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【乳児、幼児の英語教育】英語はいつから、何歳から勉強するのが効果的か?

公開:2018/11/22 著者:中山 大輔 6736 Views

2021年(2020年度)から小学校での英語教育が大きく変わり、なんと満9歳(小学3年)から英語を勉強しなければいけない時が少しずつ迫ってきています。

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【2020年 小学校での英語教育とは】大きく変わる小学校での英語教育改革まとめ

 

また、小中高の英語教育だけではなく、大学入試の英語試験でも大きな変革が同じ2021年に行われます。

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【2020年 大学入試共通テストとは】TOEICスコアが有利じゃなくなる!?~今後の転職、就職、就活の英語対策~

 

→ 英語教育業界が大きく変わる節目の2021年

 

そうした大きな転換点に向けて、おそらく一番焦っているのは…小さな息子さんや娘さん達ご本人ではなく、親御さんではないでしょうか?

「自分は英語しゃべれないから、子供には英語の苦労をさせたくない!」という親心はどうしてもあると思います。

英会話教室に通わせたり、良さそうな英語教材を買ってみたり、そして留学も検討してみたり…といろいろ試行錯誤をされている方もきっと大勢いらっしゃるはずです。

 

そこで、このコラムでは「いったい何歳から英語を勉強すれば良いの?」という疑問を留学カウンセラーの視点から解説してみたいと思います。

何歳からでもOK!頑張る限り英語は身につけられる!

最初からなんだか身もフタもない文章ですが…、子供に英語を学ばせるのは実際何歳からでもOKです。

何歳であっても、当人が頑張る限り英語は身に付ける事ができます!

 

「でも英語は小さいうちから、英語を学ばせた方が良いと聞いたよ?」という方も多いと思います。

実は、その部分についてはかなり誤解が生じやすい所だったりしますので、早速見ていきましょう!

 

▼幼児英語教育についてのよくある誤解と事実
✕:とにかく早い段階で英語を習い始めれば、苦労する事なく英語がしゃべれる
〇:早い段階で習い始めればOKという事ではなく、学び方、教え方、当人のやる気、頑張りなどもしっかり関わってくる
✕:大人になったら英語を身に付ける事ができない
〇:年齢が高くても努力し継続すれば英語を身に付けられる

 

「とにかく早い段階で学べば、苦労する事なく英語が身につく」は間違い

これは特に親御さんが「自分は英語で苦労したから…子供には英語で苦労させたくない!」という気持ちが強いほど、「1日でも早く英語を学ばせよう!」という焦りに繋がってしまうのかもしれません。

しかし、「とにかく早い段階で英語を学び始めれば、苦労する事なく英語がペラペラになる。」というのは、いわば幻想です。

もし「とにかく早い段階で英語の勉強をやり始めればOK」というのであれば、ものすごく小さい頃から英会話を習った子供は全員英語ペラペラになっているはずですよね?

 

言語はコツコツ型、積み上げ型の技術や能力になりますので、どんな天才であっても言語を身に付けるのにはある程度の期間と練習がどうしても必要なのです。(一朝一夕では語学は身につきません!)

そのため、語学を身に付けるためには、短距離走のように1週間や1ヶ月だけ集中的に英語を勉強するのではなく、大人も子供もマラソンのようにコツコツと勉強するのが最短の近道なのです。

すると次は「じゃあ、マラソンのようにコツコツ勉強するためには?」という疑問が出てくると思います。

 

この時に冷静になって考えなければいけないのは、「子供と大人では、勉強に対する理屈や考え方がまったく違う」という部分です。

大人は「英語ができると将来こんなメリットがあるから頑張ろう。」、「自分のモチベーションを上げるためにこんな工夫をしよう。」、「自分で目標やご褒美を設定して頑張ろう。」という事ができるのですが…小さな子供は残念ながらこうした事ができません!

そのため、例えば大人の理屈で「将来英語ができるようになれば、こんな良い事があるんだよ」と伝えても小さい子にはぜんぜん響かないんですね。

 

子供の理屈や考え方は本当にシンプルで「これは面白そうだぞ!」、「これは自分が好きなものだ!」と単純に思えるかどうかです。

例えば、興味のあるテレビアニメのキャラクターやスポーツ選手の名前、自動車や新幹線の名前などは、大人が「すごいなぁ…」と感心するくらい覚えていたりしますよね?

