先輩留学生の語学学校の平均通学期間はどのくらい?
語学学校にどのくらい通うべきか迷ってる人は多いのではないでしょうか?
考えた挙句、周囲と同じくらい勉強すれば良いと簡単に考えてしまう方もいます。
平均的な勉強時間で、本当に英語ができるようになるのでしょうか?
今回はオーストラリアのビザルールを例にして説明します。
オーストラリアに滞在するためには、ビザの申請および取得が義務付けられています。他国ではビザが無くともパスポートだけで滞在できるケースもあります。これはビザ免除を意味しています。原則外国に滞在するにはビザが必要とご理解ください。
オーストラリアに入国及び滞在する方法としては、主に3つのビザが選択肢となります。(他国でも概ねビザのルールは似ています。)
12週まで滞在が可能。アルバイトは禁止。日本で学生の方などが、夏休み・春休みなどを利用した短期留学は、観光ビザが主流です。
1年の滞在が可能です。学校に通える期間は最大17週まで。学校に行かないという選択肢も可能です。
中長期で学校に通いたい場合は、学生ビザの申請が必要です。オーストラリアの学生ビザの魅力は、週20時間(正確には2週間で40時間)までのアルバイトが認められています。
学習期間はビザの種類によって異なる
以上のことを踏まえて、平均的にどの程度語学学校に通っているのでしょうか。
留学ドットコムのお客様をビザ別に調べてみました。2017年度にオーストラリアの語学学校の平均お申込期間は、以下の通りです。
ワーキングホリデービザ: 15週間程度
学生ビザ: 35週間程度
2カ国留学の方: 合計20~30週間
オーストラリアにワーキングホリデービザで渡航・滞在している方の中には、2カ国留学をする方もいます。その中には、「フィリピンで語学学校に行き、オーストラリアでは語学学校には行っていない」というケースもあります。
また、ワーキングホリデービザでは17週までしか学校に行けないため、フィリピンの語学学校に20~25週間程度通ってからオーストラリアに渡航する方もいます。フィリピンとオーストラリアの両方で、合計20~30週間です。
ちなみに、日常会話がそれなりのレベルになるために必要な期間についての記事も書いてますので、以下の記事もご覧ください。
【参考記事】
日常会話レベルって、どのくらいのレベル?どのくらいの期間勉強すれば良いのか検証
費用と時間を節約して、効率的に英語力を伸ばすことを期待している方は、フィリピン留学してから欧米留学する「2カ国留学」を選択するのが賢い方法です。
観光ビザで渡航し、語学学校に通う方の共通する特徴もあります。それは、今後のワーキングホリデーや学生ビザの前の「お試し」であるケース。1カ月(4週間)程度のお試し留学ということもあり、英語力アップに大きな期待することは難しいと言えます。
しかしながら、4週間程度の滞在だったとしても、これを機に英語への学習動機が増え、次回の留学に繋がる方が多いようです。
ワーホリビザと学生ビザは、半年~1年間の長期留学になります。
半年~1年間の期間を海外生活していたら、それなりに英語力は伸びると思う方も多いのではないでしょうか!?
留学経験者から言わせると、かなりの幻想が含まれてます。やっぱり勉強しないと、それなりにはなりません。
ワーホリの場合は、語学学校に通う期間は人それぞれです。勉強を重視するワーホリは、語学学校に通う期間も長く、より英語力を伸ばす傾向にあります。一方、語学学校に1カ月や2カ月通う程度の方は、英語力アップには苦労する方が多くなります。
留学経験無しから1年滞在で英語力はどうなる?
