安心&楽しい!イギリス中高生向け夏休み留学

皆さんはサマースクール、サマーキャンプという言葉を聞いたことがありますか?
文字を見る限りなんとなくイメージはつくと思いますが…「しっかり説明して!」と言われたら、日本人の方だときっとうまく説明できない人が多いと思います。
なぜならこの制度は日本にないものだからです。
以前私は、イギリスに住んでいた頃に、中高生の夏休み、冬休み、春休みに開催されていた短期語学留学のグループリーダーと言う仕事をしていた事があります。
そこで、このコラムでは日本では馴染みのないサマースクール、サマーキャンプができた背景や、その内容をご紹介したいと思います。
サマースクール、サマーキャンプが生まれた背景
サマースクール、サマーキャンプとは、夏休み期間中に行われる教育プログラムの事なのですが、まずはこのサマースクール、サマーキャンプがどうして生まれたのかを見ていきましょう!
背景1)大学側で長時間のお休み
実は、このサマースクール、サマーキャンプというのは、欧米(アメリカやヨーロッパ)の文化となります。
欧米(アメリカやヨーロッパ)の大学では、毎年5月末~8月末の間が夏休みとなっているので、大学生はこの約3ヶ月間もすることがなくなってしまうんですね。
また、夏休み期間は、当然大学でも授業を行いませんので、「大学に在籍している先生や大学の施設もまるまる暇」となってしまいます。
背景2)時間を有効に使いたい!というニーズ
夏休みですので、「大学が休みだ!休みを存分に楽しむぞ~!」という人も当然いると思います。
でも、世の中(社会)としてはそんなに甘くありません(笑)
企業は「3ヶ月も休みなんだから、そうした時間を有効に、有意義に使っている大学生をぜひ採用したい!」と考えます。
また、海外の大学生ほどではありませんが、海外の高校生も夏休み期間は2ヶ月前後はあります。
そのため、高校生の親御さんも「自分の遊び盛りの子どもが2ヶ月もの夏休みをただぶらぶらと遊ばせるわけにはいかない!」と考えます。
背景3)それぞれのニーズが合致!
背景1と2を踏まえて、両者のニーズがをまとめるとこんな感じになります。
そして、大学側がこう考えるのです。
つまり、親御さんや学生側でニーズがある。
そして、大学側にもそれを提供できる環境(講師、スペース、プログラム)があるので両者のニーズはピッタリ合致!
こうして欧米では、夏休み期間中に大学などが主催する教育プログラム(サマースクール、サマーキャンプ)が一般的になったのです。
サマースクールならではのメリットとは
上記のように両者のニーズが合致してスタートしたサマースクールですが、実は両者にとってサマースクールならではの様々なメリットもあったりします。
大学側のメリット
参加者側のメリット
特に、中高生の留学生となると、親御さんとしても「初めての留学大丈夫だろうか…?」というケースも多いと思いますが、上記のように学校側で手厚いサポートがありますので、安心感が強いのがサマースクールやサマーキャンプの特徴です。
また、サマースクールやサマーキャンプに参加される主な年齢層は中高生ですので、同世代の友達を作れる、交流できるというのも参加者にとってうれしいポイントだったりします。
上記のように、主催者側、参加者側にそれぞれこうした明確なメリットがありますので、今では海外の大学で多くがこうしたサマースクール、サマーキャンプを開催しているんですね。
わかりにくい用語を解説
また、上記の背景に加えて、サマースクールでわかりにくい用語についても簡単に解説しておきます。
サマースクールとサマーキャンプは同じ?
「夏休みの期間に行われる教育プログラム」という意味では同じですので、両者はほぼ同じものです。
ただ、正確には下記のような違いがあります。
そのため、小学生などが参加する夏休みの短期留学プログラムは「サマーキャンプ」と呼ばれることが多いです。
また、「言語を学問として学びましょう」というよりは、「短期間の留学体験をしましょう」というプログラムの場合には「英語を楽しみながら学びたい、体験したい」という要素が強くなりますので、こちらもサマーキャンプと呼ばれることが多いです。
実際は、そこまで厳格な区別はありませんので、プログラムの中身がほぼ同じものを比べても、プログラムの名前が「サマーキャンプ」だったり、「サマースクール」だったりすることも多いです(笑)
ギャップターム、ギャップイヤーって?