これは子供が「面白い!」、「これは自分が好き事なんだ!」と思っているからです。

 

一方で、子供は「英語勉強しなさい!」と強制をされてしまうと、「これは面白くない事だ」、「これは嫌いな事だ」と感じてしまい、もっともっと英語が嫌いになり、それを避けるようになってしまいます。

実際、たとえ親御さんの職業が英語の先生であっても…親御さんが子供に英語を1から10までを全て教えるというのは現実的に不可能です。

そのため、親御さんは「親の私が英語をしっかり教えなきゃ!」と必要以上に焦って行動をしなくても大丈夫です。

 

ただ、英語をまったくやらないよりは、やった方がだんぜん良い事は間違いありません。

そのため、大人もできるだけ肩の力を抜いて、かつ無理をしないで、「子供が英語に対して少しでも興味を持ってもらえるようにできる事をやってみる」というスタンスが一番良いと思います。

 

「大人になったら英語を身に付ける事ができない」は間違い

まずこちらの図を見て見ましょう!

 

(出典: 年齢による第二言語の習得能力を示したグラフ / SCIENTIFIC AMERICAN Nov. 2015)

 

これは、パトリシア博士がSCIENTIFIC AMERICAN(Nov. 2015)に掲載し、TEDのプレゼンで実際に引用したグラフになります。

 

※パトリシア K. クール 博士
ワシントン大学の学習脳科学研究所の所長で、クリントン大統領夫妻主催の会議やブッシュ大統領夫妻主催の会議で乳幼児の学習や脳、認知発達について講演をする言語能力研究者

 

このグラフは「第二言語の習得能力は3歳~7歳は非常に高く、8歳~10歳は少し下がり、11歳~15歳は半分くらい、17歳以上は大人と変わらない」というデータを示しています。

ここが誤解の生まれやすい所なのですが、このデータは「17歳以上の大人は新しい言語は習得できない。」という事は示していません。

 

パトリシア博士はこのグラフについて「子供は7歳になるまで第二言語の習得、学習能力が非常に高い天才。」、「この理論に意義を唱える科学者はいないが、その理由はいまだ解明はされていない。」という事で解説をしています。

 

つまり「17歳以上の大人は新しい語学を身に付けられない」とは一言も言っていないのです。

 

17歳や大人であっても、語学をコツコツ勉強して継続して頑張れば言語習得は可能です。

ただ、単純に17歳以上となると「小さな子供よりもたくさんの時間や努力が必要になって大変!(笑)」という事だけなんですね。

私達、留学ドットコムで留学をされる方は20代の方が多いですが、たとえスタート地点が「英語がものすごく苦手!全然しゃべれない!」という方でも、留学中に勉強を頑張った方は、全員しっかりとした英語力を身に付けて成果を出されています。

 

また、60代や70代のようなシニアの方なども1年に1回など定期的に留学をしながら、英会話力を毎年少しずつアップさせていらっしゃったりします。

それから留学とは少し違いますが、日本で退職をした人がアジアなどに海外移住したようなケースでも、60代や70代の方が現地の言葉を少しずつ覚えながら生活をしている姿をテレビなどでもたまに見かけますよね。

そのため、決して「年齢が高い=語学習得が不可能」ではありません!

 

まとめ

改めて情報をまとめるとこんな風になります。

 

・子供の時の方が言語の学習能力は高い!
・「言語の学習能力が高い = その時にしか英語を身に付けられない」 ではない!
・「言語の学習能力が低い = 新しく英語を身に付ける事ができない」 ではない!

 

やはり理想としては、「お子さんが小さい時に、英語に興味を持って英語が好きだ!」と自主的に英語の勉強をしてくれるのが一番ですよね!

でも、子供の好き嫌いや性格や個性は千差万別ですので、こうした理想とは違っていても全然問題ありません。

そうした理想に近づくために、親としては長い目で「子供の時に、英語に興味を持って貰えるようにいろんなきっかけを与えてみる」という努力をしていけると良いと思います。

 

また、もし万が一、子供の時に英語に興味を持てなかったとしても、最悪「大人になって、英語必要だから頑張って勉強するぞ!」と頑張れれば英語は身に付きますので安心してください!

その上で、「子供の時に、無理矢理を勉強させられて英語が嫌いになってしまった」というのだけはできるだけ避けていけると良いですよね。

また、その他の子供の英語教育や親子留学に関わる関連コラムもよろしければチェックしてみてください!

 

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