引きこもりでも大丈夫?ワーホリ失敗の本当の意味とは

「ワーホリに行きたい!でも、失敗したらどうしよう?」
そんな声を聞くことは少なくありません。
実際にワーホリ経験者同士が集まると例をあげて「ワーホリの失敗・成功」の話題になることもしばしば。
しかし、ワーホリに失敗や成功は本当にあるのでしょうか?
個人的には、海外に一年行くだけの話で失敗なんて無いんじゃないかなぁ…と感じます。
とは言え「ワーホリの失敗例」とされることがあるのは事実ですし、多くの人が渡航前には「絶対成功させよう!」と思っているはず。
そこで今回は、「そもそもワーホリにおける失敗や成功ってなんだろう?」を少し掘り下げて考えて見るとともに、「成功させるためにはどうしたら良いのか?」という点を考察していきます。
ワーホリの失敗例って、誰が決めてるの?
まずは、「そもそも」という点を考えてみましょう。
そもそも、誰かのワーホリが「成功したのか失敗に終わったのか」をいったい誰が決めているのでしょう?
結論からいうと、それは「世間」ではないでしょうか?
例えば「ワーホリ 成功 失敗」というキーワードで検索してみると、たくさんのページが見つかります。
そして、そのほとんどがこんな風にワーホリの成功や失敗を定義していることに気づきます。
よくある成功ワーホリの定義
・明確な目標に向かって頑張る
・現地の人脈をたくさん作る
・好奇心を持って積極的に動く
・外に出て働く
よくある失敗ワーホリの定義
・目標を持たない
・英語が話せないまま終わる
・日本人とばかりつるむ
・家に引きこもりがちで終わる
・お金がなくなって節約生活する
これらが、世間=世の中が思うワーホリの成功&失敗です。
…でもこれじゃあ、まるでワーホリが「明るく、積極的で、コミュ力が高くて、目標を持っている人」だけが許されているように感じませんか?
ここで、改めてよくよく考えてみてください。
ワーキングホリデーとは、あくまでもただのツール(手段)です。
そして、そのツール(手段)は、条件さえ満たしていれば誰でも利用することができる若者へ開かれた制度の一つに過ぎません。
ワーキングホリデー利用の条件には、「性格の明るさ」や「積極性」、「目標」などといった個人のパーソナリティを表す項目はどこにもありませんよね?
また、国同士が定めるワーキングホリデーという制度の定義(出典:外務省)も見てみましょう。
ワーキング・ホリデー制度とは、二国・地域間の取決め等に基づき、各々の国・地域が、相手国・地域の青少年に対し、休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度。
各々の国・地域が、その文化や一般的な生活様式を理解する機会を相手国・地域の青少年に対して提供し、二国・地域間の相互理解を深めることを趣旨とする。
そう。つまりワーホリって基本的には「休暇」なんですよね。
もちろん海外に長期留学ができて、就労もできるビザというのは非常に珍しいです。
なので、ワーホリを語学学習のために活用するのは自由ですし、本格的な海外移住へのステップアップとしても使うのも有効な手段である事も事実です。
でも、だからといって「英語力が伸びなきゃ失敗」とか「日本人とばかり居るなんてもったいない」とか、そういった成功・失敗をガチガチに定義してしまう方がよっぽどもったいないと私は感じます。
世間が勝手に作り上げた失敗例・成功例のモノサシは、必ずしも自分に当てはめなければいけないものではないんです。
「あの人はせっかくワーホリに行ったのに、失敗しちゃったね」なんて、他人の経験を勝手にジャッジする方がよっぽどナンセンス。
むしろ、ワーホリは「日本の生活に疲れてしまったから、環境を変えたい…」、「友だち作りは苦手だけど、海外生活は一度してみたい」という人も気軽に使える海外移住のツールであって欲しいとわたしは思います。
【体験談】わたしのワーホリは失敗例?