サマースクール、サマーキャンプについて調べていると「ギャップターム(Gap Term)」という言葉が出てくるかと思います。
日本では耳にしない言葉になりますので知らない人も多いと思いますが、これは「学期と学期の間」という意味にになります。
つまり、「学期と学期の間=海外の中高生や大学生の夏休み=ギャップターム(Gap Term)」という意味ですね。
また、このギャップターム(Gap Term)は、数週間や1、2ヶ月程度の短めの期間を指します。
それから、ギャップターム(Gap Term)と似たような言葉に、ギャップイヤー(Gap Year)という言葉もあります。
これは「主に高校卒業と大学入学前の間」のことで、ギャップタームとは違い 1年のような長めの空白期間の事を指します。
私が担当したサマースクールをご紹介
サマースクールと一言に言っても、期間やプログラムの中身、滞在先、渡航国、主催する機関によっても千差万別です。
もし参加する場合には、それらをしっかり比較検討した上で選んで欲しいと思いますが、今回では参考例として私が担当した「夏休み、ハリーポッターのような寮生活をしてみよう!」という企画のサマースクールをご紹介したいと思います!
サマースクールは大学が主催することもありますが、主催は現地の語学学校というケースも多いです(語学プログラムの運営という意味では、語学学校の方が得意なため)
語学学校が主催の場合には、授業部分は語学学校が提供し、滞在先については大学に依頼して大学の学生寮などを借り切って大学側が提供というイメージになります。
こういったコースでは、皆で一緒に共同生活をしながら、午前中は英語の勉強をし、午後には色々アクティビティと呼ばれる課外活動が開催されるケーズが多いですね。
また、場所は大抵ロンドンのような大都市ではなく、郊外かロンドンから1~2時間ほど離れた地方都市で開催されていることが多いです。(校外の大学の方が寮の空きを確保しやすいため)
当時私が参加したコースも、ロンドン郊外で港に近くのんびりした街でした。

→ ロンドンよりも田舎の方がのんびり過ごせる。
しかしながら、実は全寮制のサマースクールに入ると生徒はもちろん、グループリーダー(大学内の生活をサポートする学生スタッフ)も簡単には外出ができません。
というのは、全寮制の学校はかなり敷地が広いので、その周辺は何もない事が多く、外出したとしてもやることがないためです。
生徒は基本的に一人で外出禁止ですが、まったく出られないという事ではなく、週末は外でのアクティビティがあり、その時には出掛けることはできます。
けれども一人での行動は禁止されているので、こうしたお出かけの際には必ずグループリーダーと一緒に出掛けることになります。(未成年の留学ですので、親御さんとしてはこうした対応はすごく安心できると思います)
サマースクールのコース期間
中高生の夏休みコースですと大抵10日間~2週間、長くても3週間くらいのものが多いです。
また、通常授業は月曜~金曜、週末は1日エクスカーション(遠足)として遠出することが多いですね。
例えば、10日間コースの場合は月曜始まりで、次の週末の前には帰国するプランになります。
また、2週間コースですと、2回週末を楽しんでから帰国するプランが多いです。
イギリス留学の場合、通常は日本を土曜に出発し、日曜に現地入り、月曜から学校が始まります。
そして、最後日は日曜の朝に学校を出発して、日本に帰国するイメージとなります。
1日のスケジュールの流れ
また、サマースクールの1日スケジュールをざっとご紹介!