学校によって多少表現が違うこともありますが、オーストラリアを含めた世界中の語学学校では、英語レベルを下記のような言葉で6~7つのレベルに区分けします。(最終レベルの「Proficient」は、語学学校によってはレベル設定が無いケースもあります。)
レベルだけでは想像つかないと思いますので、様々な語学学校の点数換算を参考にして、TOEICのスコアと関連付けて換算表を作りました。
以下は簡単な目安であり、厳密に正確な関係を示すものではありません。実際の英語力とは、かなり開きのある場合もあるため、参考程度にご覧ください。
英語レベル | TOEICスコア |
Beginner(初心者レベル) | 0-300 |
Elementary(初級レベル) | 301-400 |
Pre Intermediate(準中級レベル) | 401-500 |
Intermediate(中級レベル) | 501-600 |
Upper Intermediate(中上級レベル) | 601-725 |
Advanced(上級レベル) | 726-850 |
Proficient(熟練レベル) | 851-990 |
高校卒業後に英語学習に無縁の生活だった方の場合、7~8割の方々の留学直後の英語力は、「Elementary」から「Pre Intermediate」レベルであることが一般的です。なお、中学1年生の簡単な英語も怪しい方は、「Beginner」レベルのケースもあります。
日本人留学生の多くは、「Elementary」または「Pre Intermediate」レベルと判定されるケースが多いため、どうしても日本人の割合が多いクラスになってしまうのです。
TOEICを運営している団体から発表されている統計にも「留学経験のない日本人30万人の平均点は440点程度」とあります。
社会人のTOEIC受験者の平均点は550~600点程度ですが、大学生の平均点は450点前後になります。社会人でTOEIC受験する方は、限られた人しか受験していません。つまり、会社などで必要に迫られて受験する方が中心であるため、大学生よりもスコアが高くなります。
英語に無縁の生活を送っている人の英語力は、TOEIC400点台が一般的と言えます。
簡単な区分けをすると、以下のようになります。
中高の学生時代に英語が得意ではなかった人: Elementary
大学受験でしっかり英語も取り組んだ人: Pre Intermediate
渡航直後にも関わらず、語学学校のレベル分け試験で「Intermediate」以上と判断される方は、平均的な方よりもかなり英語の学習をしてきた人です。全体から言えば少数派で、英文科や国際学科の方や、日本でコツコツ勉強してきた人に限られます。
TOEIC300台や400点台で、語学学校に平均的期間通った場合を紹介していきます。
ワーホリ1年滞在で語学学校に15週間通った場合
渡航直後の英語力が「Elementary」であれば、学校15週が終わる頃に「Pre Intermediate」になっているケースが一般的です。
ワーホリの場合、語学学校卒業後も残り35週間(約8カ月間)残ってる中で、コツコツ自主学習を行って、「Intermediate」に到達するくらいが平均値です。これは残りのワーホリ生活の中で、英語で積極的にコミュニケーションを取り続け、机上の自習も平行して行う条件付きです。
一般的なワーホリ生活での最終到達ラインは、TOEIC500~600点台に落ち着くと言えます!
ワーホリの方は、学校に通っている時から放課後にアルバイトする方もいます。そうなれば、予習や復習の時間も減ります。
滞在先は日本人同士での生活、アルバイト先も日本語を使う職場、お友達との会話も日本語の方は要注意です。1年間のワーホリ生活が終わっても、語学学校卒業時とさほど変わらず、「Pre Intermediate」レベル(TOEIC400点台)で帰国する人も珍しくありません。
留学時のスタート地点が「Pre Intermediate」で、しっかり学校外でも予習や復習をして、残りの8カ月間の生活でも自主学習を続けていけば、1年のワーホリ滞在で「Upper Intermediate」レベル(TOEIC600点台)も見えてくる人もいます。
日本帰国後に留学した成果として、堂々と履歴書に書けるTOEICスコアは、700点以上だと思ってください。
つまり、多くの方は平均的な学習期間では足りないことは明白です。留学ドットコムは帰国後の就職サポートも行ってますが、英語を使用する求人件数は常時数百件あります。企業側が求める英語力は、TOEIC700点以下では足りないことを予め知っておきましょう!
帰国後に英語を使う企業で就職を考えてる方は、平均的なワーホリ生活では未来が無いと思った方が良いでしょう。
キャリアアップを考えてワーホリする方は、根本的な留学プランの見直しが必要です。
学生ビザで学校に35週通い1年ほど滞在した場合
学生ビザでの平均学習期間は、35週間(約9カ月間)となります。
語学学校に平均的な期間通った場合、スタート地点が「Elementary」であれば、1年弱の滞在で「Upper Intermediate」を終了するくらいが平均的な到達地点です。スタート地点が「Pre Intermediate」であれば、「Advanced」も見えてくるかもしれません。
学生ビザの場合は、最低600点台、頑張れば800点到達も視野に入ります。
基本的に700点前後に到達するイメージを持っていれば良いでしょう。それなりに真面目に勉強していれば、700点前後くらいは行けると思います。
補足しておきますが、1年弱の期間での800点越えの到達は、相当英語センスがある方、元々自頭が良い方にのみ見られるケースであり、頑張れば誰でも到達できるレベルだと思わない方が良いと思います。過度な期待は禁物です!