さて、ここで少しわたしの話をさせてください。
わたしがワーホリでカナダに行ったのは25才くらいの頃。選んだのはカナダの中でもフランス語圏であるモントリオールでした。
幸い高校時代の留学のおかげで英語力は大きな問題はなかったため、ワーホリの目的自体も語学習得目的ではありませんでした。
当時勤めていた英会話教室を辞めるタイミングで、「また海外に出たいなぁ」と思ったことがワーホリのきっかけです。
ちなみにカナダという国だけでなく、滞在都市のモントリオールを選んだのも、直感だけ。
当時私はフランス語に興味があった訳でも、文化的に惹かれたわけでもありません。
ですので、わたしは今の世間で言う「目標のないワーホリ」へ行ったのです。
「また海外に出たいなぁ」という気持ちや、国や都市も直感だけに頼って決めたワーホリですので、出発の時点で世間的な定義に当てはめれば、立派な失敗例だったと思います(笑)
しかも、私は実際カナダのモントリオールに渡航してからも最初の一ヶ月はしっかりと引きこもりました。
ルームシェアをしていたので友だちがゼロということもありませんでしたが…仕事に疲れ果てていた事もあって、日がな一日絵を描いたりDVDを観たりという生活をしてました。
そして、一ヶ月もそんな生活をしていると、さすがに人間飽きてくるもので…私はそこで仕事を探す事にします。
また、モントリオールまで行って見つけた仕事も、日本人観光客を相手にする日系旅行会社でのガイドという仕事です。
当然英語を使う機会はゼロですし、仕事場には日本人しかいません。(しかし、想像以上に仕事が厳しかったので、自由に遊ぶ時間もそれほどなかったですが…)
→こちらはその時の体験記事です。
また、ルームメイトと教会へ通うことはあったものの、パーティーなどは苦手なのでそういった集まりは断ることの方が多かったです。
まとめると、わたしのワーホリ生活は「日本人と働き、語学勉強はせず、現地の人脈作りも頑張らなかった」となります(笑)
しかし、わたしは自分のこのワーホリ経験を「失敗例」なんて、1ミリも思っていません。
むしろ、「行って良かった」という気持ちしかありません。
渡航して最初の一ヶ月の引きこもり期間も、わたしにとっては必要な時間でした。
日系企業でのガイド勤務は、厳しくも楽しい時間で、とても大きな経験となりました。
また、モントリオール現地の人たちとも、日本とそう変わらない感覚で無理なく付き合うことも出来ました。
わたしはワーホリに失敗も成功もないと考えますが、何かしら「人生に変化を与えたい」と感じるのがきっかけの要素ということは、多くの人の共通点ではないでしょうか?
人生に刺激を与えたり自分に変化を起こしたりしたい時、「決意」よりも確実な方法が、「住む場所を変える」ことです。
特に国を超えて住む場所を変えると、当然ですが付き合う人が変わります。
そして、活動する生活リズムにも変化が起きます。
「付き合う人」や「生活リズム」が、人生にとって大きな変化をもたらしてくれることは、みなさんご存知のとおりですね。
そして、住む場所を変えると、必然的にこのふたつの変化が伴ってきます!
あなたが特別積極的な性格である必要も、無理に高い目標を作る必要もありません。
そういった世間の目を気にして成功や失敗を考えるよりも、もしあなたが「行ってみたい!」と思うならば、ぜひご自分の気持ちを最優先させてあげてください。

→ 自分の生活に変化を与えるために「ワーホリ」は最適な手段です!
ワーホリを成功させるためにしたい、たった3つのこと
ここからは、具体的に「ワーホリに行きたいけど自信がない」というあなたのために、「成功ワーホリ」にするための3つのポイントをお伝えします。
1)失敗例・成功例をネット検索しない
第一は、「失敗例・成功例をネット検索しない」こと!
先ほど記述したとおり、WEB上に溢れる多くの「ワーホリ失敗例・成功例」は大してアテになりません。
それどころか、偏った視点での失敗例・成功例にとらわれてしまうので、そもそも最初から検索しないのがベスト。
どうしても気になって検索してしまった場合にも、「ふーん、こういう考えもあるんだな」程度に留めておきましょう。
2)行きたい理由は自分で決める
二つ目のポイントは、「行きたい理由は自分で決める」です。
これは1つ目のポイント「ネットでワーホリ失敗例・成功例を検索しない」という所にも関係してきます。
インターネットで情報を集めると、ほぼ100%「ワーホリは目的をしっかり持たないと失敗する!」なんて情報を目にします。
そうすると、ワーホリチャレンジする事が不安になったり、目標を持たないとダメなんだ!という気持ちが大きくなります。
そうした気持ちが大きくなりすぎると「本当は行きたいけど…自分は頑張ってチャレンジできないかもしれないし、目標もないからやめておいた方が良いかな。。」という事にもなりがちです。
でも思い出してください、ワーホリは基本的に休暇です。
ワーホリをするのに、必ずしも全員がしっかりした目的を持つ必要はないのです。
「なんとなく海外生活してみたい」、「日本で引きこもってるのにも飽きたから、海外で引きこもりたい」なんてことでも私は全然OKだと思います。
ワーホリに行きたい理由を決めるのは、世間や他人(友人や家族)ではなく、あなた自身です!!