※アクティビティは色々な種類が用意しており、、1日のうち1つ、もしくは時間帯によっては2つ選択可能です。
・夕方: フリータイム(外出は禁止)
・夕方: 6時頃から食堂で夕食
・夜: フリータイム
・夜: アクティビティ
※夜のアクティビティは大抵1つ、全員合同で行うものが多いです。
寮や設備について
私が参加した夏休みコースでは学校敷地も広く、バスケットボールコート、テニスコート、敷地内には緑が広がり、かなり広い所でした。
また、構内に校舎、事務室や先生の部屋などがある建物、食堂など全て揃っており、寮は女子寮と男子寮が数棟離れたところにありましたね。
部屋は基本2~4人でシェアする形で、他国の子と一緒の部屋です。
一応希望を出すと1人部屋の対応もできるのですが、通常は留学生同士が交流しやすいシェアが一般的です。
また、サポートスタッフであるグループリーダーも女子寮内に一緒に宿泊し、困ったことや何かサポートが必要な際にはすぐに動けるような体制になっています。
部屋内にはベッドとロッカーがと洗面所があり、シャワーは時間が空いている時に皆でシェアして使います。
基本的には部屋にいることが少ないですね。
また、男子寮に行ったところ、共同スーペースにゲームもあり、中学生の子はよくゲームもしていました。
やはりゲームなどがあると、他国の子とも一緒に大いに楽しめるようです(笑)
また、男子は女子寮入館禁止、女子は男子寮入館禁止です。
ただし、グループリーダーだけはどちらの寮にも入館できます。
また、就寝時間なども決まっているので、就寝時間後は館内(部屋)からも外出禁止です。
実際の全寮制学校でしたら、もっと厳しいかもしれませんが、就寝時間後の点検や見回りなどはなく、ある程度自由と言えます。
日本からの生徒さんは真面目な子も多く、私が担当した際にはトラブルは発生しませんでした。
しかし、就寝後に起きている子や部屋を移動してしまうような子は、もしかしたら少しはいたかも知れません(苦笑)
授業内容に関して
授業は個人のレベルに合わせて、他国の学生と一緒に参加します。
クラスもレベルによって様々ですが、大抵10~15人ほどのクラスになっています。
1日3時間の授業が行われ、その時間内に1度か2度の休憩が入ります。
3時間ずっと同じクラスではなく、2つか3つクラスに分かれて授業が行われます。文法の勉強もありますし、デイスカッションのような授業もあります。
通常日本人の子はスピーキングが苦手な子が多く、さらにこれが日本語でも殆ど行われないこともあって、デイスカッション自体があまり得意でない傾向にあります。
私が参加した夏休みコースでも、実際日本人の生徒さんはかなり悪銭苦闘していました。
英語を話したいという気持ちはあっても、なかなか話せないという状況でしたね。。

→ 日本人生徒さんはデイスカッションが苦手。
午後のアクティビティ
授業後に行われる午後のアクティビティですが、その活動時間により1つ~2つほど選択することができます。
また、構内にはコンピュータールームもあるので、この時間内にPCを使う事もできます。
アクティビティは担当の先生たちも一緒に参加するので、こうしたアクティビティを通じても英語に触れたり、コミュニケーションを取ることができます。
実際、私もアクティビティの時には、他国の子達とその場での交流を楽しんでいました(笑)
ただ、他国から来た子達と深い仲に慣れるかと言うと、年の差もあるのでそこまでにたどり着くのは難しいという印象でした。
また、アート系のアクティビティでは、あまり周りと話す機会がないため、スポーツなどを一緒にする方が交流しやすいですね。
やはりアート系は黙々と自分の世界に入る内容なので、会話になり難いためです。
一方、スポーツの場合は、ゲーム中に掛け声を自然とする機会があるため、会話が生まれやすいので英語に自信がない方はスポーツ系のアクティビティー参加がオススメです。
夜のアクティビティ
夜は合同で参加するアクティビティが1つ開催されていました。
内容としてはカラオケ、ディスコ、カジノ、ゲームなど夜の遊びっぽい内容です。
日本人の子にとっては、夜のアクティビティは苦手だったようで、一応強制参加なので最初は参加するのですが、しばらくすると寮に帰ってしまう事が多かったです。
日本では子供用にこういった大人の遊びをさせることも少ない気がするのですが、欧米の子はこういう時にこそ、元気一杯に参加している子が多かったです。
その変は、文化の違いがあるのかもしれません。
また、カラオケやディスコでは、音楽が大音量でかかっているので、なかなか周りとも話ができず、語学の勉強には適しません(笑)
けれど、他国の子達が結構活発なので、交流しやすい雰囲気はありますね。
週末のアクティビティ
週末は学校全体で、大型バスで出掛けるアクティビティが企画されます。
具体的には遊園地や水族館などに行きますが、他の町に行ったり、ロンドンに行ったりもします。
この間も個人行動は一切なく、グループリーダーと一緒にグループ毎の自由行動になるので親御さんは安心です。
この週末のアクティビティは、私のサマースクールでは日本人のグループとして動いていたため、他国の生徒と交流もなく、語学の勉強という点ではちょっと残念だったかもしれません。
しかし、この時だけは唯一外に出られますし、やはり生徒さんも外出が楽しみだったようで楽しそうな様子だったのを覚えています。

→ 午後や週末は遠出するようなアクテイビテイも!
