ニュージーランドのワーキングホリデー(ワーホリ)は、30歳までに申請でき、1年間、働くことも学校に通うことも旅をすることもできるビザです。申請できるのは一生に一度だけ。だからこそ、どう使うかで1年の中身が大きく変わります。
この記事では、ニュージーランドでワーホリをした先輩2人の体験を紹介します。英語がほぼゼロの状態から渡った元看護師のちなさんと、30歳の誕生日を目前に、友達と2人で南島をめぐった先輩です。ビザの条件と、申請で気をつけたいことも、最新の公式情報で確かめてまとめました。
この記事の要点
- ニュージーランドのワーホリは18〜30歳で申請でき、滞在は最長12か月。学校に通えるのは合計6か月までです
- ちなさんは英語ゼロ(TOEIC 320点)から、語学学校半年でIELTS 5.5。その後、日本人のほとんどいない国立公園のバックパッカーで働きました
- もう1人の先輩は、交換ホームステイ、住み込みのオーペア、羊の農場、観光案内と、住み込みの仕事でお金を使わずに1年を過ごしました
- 仕事探しは、断られてもあきらめずに、自分からアプローチし続けることが大切です
ニュージーランドでワーホリをした先輩2人
| 先輩 | ワーホリの中身 |
|---|---|
| ちなさん | 日本で看護師を2年半。海外の医療を学びたくて、2018年にビザを申請。英語はほぼゼロ(出発前のTOEICは320点)。語学学校に半年通ってIELTS 5.5、その後、国立公園の中にあるバックパッカーの受付で働いた |
| 30歳目前の先輩 | これまで何度かニュージーランドに留学した経験があり、将来ニュージーランドで働く夢を持つ友達と2人でワーホリへ。南島のダニーデンを拠点に、交換ホームステイ、住み込みのオーペア、羊の農場、観光案内を経験(2016年) |
ニュージーランドのワーホリビザの条件
ワーホリは、自由に1年を過ごしてよいビザです。働いても、語学学校で勉強しても、ずっと旅をしてもかまいません。ニュージーランドで3か月を超えて学校に通う人は学生ビザが一般的ですが、学生ビザでは働ける時間に制限があります。自由に働いて、学んで、旅をしたい人にはワーホリが向いています。
| 項目 | 日本人向けのワーホリビザの条件 |
|---|---|
| 年齢 | 申請するときに18〜30歳 |
| 滞在 | 最長12か月。ビザが出てから12か月以内に入国 |
| 学校 | 勉強や研修は合計6か月まで |
| 仕事 | 正社員の仕事でなければ、合法な仕事に就ける。仕事が決まっていなくても申請できる |
| 資金 | 生活費として NZ$4,200 以上と、帰りの航空券のお金 |
| 費用 | NZ$770 から |
| 健康 | 申請時の健康の質問によって、胸部X線や健康診断の提出を求められる。提出する結果は3か月以内のもの |
| 回数 | 一生に一度だけ。使わなかった場合も、もう申請できない |
Immigration New Zealand の公式サイトで2026年10月に確認しました。費用や条件は変わるので、申請する前に必ず最新の情報を確かめてください。
ちなさん 英語ゼロからのビザ申請
ちなさんがワーホリを知ったきっかけは、海外の医療現場を学びたいと思ったことでした。英語は中学生以下のレベルで、文法が分からないので読めない、書けない、聞き取れない。話すのも「I ate breakfast.」のような短い文さえたどたどしい状態です。英会話の体験レッスンやオンライン英会話にも挑戦しましたが、楽しくなくて続かず、「仕事をしながら日本で英語を勉強するのは無理」と、英語初心者のまま出発を決めました。
2018年、ビザを申請しようと移民局のサイトを開くと、すべて英語で何をすればいいか分からない。日本語で手順を説明したサイトもありますが、情報が古いこともあります。英語に自信がない人は、留学エージェントに手伝ってもらうのが早道です。ちなさんは出発の半年前に申請しました。
健康診断の予約は先に
ちなさんのときは、申請の情報を入力してから15日以内に、移民局が指定する病院で胸部のレントゲンを受ける必要がありました。指定病院は少なく、大阪では1か所だけ、しかも曜日も限られていました。保険がきかないので、費用もかかります。ちなさんは「病院の予約の空きと自分の予定を先に確かめてから、申請の入力を始めて」とすすめています。今の条件は上の表のとおりなので、健康診断が必要かどうかは申請のときの案内に従ってください。
当時、ビザが出たという通知はメールで1週間ほどで届きました。ビザといっても特別な証明書ではなく、A4で5枚ほどの書類です。入国のときの証明になるので、印刷して持っていきましょう。
ちなさん 語学学校半年で、IELTS 5.5
ニュージーランドに着いたちなさんは、語学学校に半年通いました。ワーホリで学校に通える上限いっぱいの期間です。半年の終わりにIELTSを受けて、総合で5.5。「英語初心者でも、半年がんばれば日常生活に困らないくらいにはなれる」という手応えをつかみました。
学校を卒業した後は、国立公園の中にあるバックパッカーの受付で働きました。日本人のスタッフはおらず、日本人のお客さんも1週間に1〜3人ほどという、完全に英語の環境です。