休暇であるワーホリには、あなた自身の好きな理由で行っちゃってください!
3)無理な自分を作り上げないこと
第三のポイントは、「無理な自分をつくり上げない」ことです。
「ワーホリの失敗例・成功例」でよくあるアドバイスの一つに「現地の人と積極的に交流しましょう」というものがあります。
これはワーキングホリデーのそもそもの目的(若者間の交流)でもあるので、決して悪いことではありません。
でも、大前提として「日本であろうと海外であろうと、自分が心地よく過ごせる人付き合いの距離」というのは個人のパーソナリティの根幹に関わる部分なので、仮に住む場所が海外となっても大きくは変わりません。
あなたも無理にその距離感を崩してまで、「現地の人」や「積極的な交流」にこだわる必要は全然ありません。
例えばワーホリ先でバイトをしたとして、休日にはひとりで過ごしたいならひとりで過ごしましょう。
パーティーが苦手なら、パーティーの誘いは思い切って断りましょう。
もちろん、経験のためや試しに参加してみるのはすばらしいチャレンジだと思いますが、無理に毎回参加しなくたって良いんです。
さらに、現地で知り合う日本人との付き合いは、ワーホリ中のストレスも緩和してくれますし、帰国後の不安や悩みを語り合える大切な存在になってくれるもの。
「日本人同士でつるむなんて…」と思わずに、海外で知り合った日本人とも大事なご縁のひとつとして大いに楽しんでみてください。
自分に無理のないペースを保つことが、ストレスなくワーホリ生活をするコツです。
余計なストレスがなければ、きっとあなたも自分に興味のあることややりたいことに対して、自然と無理せず集中できると思いますよ。
「留学」と「ワーホリ」は違う!留学なら失敗もありえる
驚くことにワーホリの話になると、失敗や成功どころか「負け組」という言葉を使われることもあります。
「あなたは日本食レストランでしか働かなかったんだね」、「海外でできた友達って、日本人ばっかなんだね」といった負け組認定です。
こうした考え自体私はとてもバカバカしいと思うのですが…こうした事を指摘する人たちは、どうやら「ワーホリ=留学」と考えているようです。
私は「ワーホリは単なる休暇制度のツール(手段)に過ぎない。そうした休暇を過ごすのには、何か目標や目的といったものががなくても全然問題ない」と考えています。
でも、あなたがもしワーホリではなく「留学」を考えていたり、「勉強目的のワーホリ」をしたいのであれば、しっかりとした目標を立てることをオススメします。
なぜなら「留学」や「勉強目的のワーホリ」であれば、あなたが学びたかった、身につけたかった成果を得られるかどうかで「成功 or 失敗」がどうしても出てくるからです。
例えば、もしあなたが「オーストラリアの大学を卒業するぞ!」と留学したのであれば、留学結果として「大学を卒業できなかった」となってしまえばこれは失敗です。
同じように、もしあなたが「ワーホリ中に最低TOEIC 700を絶対に身につける」と勉強目的のワーホリをしたのにも関わらず、その結果として「目標スコアに届かなかった」となればこれも失敗と言えます。
→勉強目的のワーホリを考えている人は、プランや目標も大事にしていきましょう。
語学力というのは、目に見えないですが人生において大事な資産のひとつです。
もし、あなたが勉強目的のワーホリを考えるならば、TOEICや英検といった何かしらの英語の実力を対外的に示せるような目標を定めましょう。
ですが、このコラムで私が一番お伝えしたいことは、ワーホリとは本来「休暇を楽しむため」のビザです。
勉強も出来るし仕事もできる自由さを持っていますが、マストではないのです。
その辺りの違いすら分かっていない人に「ワーホリの負け組!」なんて言われても気にするだけムダです。
他人の評価は気にせず楽しむ!
これはワーホリの極意だと思います。
【まとめ】 もっと多くの人が気軽に海外へ行けるように!
ワーホリには積極的な性格も明確な目標も必須ではないということをお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?
一方、もちろん明確な目標を持って不慣れな海外で精力的にがんばってみることもすばらしいことです。
多くの人が気軽に海外に行ける時代で、ワーホリはその中でももっとも手軽な長期滞在の手段のひとつです。
もしもあなたが「引っ込み思案だから失敗しそう…」などと悩んでいるなら、それはすごくもったいないと思います!
どうか性格や目標の有無などにとらわれず、あなたもぜひ「チャレンジしたい!」という気持ちを大切にして欲しいと思います。