特に注意して頂きたいのは、「Upper Intermediate」や「Advanced」など上級レベルほど難易度も上がるため、英語力は伸び難くなって行きます。
平均的な語学学校の期間では足りない!
ワーホリであれ、学生ビザであれ、海外留学を1年間して帰って来たなら、社会は「TOEIC700点は当然!」という目線で見て来ることを肝に銘じましょう。
厳しい言い方をするなら、1年の留学でTOEIC700点を越えられないことは、「留学が失敗した」と捉えても良いでしょう。
TOEICの受験すらしていないのはナンセンス。帰国後の就職活動で、留学のアピールをする方もいますが、TOEICの点数が無い履歴書は相手にされませんので、良く理解しておいて欲しいと思います。
留学して来たことをアピールするなら、TOEICのスコアは持っていないとダメなのです。
英語力の伸び具合の目安
スタート時点の英語力 | 平気的なワーホリの場合 学校15週間 + 自主学習 | 学生ビザで1年滞在 学校35週間 |
Elementary (TOEIC 300-400) | Intermediate (TOEIC 501-600) | Upper Intermediate (TOEIC 601-725) |
Pre Intermediate (TOEIC 401-500) | Upper Intermediate (TOEIC 601-725) | Advanced (TOEIC 726-850) |
我々が見て来た留学生の過去の事例を紐解くと、7~8割の人は上記のような伸び具合になります。
TOEICを運営している団体によると、1年間の英語圏滞在経験がある人のTOEIC平均点は660点程度とのことです。
以外に点数が低いと感じた方もいらっしゃるかも知れません。ただ、その中には勉強する人もいれば、さほど勉強してない人も含まれます。ワーホリで1カ月学校通った程度の人もいれば、学生ビザで1年みっちり勉強した人も含まれての平均点です。
もちろん2割程度の例外はあります。その2割の人は、平均的な人より伸びが速い人もいます。その逆、つまり期待したほど英語が伸びていない人もいます。
2割の例外に関してですが、個人的な人間性や皆さんの学生時代のお話を聞いてると、平気的な人なのか例外的な人なのかも見えてきます。
つまり、留学カウンセラーは皆さんの「現在の英語力」と「留学プラン」をお聞きしたら、留学後の結果がうっすらと見えているのです!
平均的な学習期間では、時間が足りないと言えるでしょう。自分の現在の英語力を知り、本当に平均的な学習期間で良いのか、それとも足りないのか、冷静に判断してくださいね。
下手したら、この留学で皆さんの人生が左右することにもなるのですから…。
今現在の英語力を測ることの重要性
ビザの種類に関係なく、英語力にフォーカスした海外留学をお考えならば、留学カウンセラーとしてやはり「TOEICなど英語試験を受ける」ことをおすすめ致します。
また、語学学校でも渡航前のプレースメントテスト(英語力判定試験)は「無料」で行っています。
お気軽に留学ドットコムにご連絡ください。
プレースメントテストは公式の英語資格ではありませんが、渡航前にご自身の英語力を知ることは、語学学習における大事な一歩だと私は思います。また、現時点での英語力が分かることで、1年後の英語力を想像する良い機会です。
厳しいことを言えば、自分の英語力を渡航後の語学学校初日で自覚する人は、大事な一歩を踏み出すのが遅い人とも言えるでしょう。
実際にシドニーオフィスでは、語学学校の初日終了後にオリエンテーションをしていますが、「周りが何を言っているかわからない。クラスを変えてほしい。」と困惑している姿を見ることは珍しくありません。
留学前にできることもありますから、早い段階で自分の身の程を知っておくことは大事なことなのです。
「語学学校に通って本当に英語が伸びるのだろうか?」と不安になる気持ちは分かります。
断言しますが、語学学校に通って一生懸命勉強して、英語圏で英語環境の生活をすれば、必ず英語力は伸びます。安心してください。しかし、どれだけ伸びるかは、どんなプランを組むかによって変わりますし、人によっても違います。
我々、留学カウンセラーは預言者や占い師ではありませんが、大半の人の英語力の伸びは、過去の例からほぼ予測できるといって過言ではありません。
せっかくの留学費用を無駄にしないためにも、良い準備と計画をしてください。