規定で学習時間は書かれていません。しかし、以前は勉強時間の目安も表記されていたので、過去に表示されていた学習時間を表記しました。なお、ここにある1級、2級は、英検の級と同じようなレベルです。

 

日本語には漢字もありますし、英語より難しいと言われる言語ですが、日本語の習得時間としての一応の目安が上記のような感じになります。

つまり、日常会話ができるようになるには、最低300時間を目安にすれば良いという解釈になります。

それでは300時間と言うのは、どのくらいの時間を指すのかということを考えていきましょう。

 

語学学習の目安となる留学期間

例えば、留学やワーキングホリデーで語学学校に通った場合、週20時間の授業がスタンダードなコースになります。つまり、15週間通うと300時間の学習時間になる計算です。これで4ヶ月くらいと言ったところでしょうか。

最近は週15時間の語学コースを標準コースとする学校もありますので、そうなると、300時間をこなすのに20週間かかるので5ヶ月と言う計算になります。

ヨーロッパ言語共通参照枠のB1が中級者レベルなので、これを基準にして考えると必要な学習時間は350—400時間となります。

 

つまり、英語力ゼロからの学習の場合、最低限の日常会話レベルに到達するには語学学校に5~6ヶ月間通うのがベストな答えになると言えます。

 

もちろん、語学学校外でも言語を学ぶ環境はたくさんあると思いますし、留学中の生活においてインプットの量を考慮すれば1日の言語学習時間はさらに多くなるとも考えられます。

なので、この期間はあくまでシンプルに語学学校に通い、語学を学習した時間のみを考えて算出したものとして捉えて頂ければと思います。

あとは、この学習時間はあくまで目安なので、最低限の学習時間として捉えた方が良いでしょう。そのため、4~6ヶ月間語学学校に通ったからと言って確実に到達するものではありません。つまり、学習時間は余裕を持ったプランを立てるようにしましょう。

 

では逆に日本で語学を学んでいく場合を考えてみます。例えば、週2回(週2時間)のペースで英会話スクールに通うプランだと、かなりの時間がかかる計算になります。

もちろん、集中講座のようなコースも日本に存在しますので、1日6時間2週間毎日英語を学ぶ、なんてコースに通えば、この2週間で60時間の語学学習ができることになります。

それにしても、週に1~2回語学を勉強しているたけでは、日常会話ができるようになるのにかなりの時間がかかってしまうということが分かるかと思います。

 

3級くらいのレベルですと、あくまでも最低限の日常会話に過ぎません。きちんと話せるようになるには2級(B2)のレベルが必要になるかと思います。そうなると、2倍の600時間の時間が必要になります。 

 

こんな風に分かりやすい勉強時間で計算すると、大体1年留学すると広範囲な日常会話が問題なくなるレベルに到達できる計算が導くことができます。

やはりそれと同じ時間、日本にいる時から語学を勉強するのは結構大変というのが分かります。

上記では、留学をして語学学校で勉強した時間のみを計算した場合での計算になります。しかし、実際はその国に住んだ場合は、日常生活においてもその学習言語に触れている時間が他にもあるはずです。そういう時間も語学学習の時間と考えられるのであれば、語学力向上のスピードは違うのかもしれません。

 

→ 勉強期間をしっかりプランニングしていないと、現地に行ってから苦労することになる。

 

語学力アップは個々の性格によっても異なる

語学力アップは、人それぞれ成果が出るスピードが異なることも強調しておきます。

語学の習得レベルは、その言語にどれだけ触れたかによって変わります。特に会話力を伸ばしたいなら、どれだけコミュニケーションを積極的に取るのかが重要です。

つまり、本人の性格が語学向上には大きく関係してきます。

 

社交的で自ら積極的にコミュニケーションしていける人は伸びるスピードが速く、逆に大人しい性格でなかなか積極的に輪の中に入っていけない人は伸びるスピードが遅くなります。

 

自分の性格は自分が良く分かると思いますが、社交的なタイプは上記で示す最低限の学習時間内で到達できる可能性が高まります。一方、大人しい性格だと思っている方は、より学習時間を長めに考えておいた方が良いでしょう。

今回ご紹介したのは、勉強時間と言う目に見える数字で表した語学学習の一応の目安です。実際は語学力向上には、本人の性格、勉強方法、どれだけその言語を使用して生活をしたかも、大きく影響してきます。

個人差もあるので断言するのは難しいですが、今回ご紹介した勉強時間だけで見ると、「1年間語学学校に通い、しっかり勉強すれば広範囲の日常会話ができるようになる。」という目安にはなるのではないでしょうか。

 

 

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