日本のパスポートは信頼されていて、多くの国にビザなしで行けます。ワーホリで行ける国が限られ、旅行にも厳しい条件がある国の友達に「日本人のあなたが本当にうらやましい」と言われたことがあります。30歳までしか使えないワーホリは、本当に貴重な権利です。
ちなさん(元看護師・ニュージーランドでワーホリ)
30歳目前の先輩 住み込みの仕事で1年を過ごす
もう1人の先輩がワーホリに出たのは、30歳の誕生日を目前にしたときでした。先輩は何度か留学した経験があり、最低限の英会話はできましたが、一緒に行った友達は初めての海外で、英語も海外の暮らしも初めて。そこで、土地勘のある南島のダニーデンを拠点にし、できるだけ現地の会社や農場で英語を使って働くことを目標にしました。
どの仕事も賃金は安めでしたが、住み込みの仕事が多くお金を使う場面が少なかったので、旅行に行けるくらいのお小遣いは十分にたまりました。新しい仕事に移るときも、友達と情報を分け合えたので、不安にならずに楽しめたといいます。
一方で、限られた予算の中で次の働き先を探し続けるのは大変でした。現地の友人からも情報をもらいましたが、英語力や時期の問題で断られたこともあります。お金を節約したい人は、日本人の雇い主の短期の仕事から始めて、慣れたら現地のサイトで応募する方法もあります。
30歳目前の先輩 車中泊で南島をめぐる
いちばん楽しかったのは、節約のための車中泊の旅でした。レンタカーを借り、ダニーデンでパンとチーズを買い込んで、約10日間で南島の観光地をめぐりました。
秋の終わりで、夜の車内はかなり冷え込みました。最初の夜は、予定していた町に良い駐車場が見つからず先へ進むうちに日が暮れ、街灯もトイレもない真っ暗な道を1時間ほど走った末に、マウントクックのふもとに車を停めました。さえぎるもののない平原で見上げた満天の星と天の川は、今も忘れられないそうです。
車が故障した旅行者を山の中で助けたり、ヒッチハイクの人を手伝ったりと、楽しい出会いもたくさんありました。ただ、日本のような道の駅はなく、女性2人が安心して夜を過ごせる場所を探すのは大変なこともありました。入場料のかかる場所は外から眺めるだけ、寒くなってくると温かいフィッシュアンドチップスが恋しくなる、ぎりぎりの予算の旅でした。
30歳目前の先輩 語学学校と、英語の伸ばし方
語学学校は3か月ほど通う予定でしたが、授業料が高く、資金を節約するために1か月(5週間)だけにしました。通ったのは、建物が新しくなったばかりのオタゴ大学の付属語学学校です。先輩は大学進学を目指すクラスやビジネスに使えそうな授業を選び、英語がまったくできない友達は初級のコースで生活に必要な英語を学びました。金曜の午後にはいろいろなアクティビティーもありました。残りの期間は、現地の友人に無料でレッスンをしてもらったそうです。
- 友達を手伝いすぎない:先輩は、友達ができるだけたくさん英語を使えるように、あえて英語を手伝いませんでした。最初は簡単な会話も聞き取れなかった友達も、3か月を過ぎるころには、自分で予約をしたり買い物をしたりできるようになりました
- 英語に触れる時間を増やす:2人でいるとつい日本語になるので、テレビを見たり大学の図書館に行ったりして、英語に触れる時間を長くしました
- 片言でも話し続ける:現地の人は粘り強く聞き取ろうとしてくれます。最初の乗馬体験では、英語の指示が分からず馬が思うように動かなかったものの、3時間集中して聞くうちに理解でき、景色を楽しめるようになったそうです
先輩たちから、これからワーホリに行く人へ
先輩は、最初から現地の雇い主のもとで働くのが英語力の面で難しければ、交換ホームステイや旅、語学学校から始めて土地勘をつかみ、それから仕事を探すのが効率的だと話しています。ニュージーランドのワーホリでかかるお金は「ニュージーランドのワーホリ費用の目安」、仕事の探し方は「仕事の探し方と履歴書の書き方」で紹介しています。
ニュージーランドのワーホリ よくある質問
ニュージーランドのワーホリは何歳まで申請できますか?
申請するときに18〜30歳であれば申請できます。申請できるのは一生に一度だけで、ビザが出たのに使わなかった場合も、もう申請できません。
ワーホリで語学学校に何か月通えますか?
勉強や研修は合計6か月までです。この記事のちなさんは上限いっぱいの半年通い、もう1人の先輩は費用を抑えるために5週間にして、残りは現地の友人にレッスンをしてもらいました。
英語ができなくても、ニュージーランドでワーホリはできますか?
できます。ちなさんは英語がほぼゼロの状態で渡り、語学学校の半年でIELTS 5.5を取りました。ビザの申請は英語なので、自信がない人は留学エージェントに手伝ってもらうと安心です。
ワーホリの申請に健康診断は必要ですか?
申請のときの健康の質問によって、胸部X線や健康診断を求められることがあります。必要な場合は、移民局が認めた医師の検査を受け、3か月以内の結果を出します。指定の病院は少ないので、予約の状況を早めに確かめておきましょう。
この記事は、ちなさんの体験(2018〜2020年)と、ニュージーランド留学ドットコムに寄せられた体験記(2016年)をもとにまとめました。ビザの条件は2026年10月に Immigration New Zealand の公式サイトで確認しました。
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