滞在中の食事に関して
イギリスの食事は不味いイメージですが、朝ご飯などはイングリッシュブレックファストなので、朝からしっかり食べることができ、内容も食べごたえは充分です。
食堂の列に並び、ある程度好きなものが選べます。昼食と夕食は2種類の中から選べる場合もあります。
基本的に寮の食事はあまり凝った料理が出ないので、子供に食べやすく、大量に作りやすい感じのパスタとか、ハンバーグなどが出ていました。
親御さんからすると、食事面で心配するかも知れませんが、意外と日本人の子たちはおいしいと食べていましたし、どちらかと言うと皆太って帰った気がします(笑)
サマースクールへの参加状況
日本からのサマースクールに参加する場合、多くの子は留学エージェントを通して来ており、空港で他の子達とはじめて合流し、そのまま一緒のグループとして活動していきます。
私のサマースクールは、他国の子も含め、各国グループでの参加になっていため、他グループの子達の輪の中に入っていくのは難しいところもあったかと思います。
ですが、一人参加ではない事とグループリーダーがいるお陰で安心して留学させられますし、何かあってもグループリーダーが面倒を見てくれることは、未成年の子どもを送り出す親御さんにとってはかなりの安心材料だと思います。
参加期間中は、子どもたちは常に守られた環境下にいるので、あまり大きな問題にはぶつかりません。
例えば、ちょっと病気になってしまったり、ケガをしてしまったり、何か失くしてしまったりと言った場合には、自分だけで解決できないこともあるので、こういったコースは安心かもしれませんね。
語学は上達するのか?
スピーキングは最初自分から話しかけたりすることがなかなか難しく、何かきっかけがないと他国の子に話しかけに行けないようでした。
また、他国の子ども達も団体で来ているので、なかなか交わることが難しいのが実情です。
そのため、他国から来ていたグループリーダーさんと一緒にフリータイム時間にできるアクティビティを考えて2つのグループで一緒にゲームをしたりしたこともあります。
また、「話さなければならない状況」にならないと話しかけにくいという事が分かり、簡単な質問用紙を用意して、他国の子に質問していくという課題を何度か出してみました。
例えば、「あなたの国で使っている通貨は何?」とか、「あなたの国では”こんにちは”は何て言うの?」という質問を、他国の子に話かけるという事を提案したりしていました。
ですが、こう言ったことは男の子よりも女の子の方が積極的で、特に中学生の男子はフリータイムや就寝前はゲームをよくしていましたね…^^;
海外留学の最初のきっかけ作りとしては良いかも!
日本人グループでのサマースクールだと、海外の友達を作るというのはちょっと難しい状況かと思います。
ですが、グループリーダーが毎日日本へレポートも送り、日本の親御さんには随時状況が分かるようにもなっているので、そう言った点では最も安心です。
また、全寮制のサマーコースは授業だけではなく、四六時中構内で多くのアクティビティが開催されており、英語に触れる機会は多いです。
親御さんにすると、変に外出などができるコースよりは、断然に安心&安全なコースとも言えます。
ただし…個人的には冒頭にあったコンセプトの「ハリーポッターのような…」という寮生活とは違い、もっと大雑把でガヤガヤ、ドタバタしている内容だった気がします(笑)
→こちらはカナダのサマーキャンプですが、同じように珍しい大学内の寮滞在でベストシーズンのカナダを楽しめ、費用もイギリスよりも安価なのでオススメです。